校内研修会の感想とおたずねに答えて 2019年7月24日(水)
(園児は、私のことを、「きちゅねせんせー」と読んでくれます。顔がほころびます。)
■きつね先生から学び、2学期以降に実践しようと思うこと
・身の回りのことに気づくこと、それを伝えたい、聞きたいという雰囲気づくりをすることを2学期にまず取り組もうと思います。それを積み重ねることで、「対話的」な授業につなげていきたいです。Re:朝の元気調べが、とても大切です。
・一人一言ずつ話す時間を授業に取り入れるようにしてみたい。やはり、話す力、聞く力が中心になっていくと改めて感じた。Re:どの教科でも、単元導入のあたりで、何に興味をもっているのか話させるといいですね。
・対話的な学びの第一歩として、朝に全員に話をしてもらおうと思う。これを実践してみて、他の授業にいかせるようにしたい。Re:朝の元気調べは、話す、聞く、書く、学びへの意欲など、多くの力を付けます。
・「小さな秋みつけ」など、テーマを決めて一言朝の日直のスピーチをする。朝の会は小さなステップとして良い機会だと思う。Re:朝の元気調べは、テーマは決めません。私の場合は、日直のスピーチではなく、全員が身近な発見を、少しだけ短く話すことを大切にしています。私の子どもの頃も、日直の朝のスピーチがあって、その日は学校へ行くのが億劫になったことを記憶しています。
・低学年(2年生)で、朝の会時にスピーチをしているが、なかなか上手にできない子もいるので、一言でもいいから話をさせようと思う。おたずねも導入したいなと思います。教え込まないように、子どもたちの声に耳を傾けていきたいな思います。1年生からの積み重ねがとっても大事なのかなと思います。Re:おたずねは、とても大切です。「今日は、避難訓練があります。何かおたずねはないですか。」と先生におたずねをしてもらうことをします。また、「春の遠足は、動物園に行こうと思います。何かおたずねはないですか。」と、おたずねをしてもらいながら、遠足のしおりが出来ていきます。勿論、子ども達も、意見発表や連絡を話し終わったら、「何かおたずねは、ないですか。」と、常に言うようにします。先生は、おたずねの質のよさを褒めて、おたずねのレベルを上げていく努力をします。
・学習前に家で調べさせておくと、子どもたちは自分で興味をもってできるなと思いました。スピーチの時に、聞くだけではなく、内容をメモすることも2学期やってみたいと思います。Re:私は、いつもA4用紙を配布して、それに朝の会のメモを書かせていました。毎日書いていると、上手に書けるようになっていきます。必ず集めて、今日のふりかえりの部分だけは、読んでコメントを書くようにします。「ふりかえり」とは、朝の会のメモも、毎時間の学習ノートも、いろいろな活動も、すべて「ふりかえり」を数行書きます。先生方が研修の後、書かれているように。私は、子ども達にも白い紙を配布し、その用紙にメモを書かせて、さらに、ふりかえりを書いてもらっていました。線や枠のない、白い紙がいいのです。大学生の講義の時も、常にA4の白い紙を配布して、それに学習のメモと、ふりかえりを書いてもらいました。生活科の講義は、140人もいたので、見るのは大変でした。メモはしっかり書けているか、ふりかえりは、深く自分の問題として書いているかを、毎回評価していました。
・自分自身が進んでいろいろなことにアンテナをはる。子どもたちの興味関心のあるものに目を向ける。Re:教師の教養の高さ、感性の広がり、行動力に、子どもが育ちます。子どもの興味に連動して、子どもに負けないように、学び続けます。
・子どもにしゃべらすことを授業の中で取り入れていけたらと思いました。Re:子ども8割、先生2割を目標にするといいですよ。固定ビデオを教室に置いて、授業分析をしてみると、本当に無駄に先生が話しているのが分かります。
・教師は子どもに「教えない」「話しすぎない」とおしゃっていたのが、心に残りました。これは、授業だけでなく私(養護教諭)が大事にしている日常の子どもとの会話、保健室へ来室した子どもへの対応にもあてはまると考えます。ついつい教師は、子どもの用件を聞いてすぐに「じゃあこうしなさい」と自分の導きたい道へ簡単に導きがちです。それよりも、子どもの言ったことを復唱して用件を確認する。「どうしたいの?」「どうしたら良いの?」など、子ども自身が考え行動できるような助言をして子どもたちの力を引き出し、生きる力を身に付けていってほしい。Re:自分で生き抜く力とは、自分で学ぶ力です。子どもの頃のみずみずしい探究力を、教師が摘んでしまわないようにしたいですね。子どもには、自ら生きようとする力があるのに、先々に大人が言ってしまったり、してしまったり、路線を決めてしまったりして、自ら伸びる芽を、摘み取っていますね。
・新しい学習をする際、教師から教え込もうとすることをやめようと考えた。それしか、子どもからの疑問がでないと思う。1学期を振り返ってみると、どうしても必死に教えて分からせようとしたが、楽しそうではないなと感じた。Re:子どものおたずねから始める学習は、最初は、すごい低レベルからスタートしますが、それをぐっと我慢して、ニコニコしながら、褒めながら一緒に乗り越えると、すぐに教科書単元で教えなければならないことは、すぐに全部出てきて、さらにこれまで思ったことのないような面白い課題が出されてきます。学びが楽しみになります。教え込みをやめるための魔法の言葉があります。国語係さんが、前に出て司会をしているのですが、「今日から、『ごんぎつね』に入ります。何か、分からないことはありませんか。」です。しばらく我慢していると、「へええ、そんなこと分からなかったんだ。」というようなことがどんどん出されてくれば、そこから本物の探究が始まります。辞書、参考書を持ち込ませることは、必須です。国語辞典は、どの教科の時にも、全員が常に机の上にあるようにします。
・家庭科の授業においては、裁縫・調理実習で失敗させないように細かく指示をしたり、こちらから提示したりしてばかりの授業を控えたい。子どもを信じて、時には失敗もさせながら、豊かな体験をさせていきたいです。Re:けがをさせない最低限の指導はします。さらに、親、祖父母の教育力も最大限に活用します。家庭の生活を語るところから、学びをスタートさせます。私たちは、「学習即生活、生活即学習」という言葉を、大切にしています。「生活場で学習をし、学習を生活に拡げていく」と、解釈しています。
・教師が教えるのではない授業を創りたいです。毎日の日記と一人一言スピーチ、おたずねを取り入れていきたいです。Re:教師が教えない授業は、教師が子どもの3倍学んでいないとできません。これまで以上の教材研究、素材や教材集め、読書をしなければいけません。そして、そこまでしておいて、「先生、知らなかったわ。すごいね。」と、言ってあげられるようになりましょう。
■感想
・「子どもに教える」という視点から「子どもの学びを手助けする」という視点の切り替えがとても大切なのだと思いました。子どもを引き込もう、乗せようとするのが良いわけではなく、知ろう・知りたいという気持ちを引き出す働きかけが大切なのだと感じました。Re:先生の舟に乗せると、先生は不安になりませんか。自分以上の能力のある子ども達が半分以上います。もっといるかもしれません。責任が取れませんので、一人ひとりの取り組みを、育てた方がいいです。そこ子達の能力を使わせていただいた方が、学級が賢くなります。
・「学習は、子どもがする」「教師は、教え込まない」という言葉を聞いて、自分の今までの授業の進め方で反省する場面(教えすぎ、失敗しないよう話しすぎ)を思い浮かべました。教え込まないために、朝の会、日記、自由研究、おたずね、おこたえ他、日常にたくさんの種を先生がまいていることを毎日続けることの大切さを感じました。Re:朝の会、日記、自由研究は、その子の本当の個性的学びの原点です。それぞれの単元の学習は、教師に合わせてくれた学習です。子どもは、朝の会の発言、日記の内容、自由研究発表で、本当の賢さを発揮します。その賢さの延長線上に、教科の学習があります。それぞれの分野で、本当の賢さを発揮してもらえる学習環境にしていきましょう。今回、お話をしていませんが、どの授業にも、司会者がいます。国語係、理科係、算数係、体育係・・などです。彼らが、司会をし、授業の準備をし、先生との打ち合わせをします。子どもの声で学習を始めて、子どもの声で学習が終わるようにします。先生は、時々話します。もちろん、朝の会も、帰りの会も、全て子どもが運営します。子どもが一日の学級生活、学習生活を、すべて運営してくれるようにします。
・感想として、子どもにまずは振ってみてからできることがたくさんあると感じた。環境を作ることも大切だと思った。日頃から前もって何気なく伝えていくことで授業につながるのだとすごく感じた。Re:「あなたなら、どうする?」「あなたは、どう考えますか?」「あなたは、何から追究を始めますか?」と、たずねることが、学習の最初です。また、活動、環境を整えて、そこで自分で気づくことを、学びの出発点とします。こども科学者としての探究のある、理科学習を創っていくようにしてくださいね。
・教師は、できる限り(言葉は悪いですが)ラクをした方が、子どもが伸びるのかなと思いました。実際に子どもたちが主体となって進行しているビデオは、とてもビックリしました。Re:先生は、子どもの発言を自分のノートに記録していきながら、その中に隠されている子どもの素晴らしい思考や発見や論理を見出すことは、とても疲れる仕事です。研究授業を見ていると、先生が子どもの発言の素晴らしさに気が付いていない場面もよくあります。子どもが話すことをしっかり書き取りながら、的確に学習の構造を構築していける先生になってください。
・「教えない授業」は、なかなか難しいことだと思うが、教師がそのことを意識するだけでも、授業が変わってくるのではないかと思う。Re:子どもが行動してから、その行動の良さを褒めながら、学び合う学級を創っていきます。あまり褒めることを乱発しないことも重要です。褒め方に、三段階持っています。①そうなんだ。②すごいね。③先生知らなかったわ。を、使い分けていました。
・「学習は子どもに教えるのではなく、子どもを育てること」という言葉が印象に残っています。理科に限らず、子ども主体で学ぶことが本日のテーマだった「対話的な授業」につながるのだなと思いました。Re:学び続ける組織を育てるようにします。一人ひとりが学び続けるのは大変なのですが、学び続ける組織を構築していくように、学級・学校運営を育ていくと、子ども達は自主的に学び続けられるようになります。いろいろな係活動、学習係を、組織化してください。毎時間の学習は勿論子どもが運営します。さらに、遠足や運動会や宿泊学習も、全て子どもが運営・進行します。先生は、相談役、お金を預かる役、安全管理の役目を主にします。子どもは忙しいのですが、頑張ってもらいましょう。
・朝のスピーチから、頭フル回転で子どもたちは学んでいるのだなと感じました。考える間もなく、すぐに自分の考えを発表できるようになるには、普段からの積み重ねが大切だと思いました。Re:子ども達が、朝の会も、授業中も、頭をフル回転させなければならない状況にさせます。昨日の研修でも、全員の先生が、常に何かを話さなければならない状況だったので、頭が動いていたと思います。少なくとも、居眠りはできませんでしたね。70人の女子学生の午後からの講義で、常に居眠りをさせない生活科の授業を、15回するのは、とても疲れました。
・自身の実践の裏付け&反省…多く学べました。Re:子どもと共に、思いっきりその単元を研究するような学習をしてきました。子どもの行動に教えられることが多かったと思います。子どもはすごいです。親の力もすごいです。いつも感謝しながら、学習をさせてもらっていました。
・毎朝のスピーチで自由研究を発表するのがすごいと思った。自分で疑問に思ったことをとことん調べていくことが、意欲にも「話したい」「伝えたい」という対話的な活動にも伝わっていくと感じた。Re:図書館で本を借りてくるだけでも、すごいことです。辞書で少し調べてきたり、ネットの資料を親に印刷してもらって持って来たりして得意げに話すことも学びのスタートです。自分で飼育する、栽培することも基本です。学校でも飼育、栽培をしますが、家でも飼育栽培をしてもらいます。家でもやってみてねと、言い続けます。ふりこの学習などは、家で実験をしてくるところから、学習は始まります。「うまいことできないね、なぜなんだろうね。」と言いながら、混沌から学びを立ち上げます。楽しい「おうち実験」を、度々してもらいました。
・「対話的」という言葉から授業を考えるが、答えが出ないという繰り返しだったのが、今日お話や実践をお聞きしたことで、授業を組み立てるうえで子どもたちの気づきや疑問を大事にしていけば、「対話的」にしていけると思いました。授業について、大切なことにたくさん気づかせてくださり、本当にありがとうございました。Re:「次のお楽しみ会どうする?」と提案すると、子ども達は本当に上手にプログラムを書いて、楽しいゲームを入れ込んで、実行します。同じように、「遠足はどうしますか?」「社会見学に行く前に、何をしておけばいいですか?」「次の国語は『ごんぎつね』にはいるのですが、準備をしておいてくださいね。」「図形の学習に入りますが、身の回りで、観察しておいてくださいね。」など、子どもに何でも、託していくと、子どもは何らかの行動をしてくれます。子どもの力、親の教育力に感謝をしながら、子どもの生活から学びを立ち上げるようにしていくと、楽しい学級、探究のある学習になっていくと思います。親への感謝は、おたよりが重要です。今回、研修主任に、「学年だより」と「理科便り」の冊子を渡しています。ぜひ、ちらちら見て下さい。専科の先生がおられましたね。「理科便り」は、専科3年間のお便りです。専科でも、お便りで教育が深めることができますよ。
■質問
①朝の会の内容には、テーマが決まっているのでしょうか。また、喋りの長さは決まっているのでしょうか。最初に出した自分の「おたずね」(悩み)に向き合うことができた。「ペア・グループでの話が盛り上がらない」のは、やはり普段の学級経営なのかなと思いました。
Re:朝の会は、テーマは決めていませんが、身の回りの気付きや、お出かけしたことや、今日の学習への持ち込みなどの紹介を、短く3文で話すように指導しています。40人の学級でしたが、15分程度で、全員が話せるように、毎日続けていきます。どうしても長くなる子どもには、「そこまでにしようか。続きは明日ね。」と、止めてあげて、短くまとめることに気付かせます。
朝の会は、すべての学習時間よりも、最重要な時間です。子どもの学びへの意気込み、生活上の感性、表現力、記録する力、学びへとつなげる力など、すべての学習の原動力が、ここに集約されています。今日の各学習の全ての導入が、この朝の会で始まることがよくあります。こうなれば、朝の会も本物です。
ペアでは、相手によっては可愛そうなときもあるので、3~4人ぐらいが良いのかもしれません。司会者を決めて、おたずねを必ずし合うように指導します。女子大生の70人ほどのクラスで、自由研究発表などの活動では、6~7人をグループの単位としました。1回生では、互いに話したことのない学生達なので、6~7人ぐらいをグループにすると、個性的で身勝手な学生が混じっていても、何とか話し合いができるようでした。
グループで話し合うときは、必ず個人の意見を持っていることが大切です。独自学習を事前にしていることです。今回の研修では、最初に、テーマに対するおたずねを全員が言っていることが独自学習にあたります。それを見通しながら、先生方にグループで、対話的な学びについて、さらに深めてもらいました。グループで話し合った時は、話し合った内容をグループ代表が発表することが大切です。さらに、それに対しておたずねを、必ずしてもらいます。それらの活動方法については、今回の研修で、取り組みましたね。学級での話し合いも一緒です。
②算数の相互学習の進め方について、足し算や引き算の「教え込まない教え方」を学びたいです。もしよかったら、教えてください。
Re:教科書の例題を、自分が持ち込んだ物を使って説明させます。自分でまず、例題を、持ち込んだ物を使って操作活動をしながら理解し、さらに、その活動を図や絵を使ってノートに書くという独自学習をさせます。その具体物を使って発表させて、個性的な理解の仕方を学び合い、楽しみます。何を持ち込むか、本当に楽しみです。どうしても、持ち込まない子どもは、学校の物を貸してあげてもよいのかもしれません。なかなか、邪魔くさい物を持ち込む子どももいます。それが個性です。楽しみです。そこから算数が好きになります。学習を遊びにしていきましょう。
③特別支援の子も中にはいると思うが、その子にもめあてや考えを言える機会を与えたい。難しいのかな…。
Re:特別支援の子どもは常に気になります。できるだけ先生と近いところにいてもらって、心を通い合わせることが大切です。楽しい学習は、みんながとても大好きです。特別支援の子どもが楽しめる場面が必ずあるような学習の進め方をすることです。その子がいてくれたおかげで、楽しい学習になるような状況が、一番いい関係です。そこ子がぐずるような学習は、多くの子たちもぐずりたい学習なのです。担任の先生は、常にその子を連れ歩いて、その子が楽しめること、楽しめる活動を考え続けることが、授業創りの中心であるようにしていくとよいのでしょう。
かつて、理科実験の市民講座をすることがありました。3~6年生が50人ほど集まって、一斉指導をします。その時、6年生も、3年生も楽しめるような活動を考えないといけません。勿論助け合いはできるのですが、3年生が、まったく受け身になってしまうのではなく、それぞれの発達段階の子どもが楽しめる活動を考えます。
先生方は、学級に特別支援の子どもがいることをいつも気にしますが、実は、その学年から2、3年能力の高い子ども達、また、2、3年遅れている子ども達が混じっている状況で授業をしているのです。例えば、2年生では、幼稚園5歳児~小学校4、5年生ぐらいの間の、能力や知識のバラツキのある子ども達の集団なのです。これは、運動面で考えると簡単に理解できることで、2年生の児童でも、殆ど真っすぐ走れない子どもから、高学年と競い合えるような速さで走ることができる子どもがいるということです。サッカーやダンスやピアノなどの能力は、本当にすごい開きがあることは誰でもわかることです。たぶん、学力と言われる、話す、書く、読む、考える、記憶する、理解する能力も、目に見えやすい走りや、サッカーや、ダンスや、ピアノの能力の開きと同じぐらいあるのです。私は、灘中学校の算数の入試問題はなかなか解くことができないのですが、受験を志している子どもは、私に解説をしてくれます。「ああ、そう解くのですね」と敬語になってしまいます。また、こぎつね小学校の私のクラスで、6年生の歴史の学習を子ども達が進めていくと、私がついていけなくなります。必死に、高校歴史の参考書まで準備をして読んでいくのですが、子ども達は手ごわいです。「みなさん、しっかりおたずねをして、もっとレベルを落としてもらいましょう。」と、みんなに声をかける役割をします。理科でも、化学反応やでんぷん同化作用の所の学習では、ちょっと負けそうになり、「それ、何。今、何て言ったの。」と、学習に燃えている子どもに食い下がらないといけない時があります。メダカの授業のビデオの中でも、メダカの卵の孵化の積算温度があることを、子どもから教えてもらっていましたね。子どもが育ってくれることは、とても嬉しいものです。先生を、スカッと追い越して、乗り越えて、成長してほしいと思っています。いま行っている幼稚園年長でも、虫の名前や鳥の名前の識別は、もうすっかり負けてしまう子どもが育ってきています。そんな子どものご家庭には、自然史博物館の観察会を紹介する役目をしています。また、今年入園した3歳の中に、虫取り名人を一人、見つけています。一緒に虫取りをしているのですが、オンブバッタの幼虫を次々に捕まえていきます。育ちの邪魔をしてはいけません。天才的な子どもは、どこのクラスにも、とても多くいます。褒めて、認めて、その子達の能力を使わせてもらって、学習を進めましょう。先生一人の能力って、大したものではありません。子どもの力はすごいのです。クラスの中に、子ども達の天才的な能力のネットワークができると、どんな学びでも、どんな課題でも、全て学びの対象にして探究していく学級になります。特別支援が必要と言われている子どもが、実は天才であることもよくあることです。