天野街道を歩く  2019年5月30日(木)

 

 大阪平野の中の、高野街道、竹内街道、長尾街道、京街道、西国街道、紀州街道、熊野街道、伊勢街道、庚申街道など、これまで街道を探しながら歩いてきたのですが、天野街道はまだ歩いていませんでした。「美しい日本の歩きたくなるみち500選」に掲載されていたので、歩いてみることにしました。

 

■河内長野駅→<バス>→天野山金剛寺→<天野街道>→西高野街道からの分岐点→狭山池→大阪狭山市駅(13㎞)

 

 第一印象は、こんなに素晴らしい歩き道は、大阪近辺では一番かなと思うほど素敵な道でした。天野山金剛寺へお参りするための道なので、大阪狭山市駅又は金剛駅から歩く方がよかったのですが、今回は河内長野駅からのバスの時間に合わせるように家を出て、金剛寺から狭山へ向けて歩きました。

 金剛寺は大きなお寺でした。天野街道は、この金剛寺を抜けて、川沿いに北へと続いています。狭山池に流れ込む川がつくる静かな谷の中の道です。谷あいには、川を挟んで3本の道が北へと向かっています。東側の2本の道は少し広い道なので車が時々通っていますが、一番西側の道は、車は殆ど通りません。家がぽつぽつとありますが、道を通る人影はなく、まるで貸し切りの道を歩いているようです。2㎞ほど進むと自動車道に合流して、運動公園の横を500mほど歩き、次は、細い山沿いの道を進みます。谷の幅が広くなり200mほどにもなってきました。谷底の平地も、谷を囲む斜面も、すべてが木々に覆われた景色がひろがります。大阪なのに、原始の平野の様子が感じられます。昔はこのように平たい土地も、雑木林に覆われていたんだろうなあと思えるようなところです。谷の中を歩くので、左右の遠景の風景が見えないのが幸いです。実は、左側の尾根の向こう側は堺カントリークラブのゴルフ場で、右側は緑ケ丘住宅地になっています。谷の中だけは、時間の流れから取り残されたような別世界です。

 二つ池を過ぎると、そこからは整備された尾根の上を通る道になります。大きな緑地公園の中の周遊路のように整備されています。トイレがあり、時々休憩のための木のベンチが置かれています。道の両脇は木々に覆われている緑地帯があるので、尾根道でもあまり周囲の景色が気になりません。ウォーキングをしている人、走っている人、のんびり座っている人など、近くの人たちの憩いの道になっています。4㎞ほどの細長い公園の感じです。どんな経緯でこんなにきれいに整備されているのだろうと思います。この道の近くの人は幸せです。

 天野街道の起点は、狭山池の近くです。西高野街道から分岐して天野街道が始まるところがあります。西高野街道は、河内長野につながっていきます。天野街道は、この分岐点から今回歩いてきたように、泉北丘陵の尾根沿い、そして谷沿いに進み、天野山金剛寺へとつながります。素晴らしい街道でした。大阪平野の中のいろいろな街道を歩いているのですが、一番歩きやすい街道だなと思いました。何度も歩いてみたいと思います。