ワードを使う  2018年12月2日(日)

 

 理科教育の手引きを書いています。これまで30年間ほど、3~4年に一回、教科書の改訂があるたびに書いてきたのですが、どんどん書き方が変わってきています。最初は、手書きで原稿を書いて編集部に提出していたのですが、それがワープロで書いてもよいことになり、さらに、パソコンで書くようになりました。

 パソコンでは、私はページメーカーという編集用ソフトを、長く使ってきました。絵や図を入れたり、吹き出しの文章を作ったりするのが自由にできて、とても使いやすいソフトでした。一部のプロの編集者も使っているソフトで、複雑な紙面を仕上げる時には、初期のワードにはできないことがいろいろできました。しかし、使っている人が少なく、提出された側が、開くことができないので、困ってしまうこともありました。

 理科の手引きを書くには、編集部からワードで作られた書式が示されていて、それを使って書いていきます。編集部は、とても若い人たちが中心です。新しい技術を持った人が進めています。これまでの私のワード使用は、この晴歩雨読のように、文章を書くだけの使い方が中心で、複雑な紙面構成をした使い方をしていませんでした。そのような場合は、ページメーカーを、併用して使っていました。今回はワードを使って書くように考えました。しかし、編集部から示されたワードの書式は、表の書式が駆使されたもので、さらにその上から、貼り込みで図形や囲み文章もあり、とても複雑でした。その構造を理解して、消したり、書き足したり、構成を変更したりできないと、書き進めることができません。自分の娘にも聞いたりしながら、時間がかなりかかってしまったのですが、やっとそれらの仕組みが分かると、ワードも、とても便利で、さっさと仕事が進められることが分かりました。時代に取り残されないようにしないといけないと思いました。

 最近の大学生は、パソコンのキーボードが打てない人も増えてきていると聞きます。しかし、スマホを使って、指一本で長い文章を書いていくことができるようです。これから10年もすると、パソコンを10本指で入力しているのは古い人たちで、若い人は指一本、パソコン用ペン一本でパソコンを扱い、文章を書くというようになるのかもしれません。キーボードが、これからどんどんなくなるのかもしれません。