鴨川の遊歩道 2018年7月30日(月)

 

 京都の大学の15回目の講義を終えて、午後から鴨川の遊歩道を、神宮丸太町から出町柳まで歩きました。

 京都の大学は、4月から7月までの前期の理科教育の講義です。昨年と今年の、2年間担当させてもらいました。昨年は、初めての講義だったので、毎回実験で進める学習形態をとりましたが、使い勝手の分からない実験室なので、準備にとても苦労しました。そこで、2年目の今年度は、実験の数を減らして、学習の進め方、実験の取り組み方を考えるような場面を増やして、一つの実験を2回の講義で進めるようにしました。学生たちもゆったりと考えながら、取り組めたと思います。

 最近の7月のような38度にもなると、昼間には歩くことはできないのですが、4月、5月、6月の爽やかな頃には、午前中の講義の後、京都のどこかを歩いてから帰るようにしていました。墨染から琵琶湖疎水(鴨川運河)に沿って京都へ向かったり、大和街道、竹田街道を通って、伏見稲荷、東福寺、五条へと歩いたりしました。また、墨染から電車に乗って、四条や三条で降りて、鴨川の遊歩道を出町柳へ何度も歩くことができました。観光地へ行く目的ではなくて、どんな植物が咲いているのかを、写真を撮りながら歩くのが中心でした。体調的にとても元気な時は、京都三条から山科までの東海道を歩いたり、叡山電鉄を使って、比叡山の麓周辺を歩いたりしました。墨染から南の淀へと歩いたこともありました。また、ちょうど大学の講義の日に大阪北部地震があり、電車が止まってしまったので、歩いて枚方まで帰るということもしました。京都の大学へ行っていたおかげで、京阪線沿いの道には詳しくなりました。

 最後の講義の7月30日も、36度ほどになる高温の日でしたが、定期的に京都へ行く最後の日なので思い切って歩いてみる事にしました。何度も歩きなれた鴨川沿い西側の遊歩道を、神宮丸太町から出町柳まで、短い距離ですが歩きました。これまでは、比較的草が良く生えている水ぎわの道を歩いていたのですが、今日はとても暑いので、水ぎわとは違って、建物ぎわを歩くことにしました。そこには木がたくさん植えられていて、日陰の道になっていました。これまで気付かなかった散歩道でした。何度も歩いていても、知らないことがあるものです。

 新しく見つけた遊歩道には、センダンの木があって、今の季節は、緑色の実が見られました。センダンは、冬になって黄色い実がぶら下がって初めてセンダンだと気づく木でしたが、春の紫色の花、夏の緑色の実を見たことで、センダンの四季変化が分かってきました。また、クサギの花を初めて見ました。クサギも、秋になると特徴的な実ができるので、その時期にだけクサギの木だと識別できるのですが、今回、花を確認することができました。さらにムクノキが、出町柳の駅の近くにありました。説明板がついていたことで、ムクノキと分かりました。「10月ごろに果実は黒く熟し、干し柿に似た味で食べられる。ムクドリなどの鳥が好んで食べて種子を運ぶので、町中でも道端や駐車場の隅など、エノキと同様勝手に生えてくることが多い。ニレ科ムクノキ属」と、書かれていました。

 暑くても、日陰の道なら歩けることがわかりました。歩くと数種でも、新しい発見があります。カメラを持って出歩くこと、大切だなと思いました。自称ウォーカー、暑さに負けていてはいけません。今日で、京都の大学の講義を辞退して、さらにフリーの自然観察者に一歩近づきました。最近、この歳になって初めて、鴨長明の「方丈記」の全文を読みました。京都の街外れの山中(日野)に方丈を建てて暮らし始めた鴨長明の気持ちに、共鳴するところがありました。

 

 

▼ボクシング協会の会長に不正があると、マスコミは賑やかになっている。アメリカンフットボールの監督と同じような、独裁の世界のひずみのようだ。(8月1日)

▼火星が15年ぶりに地球に最接近していて、あちこちで観察会をしている。砂嵐が起こっているので、模様が見えないらしい。

▼晴歩雨読のストックがさらに少なくなってきた。もうすぐ、翌日に掲載する日記になりそう。