コンピュータが人を越えてくる 2019年3月5日(火)
顔認証のシステムが発達してきているようです。最近は、たくさんの人が写っている動画の中から、瞬時に目的の人を見つけることが出来るようになってきています。また、見つけ出された人のそれまでの行動記録、買い物、ネット上の検索記録、健康状態なども、すべてつながっていきます。少し前のスパイ映画の状況が、実際の日々の生活で活用されてきています。
これまでは、セキュリティとして、指先の指紋をかざすことでパソコンを動かしたり、部屋に入ることができたりしていたのが、顔を見せるだけでセキュリティになるということです。お買い物も、カードではなく、顔の識別で本人確認をして、お金を払う方式が実験されています。入国管理の空港などでは、犯罪者などを探すのに活用されていて、警察の凶悪犯を追跡するのも、あちこちに配備されたカメラの映像を、コンピュータが自動的に検索することで、探し出すことができるようになってきています。
植物、動物の名前を調べるにも、動画をかざすことで、名前が分かるようになりました。昆虫ももうすぐ出来そうです。微妙な人の顔を識別できるのですから、植物や動物の種名は簡単にできるのでしょう。理科教育が随分変わっていきそうです。今は、「この花はなんですか」と、園児が聞いてくれるのですが、花や虫や動物は、すべて間違いなく園児でも種名が分かるようになります。そこからネット上の情報へとつながり、詳しい説明が読めるようになります。読み上げもしてくれるので、語りかけるように説明を聞くことができます。園児も、知識をどんどん身に付けることができます。
星座も、方位や高さを自動的に識別できるスマホでは、空にスマホをかざすだけで、夜空に広がる星座が分かります。便利なものができたものです。星の観察で苦労していたのが、一気に簡単になりました。これは夜空を読み取っているのではなく、現在地と、方位と高度と時刻から、その時の星座を映し出しています。
天気の変化も、気温も、季節の変化も、コンピュータが読み取ることができるので、人が見たり感じたりしている世界を、コンピュータ自身が文字に置き換え、情報にしていきます。
コンピュータにつながったモニターとしての目やあらゆるセンサーを持つようになると、疲れを知らないコンピュータですので、膨大な量の『情報』が蓄積されていきます。その情報に対して、『思考、判断』をするようになってくると、怖いなと思います。さらに『実行』までされると、人類はコンピュータに支配されてしまいます。
最近、コンピュータがニュースを書くこともできるようです。新聞記事を書く、報道用のニュース原稿を書く作業もできるようになったと聞きます。もうすでに、ネットのニュースなど、コンピュータが書いたものを我々が読まされていて、一喜一憂していていたり、集団の行動が操作されていたりしているのかもしれません。食べ物、ファッション、旅行などは、人の気持ちの動向がコンピュータの情報として読み取られて、操作されていて、それに合わせた生産調整や情報管理がされているのでしょう。
採用も、人事も、コンピュータのデータ処理がないとできないようになってきています。入試も、一回限りの選別テストではなく、これまでの成績の全ての情報から判断されていくと思います。健康状態も、体の筋肉や脂肪や骨の状態は瞬時に分かります。もしかしたら、脳の活性状況や構造も分かるようになってくるのかもしれません。筆記試験ではなく、簡単な脳波テストと血液検査で、学力も分かるようになっていくのでしょうか。
コンピュータが、情報を取得する目(センサー)、言語を聞き取る耳と、読み上げる口と、文字を書く手、物を作る手、移動する車の操作能力を持ちつつあります。対話もします。高度な武器は、すべてコンピュータが制御します。便利になるのでしょうか、脅威なのでしょうか。