ヘンリー・ソローの本  2019年7月27日(土)

 

 ヘンリー・ソロー『森の生活』は、素晴らしい本です。単行本も文庫本も持っています。昨日は、大阪市立中央図書館に行き、そのソローが書いた他の本も見つけました。今回は、①『生き方の原則 魂は売らない』、②『ウォーキング』 (Walking)、③『孤独は贅沢 ひとりの時間を愉しむ極意』の三冊を借りました。他にもまだソローに関する本があるようです。ソローの本には、次のような出版があります。

 

『ウォールデン 森の生活』 (Walden:or, the Life in the Wood, 1854年) 

  佐渡谷重信訳 講談社学術文庫、1991

  年飯田実訳 岩波文庫(上下)、1995年ワイド版2001年

  酒本雅之訳 『ウォールデン』 ちくま学芸文庫、2000年

  今泉吉晴訳 小学館、2004年 / 小学館文庫(上下)、2016年 

  真崎義博訳 『森の生活』 宝島社、1995年、新版2005年 / 宝島社文庫、1998年、新版2002年

『メインの森』 (The Maine Woods, 1864年)

  小野和人訳 金星堂 1992年/講談社学術文庫 1994年

  大出健訳 冬樹社 1988年

『コッド岬 海辺の生活』 (Cape Cod, 1865年) 

  飯田実訳 工作舎 1993年、新版2017年

『市民政府への反抗』 (Resistance to Civil Government,1849年) 没後出版

『市民の反抗』 飯田実訳 岩波文庫 1997年

『一市民の反抗----良心の声に従う自由と権利』 山口晃訳 文遊社 2005年

『ソローの市民的不服従----悪しき「市民政府」に抵抗せよ』 佐藤雅彦訳 論創社 2011年

『ザ・リバー』 (The river) ダドリ・C.ラント編 

  真崎義博訳 宝島社 1993年

『森を読む 種子の翼に乗って』(Faith in a seed)  

  伊藤詔子訳 宝島社 1995年

『野生の果実』(Wild fruits) ブラッドレイ・P.ディーン編

  伊藤詔子・城戸光世訳 松柏社 2002年

『生き方の原則 魂は売らない』(Life without principle) 

  山口晃訳 文遊社 2007年

『ウォーキング』 (Walking) 

  大西直樹訳 春風社 2005年

『月下の自然 夜の散歩と思索のエッセイ』 (The Moon) 

  小野和人訳 金星堂 2008年

『ソロー語録』 岩政伸治訳 文遊社 2009年

『ソロー博物誌』 山口晃訳 彩流社 2011年

『孤独は贅沢 ひとりの時間を愉しむ極意』 増田沙奈・星野響訳、興陽館、2017年

『ソロー日記 〈春・夏・秋・冬〉』 H・G・O・ブレーク編 山口晃訳 彩流社 2013-18年

 

 ソローについては次のように紹介されています。ネットからの引用です。

「マサチューセッツ州コンコード市出身。ハーバード大学卒業後、家業の鉛筆製造業、教師、測量の仕事などにも従事したが、生涯を通じて定職につかず、やがて学生時代に熟読した『自然』の著者で超絶主義者(英語版)のラルフ・ワルド・エマーソンらと親交を結んだ。自費出版した処女作『コンコード川とメリマック川の一週間』(1849年)は、若くしてこの世を去った兄とのボート旅行をまとめた随想で、当時の社会には全く受け入れられなかった。ウォールデン池畔の森の中に丸太小屋を建て、自給自足の生活を2年2か月間送る。代表作『ウォールデン 森の生活』(1854年)は、その記録をまとめたものであり、その思想は後の時代の詩人や作家に大きな影響を与えた。

1855年頃から体調を崩し、その後も野外での活動を継続したが、1861年12月頃から体調が悪化し、1862年5月6日、結核の為コンコードで、44歳で死去した。コンコードのスリーピー・ホロー墓地に一家と共に埋葬されている。

自身の没後に『メインの森』(1864年)や『コッド岬』(1865年)などの旅行記や、自然誌エッセー、日記、書簡集等、数多くの作品が出版されている。ソローの作品は、人間と自然との関係をテーマにしたものが多く、自然文学、今で言うネイチャーライティングの系譜に位置づけられる。多くの著作に現在の生態学に通じる考え方が表明されており、アメリカにおける環境保護運動の先駆者としての評価も確立されている。日本においてもアウトドア愛好家などに信奉者が多い。」

44歳で亡くなっています。

 

 図書館の帰りの電車の中で『歩く Walking』を読み始めました。なぜ歩くのか、どんなところを歩くのか、何を求めて歩いているのかなど、これまで自分自身も歩きながら考えていたことが、言葉として表現されています。さすがだなあと思いながら読み進めることができました。

 

 ヘンリー・ソローの『森の生活』(真崎義博訳)の本を、本棚から取り出して開いてみました。目次の項目が凄いことに今更ながら感じられました。一つひとつが、新書の一冊のテーマになりそうです。

 

『森の生活』

第1章 衣食住の基本問題

 生活をみつめなおす目

 さあ、まず着るものからはじめよう!

 開拓者たちは、はじめ「穴」のなかで暮らしていた

 ぼくの家は湖のあたりの森のなか

 ぼくはどの農民よりも自由だった

 自然と同じようにシンプルで健康に生きてみよう

第2章 住んだ場所とその目的

 気に入った土地をさがして住んでみること

第3章 読書について

 本物の本を本当の精神で読むことは高貴な修練だ

第4章 音について

 森にいるといろんな音がきこえてくる

第5章 ひとりきりの時間

 ぼくは、ぼくだけの小宇宙を持っている

第6章 来訪者たち

 ぼくの家の訪問者たちを紹介する

第7章 豆畑

 ぼくの豆畑の収支決算をしてみると

第8章 近くの村

 村に出ると、とたんにうわさ話の洪水だ

第9章 ウォールデン湖

 ウォールデン湖はぼくの美術館、そして天然の井戸だった

 湖は鏡、そして太陽は光のダスターだ

第10章 ベイカー農場

 ぼくらは毎日遠くから、新しい発見をもって帰ってくるべきだ

第11章 より高い原理

 まず漁師、あるいは釣り人として森に入り、詩人なり博物学者となって出てゆくこと

第12章 隣人としての動物たち

 人なつっこいネズミや宝石のような鳥、そして戦争するアリたち

第13章 暖房について

 湖が凍りはじめるころ、ぼくの小屋の窓ぎわはまきの山

第14章 先住者と冬の訪問者

 森の中を歩くと先住者たちの廃墟が点在している

 雪を踏みしめて、頭の長い農夫や詩人たちが訪ねてくれた

第15章 冬の動物

 フクロウが寂し気に鳴き、キツネは悪魔のように遠くで吠えた

第16章 冬の湖

 氷の下で泳ぐ小ガマスは、黄金とエメラルドの魚だ

第17章 春

 湖の氷が音をたてて溶けはじめると、造花の神が動きだす

第18章 結び

 こうしてぼくの森の生活が終わった