荒川じんぺい『週末は山歩き』を読む  2019年4月28日(日)

 

 荒川じんぺい『週末は山歩き』1999講談社文庫を読みました。天王寺古本市で買った本です。「季節を肌で感じ、草花に目をとめながらのんびり歩く快楽。思い立ったときまず用意するもの、初心者が気をつける点は? 山歩きの魅力を知り尽くし、毎週末を山に遊ぶ筆者が綴る実用エッセイ。他人には聞けない素朴な疑問、いざというときの鉄則、山好きならではの親身なアドバイスがいっぱい。」と、まず裏表紙に書かれています。

 目次を見ると、じんぺいさんは、山に行くテーマを持っていることが分かりました。毎週山に行くためには、「いろいろなテーマ」を持つと、次々に行きたい所が出来てくるということです。春を探しに、花見の山行き、蝶を見に行く、野鳥を見に行く、高山植物を見に行く、山上湖を見に行く、森林浴の山行き、温泉と花巡り、森を見に行く、渓谷を楽しむ、紅葉を見に行く、海を見に行く、雪山を見に行く、富士山を見に行くなどのテーマが並んでいます。

 昨日の晴歩雨読に記録した、『日帰り登山を楽しむ本』の今泉さんは、低山という言葉を使っていましたが、荒川じんぺいさんも、低山トレッキングという言葉を使われています。今泉さんと同じく、山行きの計画書作り、地図を読む、山の歩き方、服装、ザックの中身、弁当などについて、体験談を交えて書いています。さらに、一年間、毎週登った山についての一覧が、本の最後にありました。何かの本に連載する仕事として毎週山に登り、それについてのエッセイを書くということをされたのだろうと思います。やり続ける力がすごいです。

 荒川さんの本は他にも、『僕は森へ家出します』『週末は森に住んで』『森に住んだ観音様』『森の作法』などがあると書いていました。『森の作法』1997集英社は、もしかしたら読んだことがあるかなと思い出し、あちこちの本棚を探すと、きれいなキノコの絵の装幀がある本を持っていました。書き始めは、「僕が週末キャンプを始めたころ、・・・。慌ただしいキャンプを、八年も続けていたのだから我ながら呆れていた。」でした。低山トレッキングだけでなく、8年間も毎週末にキャンプをしていたのです。すごい人です。1946年生まれ。1999年の頃で、2300冊以上の装幀を手掛けてきていると書いていたので、かなり忙しく仕事をしながら、週末はキャンプや低山トレッキングへと出かけられている人だとわかりました。何かを成し遂げる時のパワーを感じました。

 世の中、凄い人がたくさんおられます。こんな凄い人の話を時々読みながら、昨年の2月10日から始めた「さんぽノート」の記録が、昨日で174コース目になりました。ノートでは3冊目が終わろうとしています。178からは、4冊目となります。続くと記録になってきています。事実の記録なので、宝物です。荒川じんぺいさんの行動力には追いつきませんが、さんぽの記録を続けたいなと思いました。さんぽノートは、「こぎつね大学」のフィールド学の時間の、基本ノートになっていくかもしれません。