虫の学習  2019年1月12日(土)

 

 昨日は、幼稚園で昆虫の記録をされている大学の先生が、園児がどれくらい虫について意識をしているかについて聞き取り調査をされていました。私は、同じ部屋で、ホームページを作る仕事をしていました。園児と話されている会話を聞きながら、もうかなり前になるのですが、幼小連携活動で、虫の学習をしたことを思い出しました。

 私が1年生を担任している時は、たびたび子ども達と虫取りをしていました。学校近くの「さんぽコース」をいくつか決めていて、虫や草花を採集してきては、教室で絵を描いたり、記録を文章で書いたりしていました。秋には、幼稚園の年長クラスと一緒に、少し遠くの大渕池公園まで出かけて、虫取りをしたこともありました。園児と1年生がペアーになり、公園の草原で虫取りをしました。自由に20分ほど活動をして、一度集まって情報交換をして、また20分ほど活動をしました。子ども達は、公園の草むらに深く入り込んで、いろいろな昆虫を捕まえていました。大渕池公園から幼稚園に戻ってきて、絵を一緒に描くことにしました。幼稚園の広い部屋に集まって、実物投影機(CCDカメラ)とプロジェクターを使って大きく投影して、捕まえてきた昆虫の紹介をしました。発表したい幼小ペアーが虫を持って出てきて、自分達の捕まえた昆虫を紹介します。虫が逃げたりしないように、CCDカメラの操作は私がしました。子どもたちは、大きく映し出された昆虫の姿を指し示しながら、いろいろな話をしました。大きく映し出された昆虫と、自分達が捕まえてきた昆虫とを、比較して見ている子ども達もいます。

 テントウムシ、カマキリ、ショウリョウバッタ、オンブバッタ、イナゴ、コオロギ、カミキリ、カナブン、ハムシ、モンシロチョウ、アゲハチョウ、トンボなど、いろいろな昆虫を捕まえています。発表をしながら、「足の数は何本だろう」とか、「頭の上の長いものは何」とか、「足にギザギザがついている」「目が大きい」「チョウの口の形」など、いろいろなことを発見していきました。しばらく発表をして、昆虫の特徴を捉えてから、絵を描く活動をしました。マジックやクレパスを用いて、自分達が捕まえた昆虫を今一度じっくり見ながら、絵を描きました。園児の中には、小学生の描いた絵に影響を受けながら描いている子もいます。素敵な学び合いをしているなと思いました。

 この活動を通して、みんなで一緒に学び合うことは大切だなと思いました。ただ虫を捕まえるだけでなく、自分の捕まえた昆虫を見せ合うことで、特徴を学び合うことができます。今まで気がついていなかったこと、よく見ていなかったこと、初めて見る昆虫など、多くの学びがあります。日頃からの虫好きの子ども達が活躍します。先生から教えることは少なく、触覚や複眼や鱗粉など、難しい言葉もでてきます。また、頭、胸、腹などの言葉を使って、羽が胸に4枚ついている、足も胸に6本ついていることも、子どもから説明をしてくれます。説明には、表現する言葉が必要なので、知らない間に学習へと向かっていました。さらに、飼い続けるにはどうするのか、何を食べるかなどについても、話し合いに出てきます。昆虫の住んでいる場所が話題になりました。

 小学校では、毎日の「朝の元気調べ」の時に、昆虫やカエルやトカゲやカタツムリなど、自分が見つけた生き物を持ってきて紹介する時間を大切にしてきました。そこでは、生き物が大好きな子どもが育ちました。また、「こぎつねさんぽ」というフィールドワークの時間には、みんなで虫取りして学び合う活動もしました。個人の興味とみんなの学び合いがあって、広がり、深まるのだと思いました。

 秋には、「むしむし生き物ランド」という、昆虫館を開催して、学校中のみんなに見に来てもらう活動をしました。

 冬になると、虫が少なくなるので、カルタを作りました。パソコンで絵を描いて、それを印刷して厚紙に貼り込んで作りました。パソコン活用教育を、絵を描くことから始めていたなと思い出しました。その時のカルタは、あまりに素晴らしいので、カラーコピーをとって今も持っています。

 生き物を中心にした一年間の活動を楽しんでいたことを思い出しました。