地図を見る  2019年7月9日(火)

 

 地図は、1時間でも2時間でも見ていて飽きません。最近は登山用の地図をよく見ているのですが、近畿各地の地形図もたくさん持っています。かつて地質巡検で行った、伊豆大島や隠岐島や九州各地や長野県周辺の地形図もあります。これまで地質学の仲間と一緒に野外へ出かけていた時は、25000分の1や、50000分の1の地形図を使っていました。また、子ども達が小さい頃、家族で春や夏の長期旅行に出かける時も、石や植物観察をする地域の地形図を準備して活用していました。植物観察や火山地形などの観察には、地形図がとても役に立ちます。しかし、登山の時は、国土地理院が出している地形図では、山の中を歩く道が表示されていません。山歩きには、登山用の地図が必要です。

 国土地理院が出している地形図は、あまり余計な色がついていないので、地形がよくわかります。等高線の形や滑らかさなどによって、高低差や地形だけでなく、地質の違いまで分かる場合があります。見れば見るほど、地面の下のことや、地殻変動まで読み取ることができます。また、海岸線の形を見ていると、海流の動きも分かります。

 最近、歩く時はグーグルマップを使っていて、地形図を使わなくなってしまいました。グーグルマップは、歩いている時の現在地が分かるのでとても便利です。車のナビゲーションと一緒で、街道歩きなどの時は、グーグルマップが無くては歩くことができません。最近も、西高野街道や熊野街道を歩いている時、何度かグーグルマップの位置情報で助けられました。90度に曲がるところは間違いにくいのですが、斜めの道に入って行くところや、曲がる道がたくさんある場合、違う方向へ進んでしまうことがあり、グーグルマップで現在地を調べながら歩くと、間違った向きに歩いていても直ぐに確かめることができます。地形図だけを持って歩いている時は、かなり進んでから気がつくということになるので、グーグルマップは手放せません。

 グーグルマップは、日本中のどこでも(たぶん海外も)、見ることができます。25000分の1の地形図に表示されている道よりも、細い道まで詳しく表示されます。我が家の近所の迷路のように入り組んだ路地のような道も、グーグルマップを見ながら歩くと、迷わず通り抜けられますが、25000分の1の地形図では町の中の細い道は記述されていません。10000分の1や、2500分の1の地図があると、細い道まで表示されていますが、これらは紙に印刷している場合、膨大な枚数になってしまいます。グーグルマップは、自由に拡大率が変えられるので、家一軒ごとの向きが分かるような表示から、車で旅行に行く時の長距離の道路マップまで、本当に上手に表示されます。なぜこれが無料で使えているのか不思議なぐらいです。使うことによって、個人の位置情報や移動情報がグーグル社に蓄積されていっていることが対価になっているのでしょうか。

 かつて地質巡検に出かけている時は、巡検地域の地質図をコピーして、色塗りをするところから準備をしました。現在なら安くカラーコピーできるのですが、昔は色鉛筆で色を付けていました。また、観察ポイントが書かれている本や資料から、自分の地形図の中にポイントを書き写しておいて、化石や岩石、地形を探し歩いていました。今なら、グーグルマップに行きたいポイントを入れると、現在地からその場所までの最短コースと、かかる時間まで表示してくれます。

 これからも、地図を使い分けながら、山登りや、旅行や、街道歩きをしていきたいなと思います。