団体研究をする力 2018年12月5日(水)
大学生に、グループ研究をしてもらっています。生活科の学習の進め方を自ら体験してもらうために、学校探検、図書館の仕組み調べ、秋の公園、商店街調べ、近鉄沿線遠足地の5つの課題研究です。このテーマは、低学年の生活科の学習で取り組む時の大きなテーマであると考えます。大学の講義の時間は限られていて、週に1回しかありませんので、学生が意識を持ち続けて4回に渡る実践を仕上げるのはとても難しいのですが、無理を承知の取り組みです。計画で1校時、グループ取り組み1校時、発表2校時分です。それでも4回分の講義を使います。それぞれ、現地に出向いて、人と出会って話を聞いたり、自然物を集めたり、グループ内で分担をして資料を集めたりしています。
商店街で聞き取りをしている学生には、挨拶をしっかりするように伝えています。「私たちは、こぎつね女子大の1回生ですが、生活科の学習でお店調べをしています。お話を聞かせてもらっていいですか。」という挨拶と、「ありがとうございました。」というお礼をしっかり言うように伝えました。「こんな聞き取りをこぎつね女子大の学生にされたのは初めてと、言われました。」と、きつねTに報告してくれる学生がいました。また、校内の図書館に調べに行った学生には、司書の方にお話を聞く時、「生活科の学習で図書館調べをすることになりました。お話を聞かせていただけますか。」「ありがとうございました。」と、挨拶をしっかりするように伝えました。それぞれの場所で、多くの方に育てられる学習にしていくことが大切です。本当はみんなで出かけて、おたずねをしたいのですが、70人もの女子学生を連れて行く勇気はありません。また、学校に来ていただいておたずねをするには、学生はまだ、そこまで育っていません。自由研究の発表や朝の元気調べのような聞き合い活動が、全く深められていないからです。
これまで、小学校の子ども達と学習を進めていた時は、学年80人で出かけた団体研究も多くしてきました。日帰りの遠足では、奈良のいろいろなお寺や神社、工場、各地の博物館・水族館・動物園などで、80人の子ども達が次々におたずねをしながら聞きとり学習を進めてきた経験を持っています。しごと合宿として、4年生、5年生、6年生では泊りがけで研究に出かけた経験もあります。この経験を大学生にも伝えたいのですが、まだまだ、そこまで進めるには、時間がかかります。
団体研究は、一人ひとりの意識が高まっていないと成立しません。向上心、集中力、書く力、話す力、表現力など、全員が身に付けていないと進めることができません。日頃の自由研究発表の取り組みを重ねることで、取り組みの質を高めておかないと、よいおたずねができません。学びの質の向上には、とても時間がかかります。
団体研究を進めるには、自己組織化していくことができる学び集団を育てることを目指す必要があります。学び合う共同体として成立させていくには、一人一人がエネルギーレベルを上げ、協働していく親和性と、個の自律性を高める必要があります。よくわかってはいないのですが、複雑系の考え方が必要になってくるはずです。こぎつね女子大の学生たちは、時間と体力を持て余しています。もっと、質の高い個性的追究が合わさって、高め合っていくような学びの場を、大学が提供していくようにしたいものです。
▼昨日の12月4日は、これまで観測史上初の12月の最高気温だったようです。大阪では25度近くになりました。新聞記事には、「東日本、西日本を中心に暖かい日が続いている。気象庁によると、4日は大分県国東市で最高気温が27・0度に達するなど夏日になった地域も多く、全国926観測点のうち351地点で12月の最高気温に並ぶか更新した。地球温暖化や今秋に発生したエルニーニョ現象が要因とみられ、暮らしや経済活動にさまざまな影響が広がっている。世界の平均気温の上昇傾向は止まらず、2016年には観測史上最高を記録した。背景にあるのは温室効果ガスの増加だ。世界気象機関(WMO)によると、主要な温室効果ガスである二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素の濃度が上昇している。」と書かれていました。夏にも最高気温の更新があり、冬にもこのように最高気温の更新があります。本当に暖かくなってきていることが感じられます。