安治川隧道を通る 2018年10月9日(火)
昨日は、家(中百舌鳥)から難波まで歩こうと家を出たのですが、少し前から考えていた難波から西九条へ歩くコースにしようと思い立ち、新金岡駅から地下鉄に乗って難波に出ました。前回のフィールドワークは、大阪市立図書館からJR大正駅へ歩くことでした。今回は、図書館のすぐ横の道を真っすぐ西へと進み、九条駅を通り、安治川の下をくぐる安治川隧道を通り、西九条駅に向かうコースです。
難波から中央図書館までは、オレンジロードという堀江のオシャレなお店がある通りを抜けていきました。図書館のすぐ近くの交差点から西へは、今回初めて歩く道です。しばらく歩いて先代橋を渡ると、商店街のアーケードが見えてきました。九条駅に続くアーケードです。かなり広い商店街で、ちょっと神戸三宮の商店街を思わせるような道幅があります。ところどころシャッターが閉まっている所もありますが、多くの人が行き来していて賑わっている商店街でした。かつて、本当にかなり前、小さな映画館がこの九条にあって、寺山修司の映画を見に来たことがありましたが、どこにあったのか覚えていません。この商店街をたぶん歩いている筈ですが、記憶に残っていませんでした。新鮮な気持ちで通り抜けました。
道幅の広い商店街の向こうには、地下鉄中央線の高架になった九条駅があります。その下を通り過ぎると、道幅はぐんと狭くなるのですが、さらに商店街が西へと続いています。下町のお店が並びます。その商店街が途切れるところが安治川になります。大阪では唯一の川の下を通っている隧道です。ネットに詳しく書いてくれている人がいます。
◆概要
安治川隧道は安治川の下を通る全長約81mのトンネルです。『海底』ならぬ『川底トンネル』なのです。安治川を渡る人・自転車などの交通量が増加したため計画され、1935年(昭10年)11月に工事着工。1944年(昭19年)9月15日に開通しました。
安治川隧道の開通により安治川にあった4つの渡船が廃止されています。現在の安治川隧道の場所にあった『源兵衛渡船』も隧道の開通により廃止され、西区側の交差点にその名を残すのみとなっています。
安治川隧道は、幅2.4mの歩行者・自転車用通路と幅4.5mの自動車用通路(2車線道)の2種類の通路が設けられました。地上から地下への移動はエレベータによって行われるという珍しい方法が取られました。しかし、1963年(昭38年)に安治川大橋(現R43)が開通したことにより自動車の通行量は減少。自動車用通路は、スロープ を設けて川底トンネルとする計画が持ち上がり、その工事開始を前提として1977年(昭52年)2月に閉鎖されます。しかしその後、地元住民の反対などにより計画は頓挫してしまい、以来自動車専用通路は閉鎖されたままとなっています。
2005年4月現在、安治川隧道は歩行者・自転車通路のみが通行可能となっています。地下通路には階段もしくはエレベータにより移動することになっており、24時間通行可能な隧道として地域の重要な移動手段となっています。(エレベータは真夜中は停止します。)
安治川隧道ができたことにより廃止された「源兵衛渡し」の名が、最寄りの交差点名で残っています。どのようにその隧道に降りていくのかドキドキしましたが、大きなエレベータを使っている様子が、信号待ちをしているところから見えます。横には、階段もあるようです。信号が青になって、いよいよ安治川隧道の前に立ちました。向こう側の登りはエレベータを使おうと考え、下りは階段で降りました。どんどん地面の下へ、川の下へと降りていく実感が持てました。階段が何段あるのかを、数えるのを忘れました。このあたりの地表は、ほぼ0m地帯なので、海水面下へと下っている筈です。深さが分からないので、これもネットで調べて見ました。「深さ17m、幅83m、階段93段」ということです。なんでも調べて書いてくれている人がいます。登りはエレベータを使いました。自転車を押しているたくさんの人たちが降りてきて、トンネルの左側を一列になって押していきます。多くの人が、常に使っているようです。83人も乗ることができるエレベータで、安治川の向こう岸へ上がりました。
安治川を越えてさらに歩くと、まもなく西九条に到着しました。JR環状線の西九条駅から天王寺にでて帰りました。これでJR環状線のまだ乗り降りしたことのない駅が、一つ減りました。まだ、数駅あります。
安治川隧道を通った機会に、大阪の渡し船をしらべてみると、8か所あることが分かりました。一筆書きのように歩いて全部の渡し船に乗っている人の報告が、ネットにいくつかあります。また、市バスを上手に使って移動している人の報告などもあります。歩いても、一日で8か所をめぐることができることが分かりました。安治川隧道を通ったので、次は、渡し船にも乗ってみたいなと思いました。
また、大阪低山ハイクをしている人のページも、同じようなネットに出てきました。港区の天保山と堺市の蘇鉄山を一気につないで15㎞を歩いている人もいます。また、大阪市内5低山を歩いて登山している人もいます。街歩きの達人は、いろいろテーマを作って、歩いているなあと感心しました。