根っこのある探究学習の課題  2020年4月2日(木)

 

 今日は、お墓参りに兵庫県の氷上まで行きました。お墓参りが「不要不急」の用事であるかどうかは、少し不安ですが、車で行って、お墓参りだけをして真っすぐ帰ってきました。家を10時に出て、午後3時には家に帰り着きました。お墓では、人に接することもなく、お参りだけをしました。途中、トイレ休憩はしたのですが、道の駅などで買い物もしませんでした。新型コロナウイルス感染に関しては、殆ど問題ないと思うのですが、大阪府と兵庫県の間を行き来しているので、社会的にどうなのかは迷うところです。広い墓地です。人はほとんどいません。サクラの花は、いつものように静かに咲いています。人がいなくても、サクラは咲きます。

 

  「休み期間の家庭で探究学習」と、新聞の記事にありました。家庭でできる探究学習の事例が載せられていたのですが、事例はどれも納得いくものではありません。特に、中学・高校のテーマは、子ども達の能力を馬鹿にしているんじゃないかなと思うようなものです。「身近な」という傾向が強くて、それを本当に中高生がやるべきことなのかと思うようなテーマばかりです。時間つぶしのようなテーマでは、子ども達の学習力の成長になりません。このようなテーマなら、静かに読書をしたほうがよっぽど良いように思います。これから小学校や中学校で始まるアクティブラーニングも、同じような傾向があると言えます。「活動ごっこ」、「探究ごっこ」、「時間つぶし」のための活動になっていないかというチェックが必要です。それにはまず、教師が日々、探究的な生活をしていないと、テーマの価値の判断、探究の過程の指導ができないと考えます。

 この晴歩雨読を書く時間は、考える時間になっています。探究まではできていませんが、書いている内容に関しては、考え続けています。日々の日常生活の中で、深く考える時間というのはなかなか作り出せないので、この晴歩雨読を書くという時間を取ることで、最低毎日1時間の考える時間を確保しています。こぎつね小学校の授業時間でも、子ども達は、45分の学習の最後5~10分の時間は、今日の自分の学びを振り返り、言葉にしていく時間です。ノートに数行から1ページ程書きます。研究論文では結果や考察に当たるところです。高学年では、一日6コマの学習があるので、毎日1時間程度の学びの考察をしていることになります。さらに日記を毎日2ページ、学びや生活のふりかえりとして書きます。日記でも、今日の一日の考察をするように書くようにしています。探究のテーマとは、このような、日々の学びの「ふりかえり」の中から生まれてくるものだと思います。ふりかえりを書く中で見つけた、その子にとって切実な課題や問題や疑問を、自分の生活と突き合わせながら学びを深めていく時、そこに探究学習の出発点があるように思います。まず身近なところから探究学習を始めましょうというのでは、根無し草の学習になってしまいます。子ども達には、根っこのある探究学習をさせてあげたいと思います。

 今年の4月から始まるアクティブラーニングも、基礎となる読書、資料、図鑑などを持ちよって進めるようにしたいものです。単なる言い合い、単なる調べ学習にならないようにしてほしいと思います。そのためには、自分なりのデータを持つことが大切です。アクティブラーニングは、個人と個人のバトルの場と考え、一人ひとりがしっかり知識や体験や資料で身構えて、話し合いを深めなければいけません。自ら学びをしない個人が集まって進めるアクティブラーニングでは、日頃の力関係だけで仲間を作り、真実でない方向に曲げられた話し合いを進めてしまいます。個人の自立、個人の追究からの問題解決学習がアクティブラーニングの基礎基本です。