自由研究はとても大切 2019年3月4日(月)
最近、塾も知識を教えるだけでなく、学び方を教えるということをセールスポイントにしています。また、教えないで自ら学ぶことを中心にしている塾もあるようです。大手の進学塾は、有名講師の授業のビデオを個人で見ながら、個人で学びを進めるようになってきました。一人一人が個人的に取り組むような学び方へと変化してきています。
こぎつね小学校は、独自学習の伝統があり、その中でも「自由研究発表」は大きな取り組みの一つでした。自分の興味のあることを調べてきてみんなに発表し、意見を聞いて、また調べるというような、個人研究発表の場を、特に低学年は大切にしてきました。ちなみに、こぎつね小学校のキツネ学級の1年生は、1年間で1000点の自由研究発表をしていました。これは、なかなか塾にはまねのできない取り組みです。1年生で1年間、自由研究発表の取り組みを進めると、あらゆる学習の原点が発表されます。
例えば、
国語関連では、漢字の成り立ち、四字熟語、ことわざ、俳句、短歌、本の紹介、紙芝居作り、物語発表、お習字など、
理科関連では、昆虫、植物、石、化石、恐竜、動物園、海辺の生き物、博物館報告、太陽や星の動き、星座調べ、酸アルカリ調べ、電気工作、風で動くおもちゃなど、
社会関連では、都道府県調べ、地図記号、奈良の特産物、お寺や神社、観光地、国立公園、世界の国調べ、国旗、鉄道しらべ、お城調べなど
算数関連では、いろいろな図形調べ、展開図、模様作り、九九、大きな数、面白い計算、お金お札など
生活関連では、給食の食材調べ、食べ物調べ、伝統行事調べ、昔の道具調べなど、です。
子ども達は、生活の中で興味のあることや見つけたことやお出かけをしたこと、また、図鑑や本やインターネットの資料を活用して調べたことを、模造紙に書いてきて発表をします。1、2年生は、保護者のお手伝いがあって成立するのですが、それはありがたいこととして受け入れています。私は大歓迎ですが、先生の中には、親の手伝いをとても嫌う人もいます。発表は、子どもがするのですから、親の愛情を受けながら発表ができるのでいいのではないかと考えます。3年生にもなると、いろいろな学習場面でレポートを学校で書くのですが、低学年の間に、親と一緒にたくさん発表模造紙を作った子どもは、自分でもどんどん書き進めることが出来ます。親の力を使わせていただくことが、子どもの成長には不可欠です。
小学校の1,2年生では、毎日1時間、自由研究発表の時間を取ります。学習時間を調整しながら、この自由研究発表の時間を確保して、聞き合い学び合います。低学年で自由研究発表の楽しさを身に付けると、どの教科の学習も、子どもの独自学習からの出発になります。すべての学びは、独自学習から始めるという、こぎつね小学校の基本的な学び方が身に付くことになります。
自由研究発表は、聞いている人は、メモを取りながら聞きます。そして、必ず「おたずね」をすることで、聞いている側の学び方を育てます。ボーッと聞いているのではなく、何を学んで、何が分からないことかについて、常に頭を働かせるようになります。教師は、発表者の調べ方、まとめ方、話し方、おたずねに対する答え方などの良さを褒めると共に、聞いている人の、おたずねの質を高めるように、素晴らしいおたずねを褒めるようにします。おたずねの質を高めることが、一番大切なポイントです。
自由研究発表は、こぎつね小学校の全ての学びの基礎となります。さらにその出発点が、朝の元気調べの「一人一言発表」です。1年生は、慌てて国語、算数の教科書に入っていくのではなく、生活の中に何を見つけ、みんなに「朝の元気調べ」や「自由研究発表」でどのようにプレゼンテーションをして、どのように学び合うのかというような所に、最初に時間をかけることで、教科書を使っても独自学習から学習が始められるようになります。生活や自然や社会の動きに、敏感な子ども、探究的な子どもを育てます。
これからの子ども達につけたい力は、「探究的に研究を進める力、プレゼンテーションをする力、相互に学び合う力」ですので、こぎつね小学校の、自由研究発表の取り組みは、最重要の時間にあたります。
幼稚園こぎつね達も、毎日、小さな自由研究をするといいですね。遊びを通して、探究心を育てていきましょう。