伊吹山歩き 2018年8月10日(金)

 

 今年の8月11日「山の日」は土曜日です。テレビの情報番組では、伊吹山の高山植物と山の日のイベント(観察会)の紹介をしていました。たぶん土曜日は人が多くなりそうなので、テレビを見た翌日、金曜日に伊吹山へ行くことにしました。

 朝4時30分に起きて(いつもそのような時間に起きている)、5時には車で家を出ました。全く渋滞もなく関ケ原インターまで行くことができました。関ケ原インターを出てすぐ近くにある伊吹山ドライブウェイに入り、標高1260mにあるスカイテラス駐車場には、7時30分に到着しました。この伊吹山ドライブウェイは、標高200mから一気に1260mまで、1000mを上がります。約600台の車が停められると書かれている駐車場には、まだ10台ほどしか停まっていませんでした。これならゆっくりと写真を撮りながら登ることができるなと思いました。頂上が1377mなので、駐車場から100mほどの登山です。伊吹山は、日本100名山のリストにも挙げられている山で、本当は麓から歩いて登山をするのですが、今回は車で9合目まで行き、そこからわずか100mを登る、楽々登山です。

 駐車場から頂上へは、3つのルートがあります。西登山道コース(山頂まで約40分1000m)、中央登山道コース(山頂まで約20分500m、急こう配でほぼ階段)、東登山道コース(山頂から約60分1500m)です。東登山道コースには、下り専用と書かれています。30年ほど前に一度来たことがあるのですが、すっかり忘れてしまっています。その時は、階段をずっと登ったような気がするので、歩いたのは中央登山道コースだったように思います。

 7時30分に、登り始めました。登山道には、鹿よけの網の扉がついています。その扉を開けて登山道に入ります。また、頂上一帯を囲むようにネットも張られています。頂上付近の高山植物を鹿の食害から守るために作られているようです。

 「伊吹山の位置は日本のほぼ中央部にあたり、北方系植物が南下してきたり、日本海側植物が生育していたりします。さらに典型的な石灰岩地帯ということや、冬季寒冷な季節風の影響を受けて、好石灰植物や美しいお花畑がみられます。独自に進化した固有種も存在しています。昔から、草本植物や薬草の宝庫として広く知られています。」

と、ドライブウェイでもらったパンフレットには書かれています。

 登山道ではすぐ前に、家族連れが登っていきました。また、一人で写真を撮りながら登っている男の人が20m程前にいます。家族連れは、直ぐに見えなくなりましたが、写真を撮っている人とは、ほぼ同じペースで登っているようでした。コースタイム40分のところを2時間かけて登りました。こんなにゆっくり登っていても、登頂までに、数人に追い抜かれた程度でした。上高地の時と違って写真を落ち着いて撮ることができました。

 登山道に入ってすぐに、アカソがたくさん広がっていて、そこには、毛虫がたくさんいました。山の斜面には、ルリトラノオかクガイソウか見分けがつきにくいのですが、紫の尾っぽ状の花が見られます。背が高くて目立つシシウドには、キアゲハの幼虫がたくさんいました。スジグロシロチョウやモンキチョウやトンボがたくさん飛んでいます。黄色のメタカラコウ、キンバイソウ、アキノキリンソウも咲いています。ピンクのシモツケソウも一面に広がっています。カワラナデシコ、ワレモコウ、イブキフウロ、ミヤマコアザミ、コオニユリ、イブキトリカブト、クサボタン、ソバナ、ツリガネニンジン、サラシナショウマなどの華麗な花々も見られ、日頃のさんぽでは見られない高山植物の写真をたくさん撮ることができました。イブキ〇〇という名前の植物も多くあります。

 頂上(1377m)には、9時30分に到着しました。頂上周辺だけは雲の中でした。10mほどの視界しかなく、高い山に来たなという気分になりました。数件の山小屋があり売店になっています。駐車場からは荷物搬送用のモノレールが付いていて、それでいろいろな物品を上げています。

 しばらく頂上で休憩をしてから、とても濃い霧の中ですが、山頂の標記や日本武尊の像を見つけ、さらに東登山道コースへの降り口を探しました。中央登山道コースではなく、下り専用の道を降りることにしました。「東登山道コースは、イブキトリカブトなどの群生を見ることのできる自然が豊かなコースですが、雨が降ると土の所ではぬかるみができ滑りやすく、また、石灰岩が露出しているので歩きにくいコースです。道幅も狭く人がすれ違いにくい箇所が多くあるため、下り専用となっています。ハイヒールやサンダル履きの方はご遠慮いただくのが無難でしょう。」と書かれています。

 濃い霧は、頂上だけでした。東登山道コースを歩き始めるとすぐに視界は開けました。植物の写真は、登っている時にほぼ撮っているので、下りは足元に注意をしながら、景色を楽しみながら歩きました。石灰岩が草原の中に出ているカルスト地形である羊群原(カレンフェルト)がところどころに見られ、鍾乳洞へとつながると思われる石灰岩のくぼ地(ドリーネ)地形も見られます。石灰岩の高まりを乗り越えながら歩く所もあり、登山靴でなければちょっと難しいなと思われる道でした。下からは上がってくる人はいないので、誰にも会うことがなく、また、だれにも追い越されることなく、静かな山歩きができました。

 駐車場近くになると、人の声が聞こえてきました。10時30分には、駐車場に戻ってきました。登り始めた7時30分の頃よりかなり車が増えていました。観光バスも到着していて、団体の登山者が、西登山コースを列になって登り始めていました。早起きは得するなあと思いました。しばらく、駐車場にあるお店で珈琲タイムをしながら、モニターに映し出されている伊吹山の自然のDVDを見ました。そして、帰ってから写真の整理をするときのために、伊吹山の高山植物が載っているパンフレットを買いました。

11時30分に伊吹山スカイテラス駐車場を出発して、家に14時30分に戻りました。帰り道は、高速道路のあちこちで渋滞があり、行く時よりかなり時間がかかってしまいました。