ペンを持って文章を書くこと 2019年7月19日(金)
パソコンを使って文字を書いていると、ペンを持って文章が書けなくなってきました。小学校で授業をしている頃も、ワープロ、パソコンが発達して、ペンで文章を書く機会はあまり多くなかったのですが、最近は殆どなくなってきていることに危機感を感じます。手で文字が書けなくなるのではないかと怖くなります。漢字が書けない、並べて文字が書けない、文章にならないなど、本当に深刻な状況になっていく予感があります。
これまで、こぎつね小学校で先生の仕事をしている時は、おたより、指導案、いろいろな書類、論文、原稿、メール連絡など、殆どパソコンを使って文章を書いていました。しかし、先生をしていたので、授業の黒板を書く時と、日記の返事や授業のメモをノートに書く時は、ペンで文字を書く機会がまだかなりありました。小学校の先生を終えて、大学の授業に取り組んでいた3年間も終えて、板書を全くしなくなり、日記や学生のノートにペンで返事を書かなくなったので、ペンを使って文字を書く機会が極端に少なくなりました。手帳に予定を書き込む時と、5年日記に出来事を少し記録する時と、「さんぽノート」に記録を書く時ぐらいになってしまいました。この晴歩雨読は、毎日、A4で1枚程度、文章を書いていますが、パソコンを使って書いているので、ペンを持って書く場合とは、書き方が違っています。
パソコンを使って文章を書く時は、モニターに現れた文字を目で見て、常に戻り、書き直しをしながら文章を書き進めます。頭に浮かんだ言葉をまずは表示して、つながりを修正して書き進めています。じっくり頭の中で一つの文章を完成させてから書くのではなくて、単語や文節の表示を見て、常に戻りながら書いていきます。また、漢字も考えて書いているのではないので、表示された漢字を、「そうそうこの漢字ね」と選別しているだけです。細かい漢字の構成を確認しているのではないので、いざペンで書くとなると書けない文字も増えてきました。
文字をペンで書く習慣を持たないと、手先と頭の回線が切れてしまって、口から出る言葉まで話せなくなるような気がします。文章をペンで書く必然的な仕事は、これからはほぼ無くなるので、あえてどこかでペンを持たなければいけないなと思うようになりました。メモ帳に単語だけを書くのではなくて、文章で記録することが大切かなと考えます。自分のしていることや、考えていることを、パソコンを使わないで、手書きで文章化していくのがよいのではないかと思います。また、気に入った文章表現に出合った時、ペンで書き写してみるのも、大切なのでしょう。自分で俳句や短歌を作るのがさらに良いのですがハードルが高いので、見つけた短い言葉を、俳句や短歌を書くように集めていくことは、できるかもしれません。
かつて、日記がなかなか書けない子どもの相談を親から受けた時、「日記を一日の中で、何度にも分けて書きつないでいくと、楽しく日記が書けるようになるのではないでしょうか。」と、自分が言っていたことを、今、思い出しました。
本を読む時間と、ペンで文章を書く時間と、パソコンで文章を書く時間を、上手にバランスをとっていこうと考えます。