豊かな自然環境を子ども達に  2019年5月31日(金)

 

 久しぶりに幼稚園に行きました。今日は副園長先生が出張で一日いなくて、また、年長の補助の先生が風邪でお休みをされているので応援に来てほしいと依頼されて、出かけていきました。昨年の年中組さんが、年長になっていました。元気な子ども達です。「きつね先生、どこにいっていたの。」「なんで、来てくれなかったの。」など、久しぶりに行ったのにとても喜んでもらえました。早速、「カタツムリ飼っているの。見て見て。」と持ってきます。他にも、ダンゴムシ、幼虫など、次々に見せてくれます。ポケットの中の石を見せてくれたり、手に持っていた葉っぱを見せに来てくれたり、直ぐにきつね先生に戻ることができました。子どもと一緒にいると、地面の近いところに引き戻されます。

 ダンゴムシを100匹以上飼育ケースに入れている子どもがいました。半分ぐらいは、干からびて死んでいました。そこで、霧吹きをすることと、少し土を入れてあげること、枯れ葉など餌になるものを入れてあげる世話を一緒にしました。枯れ葉を一緒に探しに行くと、そこにもダンゴムシがたくさんいました。「ここと同じようにしてあげると、ダンゴムシは生活しやすいと思うよ。」と、話をしました。

 年長さんは、11時から小学校に行って学校探検をしてから、お弁当を食べるようです。一緒に小学校へ行きました。体育館の周辺、学習園、メダカ池、飼育小屋を見て回りました。メダカ池は、水が入っていませんでした。メダカはどうなってしまったのでしょうか。かつてメダカ池には、スイレンやハスやショウブなどの花が咲いている綺麗な環境だったのですが残念です。また、学習園周辺は、改修工事があった後、ユズの木がなくなっていました。アゲハの幼虫を見つけていたのですが、今はどうしているのでしょう。モンシロチョウが卵を産むアブラナ科の植物もありません。また、ヒマワリやホウセンカやヘチマやヒョウタンなど、観察植物も見られません。子どもの教育は教え込むのではなく、豊かな環境の中で、自ら学びを深めるように育てます。自然環境は自然のままにしておくとそれでよいと思う人もいますが、人との共存の中で豊かな環境は保たれるものです。勝手に豊かな自然環境ができるものではありません。

 幼稚園のお部屋の前の花壇も、手入れが必要でした。オランダミミナグサやカラスノエンドウの枯れた草花がパンジーやビオラを覆っています。また、そのパンジーやビオラも、花が終わった後の種がいっぱい付いていて枯れかけています。これではいけないなと思いました。子ども達の心も、枯れた雑草に覆われているパンジー状態になってしまわないでしょうか。空の飼育ケースに100匹入れられて、干からびているダンゴムシ状態になっていないか心配です。

 あちこちの小学校に学習指導の講師として出かけている時、小学校の学級の子ども達の心の状態は、教室のロッカーのカバンの入れ方、掃除の後の雑巾の並び方、先生の机回り、学級園の様子などを見ると、よくわかります。また、学校全体の教育は、正門を入ったところの花壇や、正面玄関周りの花や飼育水槽の様子を見るだけで、その学校の子どもの落ち着き度や学習力までもが感じられるものです。花が枯れているような学校で、子どもが健康で健やかに育っているとは思えないからです。

 6月からまた、幼稚園の花のお世話をしながら、自然環境の整備のお手伝いをしていこうと思います。豊かな環境が、豊かな教育を育てるという信念を持ち続けたいと思います。