みんなで創る理科研究会 2019年1月2日(日)
奈良県の先生方と、理科の研究会を月に一度やっていた時のことを思い出しました。県教委が出張扱いで開催している研究会なので、午後3時から5時というのが本来の時間帯なのですが、実際は午後6時から8時に実施していました。こぎつね附小の理科室に奈良県の理科の先生方が集まって、みんなで教科書の実験を、じっくり取り組んでみようというのが目的です。
私の前任者の先生は、研究単元を決めて指導案を書き、代表者が授業をして、授業分析をしていくことを中心にされていたのですが、それではなかなか若い先生の参加が続きませんでした。指導案を書いて授業をするということになると、最初はみんなで検討して指導案を作っているのですが、最終的には、代表者が授業をするようになるので、授業者以外の先生の気持ちが次第に離れていくというようなことを、毎年繰り返していました。
そこで、私が中心になってから、実験をみんなでするというような取り組みに変えていきました。教科書の実験で、なかなかうまく結果が出ない実験をみんなで取り組んで、問題点や改良点を考え合う時間としました。そうすると、毎回30人ほどの先生が参加されるようになりました。5月から2月頃までで、参加された先生の名前カードを年度末に数えると100人を超えていました。多くの人たちと一緒に研究をしていたことが分かりました。
実験セットを8班分準備しておき、今日取り組む実験を板書しておきます。到着された先生から、グループを作って、板書の順番に、それぞれに実験を始めていくようにしました。奈良県の理科の研究会なので、かなり遠くから来られる先生もいます。到着時間がどうしてもバラバラになるので、来られた先生から始めるという方法は、いい方法でした。早く終えた先生は、遅くから始めたグループに指導に行ったりしながら、それぞれコミュニケーションが進んでいました。ベテランの先生は、若い先生を指導しながら楽しそうでした。私は、見ているだけで充分でした。
何をテーマにするか、どのような実験準備をするのかは、私の責任です。子どもが興味を持つ課題、先生方が苦労をしていている実験を選び出し、それを、先生自身が実際に実験をして、結果の事実から、考察、結論へと、導き出していく探究の過程をみんなで経験しました。遅く来てしまって実験途中のグループも、午後7時30分からまとめの時間としました。名前カードを、板書の実験結果、考察、結論の部分に貼り付けていき、みんなで、実験から考え合うようにしました。遅く来た先生は、最初の実験の方に名前カードを貼りました。まとめの時間では、理科の学習の進め方をみんなで確認していくことになりました。子ども中心に進める学習の方法を、この取り組みで伝えることができました。また、失敗した実験結果から、どのように考察をしていくのかも学び合うことができました。
時には、「自分のクラスの子ども達が書いているノートを持ってきましょう」と声をかけておいて、グループの先生同士で交流をするというようなこともしました。私の理科室なので、私の授業で書いている3~6年生の子どものノートは、自由に見ることができます。たまたま名前カードで一緒のグループになった先生どうしが、理科授業のノート交流をして、互いに学び合っていました。
教えるということではなく、学び合うという理科の研究会でした。グループでの学び合い、若い先生とベテランの先生の学び合い、子どもの理科ノートの交流、子どもが進める授業形式の体験など、それぞれの先生が活躍できるような学習会でした。理科が得意でない先生は、グループで教えてもらって、板書に書いている姿もあります。みんなで創る理科研究会の方式が、この時、見えたような気がしました。