『日本が売られる』という本を読みました  2019年2月2日(土)

 

 『日本が売られる』(堤未果著2018,10,5幻冬舎新書)を読みました。簡単に感想を述べられないような深刻な内容に驚きです。TPPの発効により外国製品が安くなるのを喜んでいられない状況が、目の前にあります。日本の製品を吟味して買っていかないと、日本はだめになるなと思いました。また、遺伝子組み換え種子の怖さを初めて理解したような気がします。農薬機能を組み込んだ種子、強い農薬に耐性の遺伝子を持った種子などが、農業を仕切ってしまうような状況になりつつあります。それらを食べることで、子どもに異変が起こってきているのではないかということです。国民一人ひとりが、賢くならないといけないと思いました。

 

▼「日本で今、起きているとんでもないこと。日本は出血大セール中。米国、中国、EUのハゲタカどもが日本を買いあさっている!」という言葉が、帯に書かれています。

▼また、裏表紙には、「水と安全はタダ同然、医療と介護は世界トップ。そんな日本に今、とんでもない魔の手が伸びているのを知っているだろうか?法律が次々と変えられ、米国や中国、EUなどのハゲタカどもが、我々の資産を買いあさっている。水や米、海や森や農地、国民皆保険に公教育に食の安全に個人情報など、日本が誇る貴重な資産に値札がつけられ、たたき売りされているのだ。マスコミが報道しない衝撃の舞台裏と反撃の戦略を、気鋭の国際ジャーナリストが、緻密な現場取材と膨大な資料をもとに暴き出す。」と、本と筆者の紹介があります。

▼「日本が根こそぎ奪われる!」

水が売られる→水道民営化、土が売られる→汚染土再利用、タネが売られる→種子法廃止、ミツバチの命が売られる→農業規制緩和、食の選択肢が売られる→遺伝子組み換え食品表示消滅、牛乳が売られる→生乳流通自由化、農地が売られる→農地法改正、森が売られる→森林経営管理法、海が売られる→漁協法改正、築地が売られる→卸売市場解体、労働者が売られる→高度プロフェッショナル制度、日本人の仕事が売られる→移民50万人計画、ブラック企業対策が売られる→労働監督部門民営化、ギャンブルが売られる→IR法、学校が売られる→公設民営学校解禁、医療が売られる→国保消滅、老後が売られる→介護の投資商品化、個人情報が売られる→マイナンバーが外国企業へ

▼〈目次〉

まえがき いつの間にかどんどん売られる日本

第1日本人の資産が売られる

1 水が売られる(水道民営化)

2 土が売られる(汚染土の再利用)

3 タネが売られる(種子法廃止)

4 ミツバチの命が売られる(農薬規制緩和)

5 食の選択肢が売られる(遺伝子組み換え食品表示消滅)

6 牛乳が売られる(生乳流通自由化)

7 農地が売られる(農地法改正)

8 森が売られる(森林経営管理法)

9 海が売られる(漁協法改正)

10 築地が売られる(卸売市場解体)

第2日本人の未来が売られる

1労働者が売られる(高度プロフェッショナル制度)

2日本人の仕事が売られる(改正国家戦略特区法)

3ブラック企業対策が売られる(労働監督部門民営化)

4ギャンブルが売られる(IR法)

5学校が売られる(公設民営学校解禁)

6医療が売られる(医療タダ乗り)

7老後が売られる(介護の投資商品化)

8個人情報が売られる(マイナンバー包囲網拡大)

第3売られたものは取り返せ

1 お笑い芸人の草の根政治革命 〜イタリア

2 92歳の首相が消費税廃止〜マレーシア

3 有機農業大国となり、ハゲタカたちから国を守る 〜ロシア

4 巨大水企業のふるさとで水道公営化を叫ぶ〜フランス

5 考える消費者と協同組合の最強タッグ 〜スイス

6 もう止められない! 子供を農薬から守る母親たち 〜アメリカ

あとがき 売らせない日本

 

▼堤未果さんの他の著書

 『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』(新潮文庫)・

『ルポ、貧困大国アメリカ』(岩波新書)・

『沈みゆく大国アメリカ』(集英社新書)・

『政府は必ず嘘をつく』(角川新書)・

『核大国ニッポン』(小学館新書)・

『社会の真実の見つけかた』(岩波ジュニア新書)・

『アメリカから<自由>が消える』(扶桑社新書)