潮岬ジオパーク資料館に行く  2019年12月10日(火)

 

 今日は潮岬灯台のすぐ近くに、今年の7月にできたジオパーク資料館に行きました。朝7時過ぎに家を出ました。白浜のさらに南のすさみ町まで自動車道がつながっているので、潮岬まで距離は200㎞あるのですが、2時間30分で行くことができました。自動車道は、海岸ではなくて山の中を通るのでトンネルの連続です。南紀のきれいな景色を見ながら走るのではなくて、ひたすら目的地に向かって一直線に走ります。若い頃、紀伊半島を一周したことがあるのですが、ほぼ、海岸沿いを走っていた時と比べて、和歌山の良さが感じられないと思いながら、連続したトンネルの道を走り続けました。

 ジオパーク資料館は、本州最南端の灯台のすぐ近くにありました。2年前に行った室戸のジオパーク資料館よりも、さらに最先端の設備がありました。和歌山県も頑張っています。今日は平日なのですいていて、展示説明をされる人がゆっくり説明をしてくださいました。先ず、資料館のできた経緯などの概要説明のあと、和歌山周辺の地質概要を年代をおってお話をされました。これまで、自分が学んできた付加帯の地質構造に合わせて、新たに和歌山に大きなカルデラがあったことが分かりました。地質学の進歩を感じました。概略を聞いた後は、詳しいビジュアル動画やクイズなどで、個別の地質現象の解説を見ていきました。

 プレートテクトニクスによる海洋底で動いていること、海洋底堆積物が日本列島の下に沈み込まないで日本列島に付加されていくこと、付加された地域の上に海底くぼ地ができて、そこに日本列島からの川の運搬による堆積が起こること、付加されたところの中でマグマが発生し酸性火成岩の噴火が起こり大きなカルデラができること、岩脈がそのカルデラから放射状に延びていることなど、和歌山周辺の地質現象を、トータルに説明していました。昔、熊野酸性岩と言われていた謎の岩石の存在が、こう考えるといいんだなと、すごく納得できました。

 展示解説をして下さる人が二人おられて、もう一人の方が、アメリカ製の堆積実験装置で、流水による川の運搬、侵食、堆積作用を説明してくださいました。すごい装置でした。昔、小学校の理科では、砂で堆積実験装置を作って実験をしていたのですが、小さなプラスチックのチップ片が砂の代わりです。流水によって、川岸がうまく浸食されて、海の中に堆積していく様子がわかり、さらに、河岸段丘、扇状地などができる様子も再現できていました。車一台分の値段がするということです。「アメリカは凄いわ」と、言っておられました。そう思いました。

 実体顕微鏡の高性能のものが2台あり、いろいろな砂粒の観察ができるようになっていました。昔、いろいろな砂を子ども達に観察させていたことを思い出しました。その機器の性能の良さに驚きました。便利なものがあるんだなと思いました。何十万円もするということでした。

 2時間ほど、ゆっくり資料館で見学をした後、潮岬灯台と、すぐ横の神社に行きました。神社の横に、昔クジラが岬の沖を通り過ぎるのを見張る、海に突き出した高台が景勝地になっていて、そこにも行きました。温かい日だったので、本州最南端のお散歩ができました。冬の低い太陽が、海面に反射してキラキラと輝いていました。2時過ぎになってしまいました。帰途につき途中で遅い昼食をとり、車を走らせると、家には5時過ぎに到着しました。明るい間に帰ろうと思っていたのですが、暗くなってしまいました。