「能勢妙見山」を歩く  2019年9月29日(日)

 

 久しぶりに山へ行きました。山と言っても登りはケーブルカーとリフトを使って登り、下りだけを歩くという登山ではなく下山をしました。能勢妙見山は、頂上近くまで車で行くことが可能なのですが、今回は、ケーブルカーの近くの駐車場(700円)に車を置いて、ケーブルカー(全長666m、高低差223m、5分、350円)と、リフト(全長573m、高低差87m、350円)を乗り継いで山頂へと向かいました。ケーブル黒川駅は標高237m、ケーブル山上駅は460mです。また、リフトはふれあい広場乗り場が標高500m、妙見山乗り場が587mでした。

リフトに乗っていると、周りの様子がよくわかります。サクラ、アジサイ、モミジと、季節の花が美しいようですが、今はコスモスが植えられていて、ツマグロヒョウモンがたくさん飛んでいました。アサギマダラの姿もありました。リフトの妙見山乗り場で降りて、妙見山山頂(660m)近くにある能勢妙見山本殿まで歩きました。鳥居があるのですが、日蓮宗のお寺です。

 ネットで調べてみました。

 「能勢妙見山(のせみょうけんざん)は、大阪府豊能郡能勢町にある日蓮宗の霊場。妙見山の山頂付近にあり、北極星信仰の聖地として知られる。能勢妙見堂(のせみょうげんどう)、また神仏習合時代の名残で境内入口に鳥居があることなどから、能勢妙見宮(のせみょうげんぐう)との通称もある。正式には無漏山眞如寺 境外仏堂 能勢妙見山と言い、能勢町地黄にある真如寺の境外仏堂である。境外仏堂とは飛び地境内にある仏堂の意だが、本寺の真如寺よりもはるかに多くの参詣者を集めており、関西地区における日蓮宗の寺院等においては重要な位置を占める。開山以来、真如寺住職が併せて受持していたが、宗教団体法の規定に基づき、1941年(昭和16年)に真如寺所属の仏堂となった。当山の歴史は天平勝宝年間(750年頃)に、為楽山(現・妙見山)の山頂に行基が為楽山大空寺を建立したことに始まるとされる。」

「山頂付近には「星嶺」(せいれい)という、当山の寺紋(能勢氏の家紋である切竹矢筈十字)をかたどった信徒会館が1998年(平成10年)4月に建てられており、2階の礼拝堂は床が全てガラス張りという仏教の礼拝堂とは思えない構造となっている。中の売店には以前は簡易郵便局も併設されていた。」

 

 山頂近くの能勢妙見山本殿は、歴史ある寺院でした。お百度をしながら歩いている方もおられました。参拝者も次々に来られていました。近くの広場では、登山の団体ツアーの人たちがお弁当を食べていました。朝から登山道を登ってこられたのかもしれません。星嶺の前のテラスからは、大阪湾、六甲山などが見えました。いつもは、六甲山は南からしか見ていないのですが、ここからは、東からの六甲山の形が見えています。裏六甲と言われる有馬温泉の方が見えているはずです。遠くには、淡路島も見えました。特徴的な形の甲山も見えました。

                                                                                          

 妙見山山頂近くには、ブナ林があります。

 「一万年以上前から残る大阪府天然記念物「ブナの原生林」。妙見山の山頂付近には大きなブナの木が幅広く根を張っているのが見られます。一万年前から人の手が入っていないとされるこのブナの原生林は、大阪府自然環境保全地域として指定されています。日本のブナ林は温帯(年平均気温が6~13度C)の代表的な落葉樹で、日本の西南地方では一般に1000メートル以上の山に生育していますが、妙見山のブナ林は660.1メートルと比較的低い山に生育していることで珍しいとされています。妙見山頂から西南の斜面にかけて周り2メートル以上のものが約100本もあって、中には直径が1.3メートルを越える大阪府下最大級のものも見られます。昭和58年5月2日に大阪府の天然記念物に指定されています。「大阪みどりの百選」に指定されています。指定された理由として、信仰の山として古い歴史を持ち、山頂や参拝堂からの眺望がすばらしい。山頂には府下では珍しいブナの自然林があり、小鳥や昆虫類が豊富であることがあげられています。」

 

 ブナ林の中は歩くことが出来ないのですが、お寺のすぐ近くで一部、見ることができました。太いブナの木がありました。氷河期の頃、平野近くまで広がっていたブナ林が、今は山頂にだけ僅かに残っていると考えられています。

 妙見山の登山道は、4つ書かれていました。初音渓谷コース(5.9㎞)、妙見稜線コース(4.0㎞)、新滝道コース(3.8㎞)、大堂越えコース(3.9㎞)があり、新滝道コースは、昨年の台風の為の倒木があり今は通る事が出来ないようです。今回は、ケーブルの黒川駅に車を置いているので、大堂越えコースを下ることにしました。最初は車が通る道を下って、すぐに山道に入りました。山道は倒木が多くて、昨年の台風の被害を受けているのが分かります。谷沿いに降りるまでかなり急な山道を下ることになります。沢沿いに出ると、最初は沢のすぐ横の道を歩きます。時には川原を歩きながら下るのですが、次第に沢が深くなり、道は沢からかなり高いところを通るところもありました。踏み外すと危ない場所もあり、そのような場所にはロープが張ってありました。

 台場クヌギと言われる、炭を作るために枝を切り続けられた木が植わっているところがありました。丁度、そこで枝を切っている人がいて、説明をしてくれました。「クヌギは、菊炭を作る材料。新芽を鹿に食べられないように地上1~2mの所で幹を切り、その切り口から生える新しい幹を、10年ごとに繰り返し伐採することでゴツゴツとした奇妙な形の幹になります。この奇妙な形のクヌギを「台場クヌギ」と呼びます。古くからこの地域一帯で育成されていたクヌギを原料とする木炭は、その断面が菊の花に似ていることから「菊炭」と呼ばれてきました。茶の湯の分野では最高級の炭として現在も重宝されています。」と言うことでした。

 3.9㎞の大堂越えコースを、汗びっしょりになって下りました。今日の大阪の最高気温は32度にもなっている真夏日でした。能勢の森林地帯なので、それほど気温は高くないにしても暑い日でした。久しぶりの山道で、かなり疲れました。

 これまで、大阪の北の地域を歩いたのは、箕面の滝道しかありませんでした。夕方の情報番組で、妙見山を紹介していたので、行ってみたくなりました。能勢がどのあたりかもよくわからなかったのですが、能勢電鉄妙見線は、阪急川西能勢口駅から北へ伸びていました。また、能勢街道が、大阪の中津から池田、そして能勢へとつながっていることも分かりました。