個人学習を育てる高校  2019年3月30日(土)

 

 東大へ大勢の入学者を出す高校の様子がテレビで紹介されていました。

 最初に紹介されていたのは、学生が先生の所に質問にいきやすい開放的な職員室でした。ちょうど役所のようで、さらにカウンターの机がない雰囲気でした。先生どうしの机の間も広く、学生が先生の近くに行っていつでも質問できるようにしていました。先生の能力を思いっきり活用しようというシステムでした。初めて見た風景でした。職員室をサロンのようにしているのは、画期的な改革です。最初は先生方の反対があったと思うのですが、それを進めた校長?経営者?はすごい人だと思いました。改革時には「先生が変わらないと、学生も変わらない」とか、「先生の背中を見て、学生は育つ」とか言いながら、先生同士の競争心も育てる職員室にしていったのだと思います。よくテレビで紹介されている、業績を伸ばしている一流会社の机の配置にも通じるところがあります。

 次に紹介があったのが、パソコンを通して、個人的にフィリピン人の先生と学生が英会話をしている教室です。英語を習っても使えないなといつも思っていたのですが、こうすると高校生でも個人的に英会話ができます。英会話教室に行かなくても、学校の中で英語の会話が上達します。20人ぐらいの学生が一気に対話をしていたので、多くのフィリピンの先生と契約しているんだなと思いました。これもすごいシステムです。個人的な学習の支援が、英会話以外でも今どんどん進められるようになってきています。最新の塾では、個人的に有名講師の講義をタブレットで見る方式が取り入れられているようです。また、AIが発達してきているので、AIを相手に個人的に学習も可能になってきています。小さな子どもがタブレットを使って、見たり、書いたり、本を読んだり、聞いたりしていくことができるような、家庭学習の宣伝を最近テレビでも見るようになりました。みんなで学習をする学校から、やる気のある子どもは、どんどん個人的に成長できるようになってきていることが分かります。

 次に紹介していたのが、学校の中のセミナーハウスです。かなり環境が整えられている自習室が常に準備されているということです。高校3年生の全員分の場所が確保されているのだと思います。先生はいないのですが、周りのみんなが真剣にしているので、だらだらしておられない雰囲気があります。卒業生が来て、そこで、自学の仕方について卒業生から話を聞く機会もあるようです。また、受験合格者が使っていた参考書や過去問などを後輩に残して、自由に使えるようにもしていました。成功者の書き込みが、次の学習者に刺激を与えるということでした。成功者が、どんな参考書や問題集をどのように使用していたのかが伝わります。自学の場所の確保、方法の伝達がなされています。大阪の淀屋橋に保存されている適塾を見に行ったことがあります。そこでも、広い部屋で、全国から集まってきている優秀な学生達が自分たちで自学する場所でした。

 ひたすら、個人を育てることを大切に支援する高校でしたが、運動系のクラブ活動も活発で、学校を案内していた学生も、水泳で全国10位の成績を持っているということでした。案内者も含め3人の学生の東大の合格発表を見に行く映像がありました。3人とも、合格していました。いい環境があると、周りの影響を受けながら、個人の力が育っていくなと思いました。画一的つめこみ教育から、天才を育てるシステムに、日本もなってきているようです。