学校の9月始まりが現実味を帯びてきた  2020年5月9日(土)

 

 学校を今年の9月から始めるというのではなくて、来年の9月から、新学期を始めるということなのだそうです。お隣のお子さんのお母さんが、「入学式には行ったのですが、その後一度も学校に行っていません。」と、笑いながら話されていました。おそらく学校再開は、6月からになりそうです。堺市では、新1年生は2か月間学校に行けません。また、他の小学生は3か月間学校に行っていない状況になります。今年度は、すでに入学式、始業式をしているので、今年度の学習を、来年の6月ぐらいまでとすると学習が進められるということです。そのため、来年度から9月始まりにするというのは、妥当な選択になってきました。おそらく、文科省もその検討を真剣に取り組む可能性が見えてきました。

 大きな社会改革になります。入試や新卒採用も、これまで春を起点として動いてきているのが半年ずれます。入学式や卒業式の服装も歌も、変わってきます。夏休み、冬休み、春休みなどの長期休みの期間も考え方も変わります。学校行事も変化しなければいけなくなります。教科書は、9月始まりになると、組み換えが必要です。本年度は、もう教科書が配られているのですが、もし9月始まりになると、来年度から使う教科書の単元組み換えは、本当に大変な作業になると思います。例えば理科は、これまでずっと、春の植物や生き物の観察から学習が始まっているのですが、9月始まりになると、どうなるのでしょうか。すぐには、想像ができません。どの教科も、今のままの教科書で、単元を入れ替えるだけで編集ができるものではありません。文科省は、早々に決断をしなければ、その対応が間に合わないように思います。

 学校の学習スタイルも、これを機会に変化させるべきだと思います。子ども達全員が個人パソコンを持つようになるので、それを学校の中でも上手に活用した学習にしていくようにすることです。子ども達が距離を保ちながら、ネットでつながる学習方法です。家でもその延長で使えると、もし災害や再度の感染拡大で学校に行けなくなるような状況になっても、リモート学習が続けられます。宿題や連絡は、先生がそれぞれのパソコンに送っておきます。子どもは家に帰ってからの学習を、パソコンを使いながら行い、その日の間に送り返しておくようにします。答え合わせはAIがして、その結果を先生がチェックします。計算ドリルや漢字ドリルや英語学習は、すぐにそうなると思います。そのように使わないと意味がありません。

 今回、学習の進め方を変更することで、日本製のパソコンを日本中の子ども達が使い始め、AI教育立国、日本のシリコンバレー化の出発点になるかもしれません。先ずは、学校現場の職員会議が、双方向会議システムを使うことで、教師自身がその良さと問題点を自覚し、学級の教育にも活用していくようにするとよいでしょう。国会周辺の多くの会議も、企業の会議も、リモート会議にしていきましょう。マスコミは、最近一気に、スタジオに人を呼ばないで番組を作っていくようになりました。その表現方法も、日々上手になってきています。距離を置いた生活が、これからおそらく2年間は続けられるので、その間に、一気にデジタル技術によってつながる学習や生活が開発されていくことになるのだろうと考えます。