京都清水寺周辺を歩く  2019年11月16日(土)

 

 本当に久しぶりに、おそらく15年ぶりに、京都清水寺近くの祇園、三年坂、二年坂、八坂の塔、八坂神社あたりを歩きました。道は昔のままなので迷うことはないのですが、お店や歩いている人の様子は昔の記憶とは全く違い、異国に来ているような感じを受けました。みんな活気があり、通りに面した全ての家々が、何らかの商売をしています。歩いている人は、外国人がおそらく半分以上いて、着物を着ている人たちもよく見かけます。中には、祇園の舞妓さんのような衣装と化粧の本格的な着付けの人達も歩いています。少し前、着物を着て歩いている外国人を見て、少し変だなと思っていたのですが、今は逆に、着物文化が外国人によって再発見されていて、日本人の若い人たちもレンタル着物を着て歩いている状況です。清水周辺全体が、映画の中のセットのような感じでした。そういえば、白川郷も、お土産屋や食べ物店が立ち並び、昔の日本の暮らしのパビリオンのようになっているのと同じような感じです。

 さびれていき、若い人が住まない街は活気がないのですが、安っぽい商業文化が入り込んでくることも良し悪しで、これまで培ってきた伝統が見えなくなってしまいます。しかし時代の流れというのはこのようなもので、今の状況からまたさらに淘汰され勝ち残っていくものが、新たな伝統になっていくということにもなるのでしょう。

 身近な生活の中でよく見かける、大きなスーパーマーケットが駅前にできて、昔ながらの小売店がなくなり、しばらくすると、その大きなスーパーマーケットが経営破綻して撤退し、町全体がゴーストタウンのようになっていく状況を見かけます。京都の街も、一時のブームに終わらず、うまく発展していって欲しいと思いました。

 

 岩崎元郎『山登りの作法』2010年ソフトバンク新書、を読みました。

山登りは、いい運動です。自然観察もできるので、フィールドワークに最適です。最近、高校生・大学生の頃以来50年ぶりに山登りを始めたので、この本を読んでおこうと思って借りました。高い山に登るわけではないのですが、次のようなところが心に残りました。山には1人で登らない、雨具は高品質のものを選ぶ、夏山でも防寒着、ヘッドライト、地図、磁石、非常食などを持つなどが書かれてありました。歩く時は靴一足分が歩幅の目安、登る前のウォーミングアップと、下った後のクーリングダウンをする、食事は休憩ごとに少しずつ取るなど、基本的なことがおろそかになっている人が多いことも指摘されていました。他には、メモを取る、計画を家族に知らせる、ガイドブックをよく読む、山の雑誌を読んで山について学ぶなどもあります。

 また、急に山に行きたくなったときに、そこなら安心して歩けるという「ホームコース」を持っておくことも大切だと書いていました。私の場合は、金剛山や暗峠越えなどの決まった道は、迷うことなく歩けるのでホームコースになるのだろうと思います。岩湧山も、今後、ホームコースの山にしたいなと思います。街歩きのホームコースは、家から天王寺の10㎞です。これは、2時間で歩けることがわかっているので、「ちょっと歩いてくる」と告げて家を急に出ても、予定通り、少々道を変えながらでも歩き切ることができます。もう何十回も歩いているコースです。