学びを集めて学びを創る  2018年10月18日(木)

 

 自由研究を学生にしてもらっています。「テーマは、生活に関わることなら何でもいいよ。」ということにして、全く自由に自分の興味のあること、調べてみたいことを、書いてもらいました。学生の感想を読んでいると、最初は邪魔くさいなあと思ったけれど、やってみると、思っていたよりも面白く、もっと深く調べてみたい、というようなふりかえりを書いています。こぎつね小学校でも、このような自由研究を低学年では毎日発表する時間をとっていて、年間1000点にも近い数の発表を聞き合いました。

 学生の自由研究発表は、まず、発表の形式を伝えるために、書いてきた時の1回目の時間は、名前カードでたまたま当たった2人に、全体発表をしてもらいました。また、司会と記録の人を2人決めて、この司会、記録の人が中心になって、発表を進行してもらいました。話し方も伝授しました。「最初は、〇〇さんの発表です。テーマは、〇〇です。よろしくお願いします。」と、司会の進め方を教えました。発表が終わってからは、「〇〇さんの発表について、おたずねをしましょう。感想でもいいですよ。」と伝えるようにして、4人ぐらいの名前カードを貼って、それらの人に、おたずねをしてもらうように伝えました。Q、Aとして、板書記録をしていきながら、聞き合いを進めてもらいました。

 また、聞く人はメモを取りながら聞くこと、おたずねができる聞き方をすることも伝えます。大学生は、まだ、自分から手を挙げないので、ここはカードを貼ることにより、たまたま当たった人が、おたずねをするようにしています。カードを貼られた人は、どきどきしながら、おたずねをしてくれています。

 学生が自ら進める学び合いの形を、自由研究の発表という学習の場で体験してもらっています。指名、板書書き、話し合い、メモ、ふりかえりと、自ら進める学習を学生が創っています。20分ほどの時間ですが、学生だけで進めています。70人ほどもいる教室でこのような学習の進行をするのはとても勇気のいることですが、自分達の力で学び合いの楽しさを感じているようです。司会をした学生や、代表の発表にたまたま当たった学生のふりかえりは、キラキラした言葉で綴られています。

自由研究を書いてきて、一回目の発表を2人にしたのは、みんなで進める話し合いの形式を伝えたいということと、充分に自由研究ができていない学生にもう一週間時間をあげることにもなります。二人の発表者の研究と自分の自由研究を比べて、もっと工夫した書き方がいいな、さらに深く調べたいなと思った学生も多く、もう一度白い紙をもらいにきた学生も何人かいます。色を付ける、写真を貼りたいと、学習のふりかえりに書いている学生もいました。来週までに、さらに工夫したものになっていると思います。

 来週は、グループの中で発表をします。8人ぐらいのグループの中で、司会を決めて、メモを取りながら発表をしていくようにします。おたずねは、聞いている人全員が一言ずつするように伝えます。前回一度して、方法は理解してもらっているので、自分達で学び合いが進められます。人数的にも、8人ぐらいなので、僻地の学校の少人数の学級をイメージするように伝えます。司会者は先生役です。

 大学生の自由研究ですので、自分達の生活レベルのものが多く集まります。教職の現場からみると、ちょっと違っているよねと思ってしまうようなテーマでも、学生にとっては興味の対象です。自分達の世代の学び合いができます。全員が学びを持ち寄り聞き合うので、寝ている学生はいません。学びを集めて学びを創る学習の形が、このようにしてスタートします。

次のテーマは、いよいよ生活科に入ってきます。生活科とはどのような教科なのかを、自由研究します。