明日は彼岸の中日  2020年3月19日(木)

 

 お彼岸と、春分の関係を、これまであまり意識してきませんでした。牡丹餅とおはぎの違いについての情報は聞いたことがあるのですが、お彼岸については調べたことがありませんでした。

 お彼岸とは、春分の前後3日、合計7日間のことです。彼岸とはあの世の事で、此岸はこの世の事をさします。ネットには、「彼岸(ひがん)とは、日本の雑節の一つで、春分・秋分を中日とし、前後各3日を合わせた各7日間(1年で計14日間)である。この期間に行う仏事を彼岸会(ひがんえ)と呼ぶ。最初の日を「彼岸の入り」、最後の日を「彼岸明け」(あるいは地方によっては「はしりくち」)と呼ぶ。俗に、中日に先祖に感謝し、残る6日は、悟りの境地に達するのに必要な6つの徳目「六波羅蜜」を1日に1つずつ修める日とされている。」とありました。

 

 今年は、彼岸の入りが3月17日、彼岸の中日が3月20日(春分)、彼岸明けが3月23日に当たります。お彼岸とは、7日間、先祖に感謝し、悟りの境地に至るように徳目を修める日ということです。7という数字は、よく出てきます。四天王寺七宮、天王寺七坂、大阪七福神など、最近、全部を歩いて修行しました。

 

 六波羅蜜について、六波羅蜜寺のホームページで調べました。

「六波羅蜜とは、この世に生かされたまま、仏様の境涯に到るための六つの修行をいいます。波羅蜜とは彼岸(悟りの世界)に到ることです。

◆布施

見返りを求めない応分の施しをさせていただく事をいいます。貪欲の気持ちを抑えて、完全な恵みを施すことです。布施行は物質だけではありません。

◆持戒

道徳・法律等は人が作り現在はますます複雑になっています。私たちは高度な常識を持ち、瞬時瞬時に自らを戒める事が肝要です。

◆忍辱

如何なる辱めを受けても、堪え忍ぶことが出来れば苦痛の多い現代社会において、自らが他の存在に生かされていることがわかり、全ての人の心を我が心とする仏様の慈悲に通じることとなります。

◆精進

不断の努力をいいます。我々人の生命は限りがあります。ひとときも無駄にすることなく日々誠心誠意尽くすことです。

◆禅定

冷静に第三者の立場で自分自身を見つめることをいいます。

◆智慧

我々は本来仏様の智慧を頂戴してこの世に生をうけております。しかし、貪りや怒り愚痴によってその大切な智慧を曇らせてしまいがちです。 布施・持戒・忍辱・精進・禅定の修行を実践しどちらにもかたよらない中道を歩み、此の岸から彼に岸へ・・・。」

 お彼岸の始まりについては次のような情報がありました。

「浄土思想でいう「極楽浄土」(阿弥陀如来が治める浄土の一種、西方浄土)は西方にあり、春分と秋分は、太陽が真東から昇り、真西に沈むので、西方に沈む太陽を礼拝し、遙か彼方の極楽浄土に思いをはせたのが彼岸の始まりである。現在ではこのように仏教行事として説明される場合が多い。それがやがて、祖先供養の行事へと趣旨が変わって定着した。しかし、彼岸の行事は日本独自のものでインドや中国の仏教にはないことから、民俗学では、元は日本古来の土俗的な太陽信仰や祖霊信仰が起源だろうと推定されている。豊作を太陽に祈願する太陽信仰の言葉の「日の願い」が、「日願(ひがん)」として、仏教語の「彼岸」と後から結びついたものであるとする。民間習俗と彼岸の名称とその時期とが結合して、仏教行事になり、歳時習俗として生活の中に大きな存在となったと指摘する。」

彼岸は日本独自のもの、日願から彼岸へと結びついたという考えであるようです。

 

 太陽が、真東から出て、真西へと沈むので、自分の家の真東、真西はどこに当たるのか知るにも丁度良い機会です。奈良こぎつね小学校で理科学習を進めている時、奈良は盆地なので、周囲全体に山があります。朝日の観察は子どもには大変なので、夕日がどこに沈むかを夏至から秋分、そして冬至の頃へと、調べる課題をこなした小学生こぎつねがいました。日の入りの方位がどんどん変化することを、体感したことだと思います。