音楽を聞きながら  2018年12月18日(火)

 

 家で文章を書くとき、静かなピアノ曲を聞きながらします。本当は、静かな環境の方がよいのですが、最近は文章を書く時は、YouTubeで音楽を聞きます。

 退職をする少し前に、小学校の音楽の先生にどんなスピーカーを使うと良いのか相談をしました。昔のコンポのような考えを持って相談をしたのですが、若い音楽の先生は、「これからは、パソコンで音楽を聴く時代なので、少し質のよいスピーカーを買って、パソコンにつなぐといいですよ。」と教えてくれました。その通りでした。CDを入れ直しながら、音楽を聴く時代ではないことが、直ぐに分かりました。YouTubeには、膨大な音楽が流れています。宣伝は時々入るのですが、無料でいろいろな音楽を聞くことができます。昔のレコードのような雑音も全くありません。レコードやCDを入れ替える必要もありません。最初の頃は、無料でこんなに上質な音楽を聞くことが出来るのは、何か違法な聞き方をしているのではないのかと思いましたが、こちらがいつでも選択できるラジオやテレビ番組感覚で、音楽を聞くことができる時代になってきたのだと、考えるようになりました。そういえば、駅前のTSUTAYAが、最近ついに店じまいをしました。昔は、そこで、CDやビデオを借りていたのですが、そのニーズがなくなってきたということです。

 YouTubeは、自分の聞いた音楽が次に聞きたい時すぐに出てくるようになっていて、また、聞きたいであろうお薦めも上手にしてきます。膨大な人が使っていると思うのですが、それぞれの使い勝手を記録していき、それぞれの音楽環境を創っていくようです。便利ですが、怖い時代です。

 同じように、コンビニやスーパーやデパートでカード払いをすると、個人情報が常にやり取りされていて、商品管理に使われています。電車の乗り降りもカード決済でしているので、個人の行動は全て記録されています。グーグルマップの位置情報を使っていると、その人の毎日の動きも全て記録されています。ネットショップは、さらにその人の生活がしやすいように、お薦めをしてきます。言葉を入力してグーグル検索をすると、その人の性格や趣味や能力も、全てグーグルのコンピュータに記録されているはずです。

 昨日、テレビ番組で、入社したてのタクシー運転手が、人が乗りたいと思って待っている地域のAI予測に従って走っていると、乗客が増えたと言っていました。将棋は、AIに、これまでの700万回の棋譜を覚え込ませて、さらにAI同士で対局をさせて、今は人には負けたことがない状況にまできているようです。さらに、お金の支払いが全て電子マネーになると、人の生活管理を全てAIが把握してしまうことになりそうです。カードを作る時の審査、人の採用にまでAIの判断が活用されるようになってきました。メールの文章、ブログ、インスタグラム、クラウドの書類などから、個人を特定した能力をAIが把握していっています。医療、健康診断がさらにこれにつながってくると、健康や寿命まで管理されてしまいます。健康年齢と最近言われ出してきていて、もうすぐ、あと何年生きられるか、かなり正確にAIが予測するようになるのでしょう。

 YouTubeの音楽を聞きながら、AIが管理している世界の中で生活をしている自分の状況を、考えてみました。人の存在価値が、AIに全て管理されてしまいそうです。