『日本の山と高山植物』を読む 2019年9月25日(水)
今日は水曜日。幼稚園に行く日です。昨日は14㎞ほど中山道を歩いたのですが、今日は意外と元気です。朝4時50分にセットした目覚まし時計が鳴るよりも早く起きて、出掛ける準備ができました。
小泉武栄『日本の山と高山植物』2009年平凡社新書を読みました。少し前に、小泉さんの『自然を読み解く山歩き』を読んだ時、とても興味が持てる自然の見方を書いてくれていたので、続けて小泉さんの本を読むことにしました。
『日本の山と高山植物』の<目次>
第1章 世界の中の日本の山
第2章 高山植物の分布と生活
第3章 日本の高山植物の起源
第4章 ヨーロッパアルプスにはなぜハイマツ帯がないのか
第5章 高山の地質・地形と植物群落
第6章 岩塊斜面はいつできたのか
第7章 地質の成り立ちとプレートテクトニクス
1.日本アルプスの北と南を比較する
2.日本の山の地質はなぜこんなに複雑なのか
3.新しい地層・・新第三紀と第四紀層
第8章 山の成り立ちと山地の形成
1.山脈はどうしてできるか
2.日本の山脈の生い立ち
3.日本の山脈はいつ隆起したのか
4.山は侵食によってどのように変化するのか
第9章 氷河時代とその影響
1.氷河時代がやってきた
2.氷河地形はどのようにしてできたか
3.周氷河地形とはどんなものか
第10章 火山と火山活動が作り出す植物群落
1.日本の火山
2.世界の火山
3.火山の植生をみる
第11章 特異な植物分布
1.縞枯れはなぜ起こるのか
2.土石流と洪水が作る植物群落
3.多雪山地の高層湿原
4.偽高山帯の成立
高山植物の分布は、山の地面の粒度や地質や風の当たり方や火山噴火に関係すると書かれていました。特に凍結風化による地面の粒度の違いが、高山植物の分布には、大きな影響があることを強く主張されていました。
第7章からは、日本列島のでき方や、山脈のでき方、火山噴火について、地学的な解説が続き、興味深く読めました。40年前に、大学で学んで衝撃を受けた最新のプレートテクトニクスの理論はさらに発展してきているようです。プレートの複雑な動きが分かってきています。火山についても、ホットスポット型の火山は、ハワイだけだと思っていたのですが、ガラパゴスもホットスポット型火山だと考えらえていることも知りました。氷河期のことについても詳しい解説があり、最終氷河の後の地形や地質が、今の高山植物の分布を作っているということです。
次は、小泉さんの書かれた『観光地の自然学 ジオパークで学ぶ』を、図書館で借りているので読むことにします。この本は今読んでいる高山植物の本よりも、さらに地質・地形が中心に書かれてある本なので楽しみです。