『風と歩いた二年間 私の伊能ウォーク』を読む 2019年9月1日(日)
西川阿羅漢『風と歩いた二年間 私の伊能ウォーク』2003年を読みました。1999年1月25日東京を出発して、2001年1月1日に東京へ戻ってくる、日本一周を歩いた時の記録です。北海道は一周されていませんが、本州、四国、九州は一周していて、2年間でおよそ1万㎞を歩いています。大きく5回に分けていて、ステージごとの間には、休息として10日ほどは、家に戻られています。
第1ステージ 東京~札幌 98日 1980㎞
第2ステージ 青森~長野 81日 1574㎞
第3ステージ 長野~大阪 111日 2030㎞
第4ステージ 大阪~指宿 153日 3007㎞
第5ステージ 名護~東京 131日 2439㎞
合計 574日 11030㎞ (1日平均19㎞)
構成員は、朝日新聞社と日本ウォーキング協会が公募選考した15名の隊員と隊長です。これらの人たちは全行程を歩く人たちです。そこにスタッフとして、荷物などの輸送担当者が全行程参加された3名と、さらに交代で参加されるスタッフの方々も多くいます。この伊能ウォーク隊16名を中心に、ステージごとに近畿日本ツーリストが募集した、ステージ単位で歩く人たち(ステージ隊員)の参加があったり、数日間だけ希望するところを歩く人たち(エリア隊員、デーリー隊員)などの合流があったりします。さらに各県では、大会ウォークを開催し、都市部ではすごい人数の方々が一緒に歩かれていました。
著者の西川阿羅漢さん(愛知県)は、この伊能ウォーク以前に、四国八十八か所巡りを毎日40㎞歩き、1200㎞のコースを30日ほどで歩き切った方です。千日回峰行の阿闍梨様が、毎日40㎞を歩いておられるということで、四国を一日40㎞と決めて歩かれたようです。元々海上保安庁勤めの方で、若い頃からランニングなどで、足腰を鍛えられていました。2年間歩き終えられた時の年齢は70歳です。2年間で、390万円の経費がかかったと書いていました。
この西川さんが、この著書の中で超人と書かれているのが、隊員の中の岡田さん(70歳、兵庫県)です。岡田さんは、四国八十八か所、西国三十三か所、坂東三十三か所のお寺巡りはもちろん、東海道自然歩道、中国自然歩道の踏破、本州横断7か所をはじめ、川の源流踏破も10か所はくだらないウォーカーです。日本ウォーキング協会のゴールドメダリストです。さらに、淡路島1周130㎞を寝ないで歩くスーパーウォークを10回もされています。
著者の西川さんは、伊能ウォーク後も、一年間で3000㎞を歩く、歩き三昧の生活をしていると書かれていて、毎日平均10㎞を歩いておられるようです。この本を書かれたとき、メモがとても役に立つとありました。本を書く時は、時刻と単語だけが並んだメモ帳を基に、地図とにらめっこをして、ジグソーパズルを組み立てるような作業だったと書かれていました。メモは大切だなと思いました。