理科の教科書を見て 2018年8月19日(日)

 

 朝からバルコニー(小学校の教室より少し小さい6m四方)でパソコン作業をしはじめて4日目です。部屋の中で作業をするよりずっと開放的で、気分も爽やかです。朝の5時から10時ごろまで5時間、途中休憩もするので、4時間ぐらいは涼しく、広々とした所でパソコン作業をします。今日も、まだ薄暗い5時にバルコニーに机を出して、ノートパソコンも持ち出して座りました。空気は部屋の中より冷たく、時々吹く風はさわやかです。5時21分の日の出の時刻が近づくにつれて、刻々と空の明るさが変化していきます。今日も、カラスよりも、スズメよりも、セミよりも早起きです。バルコニーでは、西を向いて座っているので、太陽が出ると、駅近くの一番背の高いマンションに、朝の光が一番に当たります。山や海が見えるような素敵な風景ではないのですが、朝の空には、都会でも静かな大自然が感じられます。昨日は、朝の気温が20度近くまで下がったので、長そでの上着を着ましたが、今日は25度なので、半そでの服でも寒くありません。太陽が出てから30分後、周りの家々にもすっかり朝の光がいきわたり、早起きをして散歩をしている人が、家の前を通っていきます。周囲に広がる家々の庭の緑も、光を受けて目覚め始め、ピンクのサルスベリが燃え立ちます。

 7月の初めから、ずっと35度を超える猛暑が続いてきましたが、一昨日より、日中の気温は33度ぐらいで収まり、最低気温も25度を下回るようになりました。例年の夏の気温になったということです。これは一時的に、北からの空気に覆われたために爽やかになったということで、また、暑さは再び復活してきて、猛暑はまだしばらく続くようです。

 

 大学の講義は、7月の末までありました。7月いっぱいは、午前中でも、部屋でクーラーをつけて、大学の資料作りを進めていました。8月に入り、大学の講義が終わり、少しホッとしました。理科の教科書の校正をしたり、幼稚園の子ども達に話すプレゼンを作ったり、大学の成績の整理をしたりしました。また、上高地旅行と、伊吹山登山の時に撮った花や昆虫の写真の整理をして、ブログに掲載していきました。晴歩雨読も毎日欠かさず続けて書いていました。しかし、7月も8月も、部屋の中では朝からクーラーを入れないと40度近くになる状況なので、なかなか作業がはかどりません。ここ数日、やっと朝が涼しくなってきたことと、朝からバルコニー生活をすると気持ちがいいことを発見し、やるべき活動が復活してきています。10㎞さんぽにも、二日間続けて、出かけることができました。

 

 理科の教科書の精査をしています。小学校の理科は、植物や生物に出合うような活動も多く、日頃の当たり前の自然の様子を、しっかり観察しておきたいなと、今更ながら思いました。高山植物などの記録も個人的には楽しいけれど、身近な生物の記録をきちんとしておく事が大切だなと感じました。セミはいつ頃鳴いていたのか、オンブバッタの幼虫はいつごろ見かけたか、8月の頃のアラカシのドングリはどんな様子だったのか等、見落とし気味、忘れてしまいがちな自然の記録が本当は大切だと、理科の教科書を見ていて思いました。かつて、忙しく理科の先生をしている頃より、最近の方が、ずっと自然の変化に敏感になってきているのですが、さらに、詳しい記録をしていきたいと思います。

 また、理科を教えていた頃、学校での理科学習に並行して、「おうち実験」の開発をしていたことを思い出しました。学校の理科室ではなくて、家で、子どもが個人で独自学習として取り組める実験を、いろいろな単元で考えて示していました。今回教科書の熱の伝わり方の単元を見ていると、目で見てすぐに分かるサーモテープ、サーモインクを使っています。一目瞭然ですが、子どもの工夫の余地がありません。自分で考えて、身近なものを使って実証していく場面も、提供してあげたいものだと思いました。パソコンで調べるなどの活動も進みつつあります。頭を使う、工夫をする、生活の中を子ども自身で見直す、生活から学習を立ち上げる、このような理科学習を常に考えながら、技術の最先端にも目を向けなければいけないなと思いました。

 テレビを見ていると、認知症防止に向けて ①筋トレ、②一日4回の歯磨き、③音楽、④睡眠、⑤絵を描く、⑥歩く、⑦頭を使う、など、活動的に体の各所を使うことが大切だと言っていました。子どもの学習と同じだなと思いました。最先端技術のみに頼るのではなく、自分の体と頭を自分が使うことで、認知症の予防になるということです。あまり、懇切丁寧に過保護に理科実験をさせていると、子どもの脳も認知症になるのではないかなと、健康番組を見ていて思いました。