今日から新学期  2019年4月1日(月)

 

 子どもの頃は、4月になると新しい学年になるので、机回りの整理をして、ノートをそろえて、文具類も整えたりしながら、新しい生活に向けて準備をしていました。本屋には、新学期用の問題集や参考書が並び、自分に合うものを何冊か買ってもらっていました。今思うと、4月中にそれらを全部読み終えるような生活をしていると、もっと賢くなっていたのにと思うのですが、それができない普通の子どもでした。

 教師になってからも、4月になるというのは、とても緊張することでした。公立小学校では、4月になってから新しい学年担当が発表されるので、4月1日の会議はとてもワクワクしました。だいだいの打診はそれ以前からあるのですが、転勤の先生が着任されて新年度の教員全員がそろうのが4月1日なので、校長が4月になってすぐの会議の時に新年度人事が発表されました。4月になってから学年担当がきまるので、新学期が始まる1週間の間に、新メンバーで一年間の学習について話し合ったり、場合によっては、修学旅行や夏季合宿や春の遠足の下見に出かけたり、一気に仕事が始まりました。始業式までに、クラス替え発表の準備をしたり、時間割を決めたり、机の数を整えたり、新しい学年の教師用の教科書をもらって授業計画を立てたり、年間行事を決めたりと、大変な毎日を過ごします。毎年のことなので、それなりに進むのですが、新しいことに取り組みたい場合は、なかなか大変でした。また、それぞれが担当している学校の事務分掌があり、それらの会議もあります。自分の学年や学級の準備をしながら、それらの打ち合わせに顔をだすことになります。

 自分の学級の準備は、前の教室から新しく発表された教室へ自分の荷物を運び、整えていきます。教師を長くしていると、荷物が増えてきて、引っ越しが大変になりました。本当は、赤ペン1本だけで引っ越ししたいのですが、それまでの学級で作ってきた文集や、個人持ちの図書も増えています。また、色画用紙やマジックペンやハサミなどの文具なども増えています。これらがないと、新しい学級で準備が何もできないということになります。

 今日、4月1日の学校は、このような緊張した一日をすごしていると思います。仕事をするということは、とても大変なことです。1週間もすると、新たな30人ほどの子ども達が目の前に来るので、その子達がいきいきと1年間過ごせるように環境を整えていることでしょう。

 退職した今は、日付だけは新学期ですが、大きな変化はありません。しかし、昨日で原稿80枚をなんとか仕上げることができたので、今日からは、これまでしたくてもできていなかったことに取り組むことができます。学校の4月最初の1週間のように、これからしたいことの準備をいろいろ整えて、1年間を有意義に過ごせるといいなと思います。