化学教育サロンで話す 2018年10月13日(土)
今日は、化学教育サロンという集まりで、話をします。京都こぎつね大学の理科の講義を非常勤でしているとき、その大学の先生から、「10月にある集まりで、先生の教育について話をしてもらえませんか」と言われました。文科省の先生が1時間講演をされた後、小学校と中学校の先生が、15分ずつ提案をして、その後、ディスカッションをするようです。化学教育というのが、気にはなっているのですが、私は化学の専門でもないのに依頼してくださっているので、深く説明を受けることもなく、これまで実践してきた「子ども主体の教育」を話せばよいのかなと勝手に考えています。また、サロンとなっているので、高度な化学の討議のようなものではないなとも思い、受けてみることにしました。京都こぎつね大学の講義も2年間させていただき、その前は、大学院生の年一回の講義を10年近くさせてもらっていたので、最後のお勤めとして受けることにしました。京都こぎつね大学の理科教育も、今年の前期で終えることを伝えています。
おそらく、こぎつね小学校の教育について話をすると考えて依頼をされていると思うのですが、今回は、大学の講義も今年で終えるので、大学生にこぎつね小学校の「子ども主体の学習」をどのように伝えることができたのかについて、報告することにしました。題は「子ども主体の学習を教職系大学生に伝える大切さ」ということで、大学教育において、大学生主体の学習の在り方が可能なのかをまとめてみました。単に、こぎつね小学校の教育を学生に伝えただけでなく、こぎつね小学校の学び方で、大学生に理科教育法の学習を進めてもらい、学生主体の学習法を体験してもらいながら、小学校教育における子どもの自立した学習の進め方を伝える試みをしました。
今回の学習指導要領には、アクティブラーニングが取り上げられています。「主体的・対話的で深い学び」と表現されています。本来、小学校の学習は、かなりアクティブラーニングで進められているものなのですが、高校や大学の学びが、どうも先生中心、黙って座って、先生の漫談を聞きながら黒板の内容をノートに写すというような教育になっているようです。高校や大学教育にこそ、アクティブラーニングが必要だと考えます。文科省も最初、そのように考えていたようなのですが、まずは、小学校からということで、学習指導要領に明記されてきました。
かつて、ハーバード大学の学習について書いた本を読んだ時、講座の8割は学生同士のディスカッションで進めると書かれていました。また、小学校に来られている外国人の英語の先生も、アメリカの大学は、膨大な本を読んでいって、それをもとに話し合うのが大学の学習だと言っておられました。さらに、30年も前になるのですが、ハーバードの学習風景をテレビで見たのですが、そこでも、教授がどんどん学生を指名していきながら、「君はどう考えるんだ」と、議論をさせて講座を進めていました。今回のアクティブラーニングは、本当は、大学の教育改革のとても大切なキーワードであると考えました。
大学生こそが、主体的に学ぶような学習をする必要があります。特に、教職系の大学生は、自分達主体の学習法を身に付けておかないと、小学校や中学校の先生になったとき、子ども主体の教育を進めることができません。これまでも、かなりの学生は、小学校から受け身で教育を受けてきて、さらに、大学でも、上から降ってくる講義を寝ながら聞くようなものであると、学習のふりかえりに書いています。これでは、いつまでたっても日本の教育はよくなりません。そこで、今回、こぎつね小学校の「子ども主体の教育」を伝えるだけでなく、大学でも、大学生主体の学び方で講座を進めてみました。その報告を、今回できればいいなと思いました。