種あつめ、石あつめ   2018年10月2日(火)

 

 もうすぐ3歳になる孫が、種集めを手伝ってくれています。じいちゃんの種集めのお手伝いです。昨日は、アボガドとリンゴの種を持ってきてくれました。小さなカップに入れて箱に並べているのですが、すでに箱がカップでいっぱいになってきました。「もう少し大きい箱がいるね」と孫が言っています。まだこれからも、集めてくれるようです。種集めは、孫のために始めたわけでもないのですが、今年の夏ごろから、きつねTが、食べた野菜の種を乾燥させてカップに入れていたのを見て、家から、一種、二種と、持ってきてくれるようになっています。前回は、ツバキの種でした。

 種集めは、3歳の子どもでも、生活の中で簡単にできます。野菜や果物を食べた時に種を集めることができ、また、花が咲いた後の木や草花でも、種を採集することができます。種は腐らないので、保管が簡単で、集めて並べていくことができます。そのうちに、植物は種を残して、種で増えていくことを、感じることもできると思います。子どもは、集めたり、並べたりするのが大好きなので、その特性を生かした活動の一つになるなと思っています。

 1年生を担任している時、石集めが流行ったことがあります。運動場のあちこちで、小さな石を拾ってきて、きつねTに石の種類を聞いて、それを窓枠の前の所に並べている時期がありました。窓の前の3センチほどの長い棚は、1年生にはちょうど目の高さになり、小さな石を並べるには最高の展示場です。チャート、砂岩、泥岩、結晶片岩、花崗岩、石英、大理石などが並びました。最近、こぎつね幼稚園でも石集めをしているこぎつねがいます。木津川の川原に行って、チャート、花崗岩、紅柱石ホルンフェルスなどを拾ってきて見せてくれました。どのように家で整理していくかは、ちょっと大人が手助けをしてあげるとよいかもしれません。

 関西に台風が続けてきているので、そろそろ海岸に行って貝拾いをするのもいいかなと考えています。大きな波で新たに打ち上げられた貝に出合えるかもしれません。春に行ったときは、海を初めて見て怖がっていたのですが、今回は、大丈夫かもしれません。須磨海岸、二色浜海岸が近いのですが、白浜ぐらいまで行くとタカラガイも拾えるので、行ってみたいところです。

 また、猛暑の夏が過ぎ、秋の草花も咲き始めました。理科をこぎつね小で教えていた頃、理科室の前に、10本ほどのペットボトルを並べて、春と秋には、植物名を書いて展示をしていました。見る子は見てくれていました。家でもできることだと思いますが、植物名を正式に調べるのは少々苦労します。子どもは記憶力がすごいので、嘘を教えてしまっては大変です。親の学び、親の教養が問われます。こんな時、大人も学び続けなければならないことが分かります。子どもにさせるだけが親の仕事ではありません。自分が学んで、子どもと学んで、大人が子どもに負けない学びをしていると、その一部分が子どもにも伝わるものです。幼稚園でも、秋の植物の展示をしたいのですが、週2回の登園では、維持管理ができません。ぜひ、家で5種類ほどでもいいので、挑戦してみてください。山道を歩くと、秋の草花を見ることができます。さらに、秋から冬にかけて、どんぐり集め、紅葉した落ち葉集め、いろいろな木の実集めもできますね。

 自然に深く入り込んでいくと、自然の多様性を感じる事ができる学習になります。これは、実際にやってみないと分からないことです。自然を見ていくには、仲間分けをする、名前を調べる、成長を観察する、自然同士の関係性を調べる、環境との関わりを調べるなどの学習が続きます。

 ノーベル賞の授賞者に、また、日本人が選ばれました。前回の大隅先生は、教科書編集で、しばらく一緒に仕事をさせていただきました。そんなすごい人と一緒に仕事ができて幸せでした。そして、もしかしたら、今の園児の中にも、将来、自然研究に関わり成果をあげる人がきっといるはずです。大切に育ててあげましょう。

 しかし、親はあまり教えてはいけません。学ぶ環境を創るのが親の仕事で、行動するのは子どもです。先走って、教え込むなんて決してしてはいけません。子どもが自ら学ぶ喜びや感動を、奪ってしまうことになります。親の仕事は、親が学んでいる姿を見せる事かもしれません。