GIGAスクール構想とは  2020年4月6日(月)

 

 「GIGAスクール構想とは、全国の学校で義務教育を受ける児童生徒に、1人1台の学習者用PCやクラウド活用を前提とした高速ネットワーク環境などを整備する5年間の計画をまとめたものだ。これらの目的は子どもたちの個性に合わせた教育の実現にある。さらに教務や保健などのデータを一括管理する「統合系校務支援システム」の導入で、教員の負担を減らして働き方改革につなげる狙いもある。

GIGAとは「Global and Innovation Gateway for All」の略。PCと校内LANを用意するだけでなく、変化の激しい時代にあわせてICTを活用し、新しい教育へシフトしていくことを表している。

GIGAスクール構想の初年度予算は2318億円。20年度中には、希望する全ての小・中・高等学校、特別支援学校の校内LAN整備を支援するため、整備費用の2分の1を補助する。1人1台の学習者用PCの導入は23年度までに実現する計画で、1人あたり最大4.5万円の補助金を支給する。」

 

 新型コロナウイルス感染が拡大の中、スムーズに設置が進むかどうかはわからないのですが、子ども達が1人1台のパソコンを持つことは、とてもいいことだと思います。特に、子ども達が学校に通えない今の状況の中、先生方が子ども1人1台のパソコンの設定や準備は出来るのではないかと思います。テレビで見ていると、情報番組でも、簡単に複数人同時のテレビ会議ができるようになってきている様子を紹介していました。大学生も、家で講義を聴きながらグループディスカッションをする講義方法をとることができていました。大学は、一気にこのシステムを進めようとしています。大手の塾も、家庭学習支援をオンラインで進めつつあります。「昔は塾に通っていて、夜遅くなると親が送り迎えをして大変だった」というのが、もうすぐ昔話になるかもしれません。会社の仕事も、会議も在宅で進められるようになってきていて、同じように、これからの大学の講義も在宅で受けられます。新しい学びの形態が進められようとしています。このようになってくると学びの個別化が進むので、能力のある学生は、どんどん飛び級をして、より高い学習ができるようになります。

 自分自身も、机の上にはパソコンが中央にあります。ほぼすべての作業をパソコンでしています。いつも困っているのが、ノート記録と、パソコン記録の使い分けです。ノート記録の方が、確実な学びになりそうなのですが、調べる、保存、複写、転送などは、パソコンの方がずっと便利です。しかし、持ち運びとなると、いくら軽量薄型パソコンでもやはり重くて、これまで20年間、リュック生活で乗り越えてきました。会社も、今は机の上にパソコンが一人一台あるのが当たり前となり、手書き帳簿では、もう何も進まない時代となりました。 

 学校の生徒に1人1台パソコンが入ってくると、配布プリントが極端に減ります。また、計算や漢字や基本的な記憶に関する反復学習は、子ども達がパソコンで進めると、先生は進度だけをチェックするだけでよくなります。親に配布するプリント類も、それぞれの保護者のスマホへの直接転送で進められます。実際、幼稚園や塾の連絡は、ほぼ一斉配信で進められるようになってきました。

 理科学習について考えます。今私は、フィールドワークをしながら、植物や昆虫の観察記録を、パソコンを使って、ネット上に記録をしながら進めています。写真は、デジカメで撮って、パソコンに転送します。たぶんこれからの理科室での実験、観察でも、デジタル記録は欠かせない状況になってくるのでしょう。学校で子ども自身が写真記録をしながら実験、観察を進め、パソコンで記録を書くようになると思います。それらのまとめ方が上手な子どもが、デジタル社会で能力が発揮できる人として育っていくのだと思います。今までの学習と違って、教室にいながら、先生を通さないであらゆる情報や資料を調べることができるので、学習方法は確実に変わってきます。今でも若い人と話をしていると、分からない言葉があると、直ぐにネットで情報を調べています。これからの子ども達は、すぐにネット情報を調べられるような状況の中で、学習が進められるのだと思います。かつて私の学級では、子ども達は辞書、事典、参考書を片手に討議をするような学習を進めていたのですが、これからは、ネットから得た情報も使いながら、討議学習をするような教室になります。ネット情報の不確かさは、学習の中で習得していくのでしょう。そのためには読解力が必要です。大量の日本語文章を的確に読む力、さらに、英語の資料も読みこなせる力が、これからの社会を生きる子ども達の必須条件になっていくような気がします。