桜梅桃李を知る  2020年3月2日(月)

 

 幼稚園の勤務を終えたのは、2020年の2月末日です。3月から新型コロナウイルス拡散防止のため、全国の学校が休校措置になったからです。もうしばらく登園して、かわいいこぎつね達と遊べると思っていたのですが、突然、4年間の幼稚園生活を終えることになりました。しかし、きつねTにとっては、いい終わり方だったなと思っています。 

 3月からは、園児や小学生と同じように、家にいる状況に置かれています。そこで、きつねTは、3月1日から「自由人生活のフィールドウォーカー」を始めると自分自身で決めて、歩きに出る生活をすることにしました。自分の位置づけや生活の目的を明確に宣言しておかないと、ダラダラ生活になってしまうことが怖いからです。こぎつね研究室の園児、小学生のこぎつね達も、テレビやゲームに時間を使うのではなくて、ピンチをチャンスに生かして、観察や読書、絵を描いたり、スポーツをしたり、上手に自分自身の計画を進めてほしいと思います。人ごみはさけて、研究や観察や制作はできます。休校休園措置のおかげで春休みが40日近くあります。夏休み以上の自由時間です。毎日、幼稚園や小学校に通う必要がなく、全部、自分自身の時間です。大きな公園や山歩き、川原や池や海岸の探検、街道や神社めぐり、「花鳥風月」、「晴歩雨読」、子どもの視点で、観察をしたり記録をしたりしていくと、充実した時間を過ごすことができます。賢い子どもの能力は、こんな自由で余裕のある時に育てられると思っています。

 最初が肝心です。きつねTは、最初の二日間、フィールドワーク、フィールドウォークができいいスタートができました。3月1日は槇尾山に登山しました。ムラサキトビムシを、初めて見ました。キノコの生えているような朽木に、とってもたくさんうじゃうじゃ動き回っていました。今日、3月2日は、家から長居公園へと歩き、長居公園で早咲きのサクラの記録をしました。コブクザクラ、カワヅザクラ、カンヒザクラ、オカメザクラを見ました。カンザキアヤメは南田辺駅近くのお寺の境内で見ました。モクレンの白い花が、もう咲き始めていました。道端や空き地には、キュウリグサ、ホトケノザ、オニタビラコ、フヨウカタバミ、ツルニチニチソウ、オオキバナカタバミ、カラスノエンドウ、タネツケバナも満開です。ピンクのかわいい見たことのない花が、溝の小さな割れ目から芽を出して咲いていました。栽培植物が逃げ出して、自生しているものだと思いました。名前を調べるのに苦労しましたが、シレネ・カロリニアナというようです。日本名はあるのかどうか、まだ分かりません。行動すると、何か新しい自然に出合います。世の中、知らないことだらけです。

 

 昨日テレビで、「桜梅桃李」という言葉を初めて聞きました。ネットで調べると、あちこちで使われていたり、解説が載っていたりしました。特に、その「李」という漢字は、スモモを表すことも知りました。世の中、知らないことだらけで、情けないなと思います。家にあるかなり大きな四字熟語辞典には載っていなくて、国語大辞典にも、桜梅桃李の項目はありませんでしたが、ネット上には、書道作品として書かれた文字も、たくさん掲載されていました。ネットで調べた解説には、「桜、梅、桃、李(すもも)とそれぞれの花が、その特性を発揮して、見事に咲き薫ります。同じように私たちも各々が ありのままの姿で、人生を咲かせ、実を結ぶことができるということを、仏法では「桜梅桃李」にたとえて説いています。桜は桜らしく、梅は梅らしく、桃は桃らしく、李は李らしく。自分に自信がなくなったときはつい人と比べ、意味も無く羨んでしまいがち。ナーバスになった時「自分は大して意味をもたない存在なんじゃないか」と思ってしまうことも。だれにでも良いところもあれば、短所もあります。自分にしかない良さがあるんだから、それを咲かせ発揮してみたらステキな生き方ができるんじゃないか。だれ一人としてこの世に存在価値のない人なんてなく、どんな人にもその人にしかできないことってあると思うのです。お互いにたたえあい、磨きあいながら、今いるこの場所でそれぞれの立場で輝いていきたいものです。」と、書かれていました。これから使っていきたい言葉です。