100号に近づくと思うと 2018年7月3日(火)

 

 若いころから、学級だよりを、年間100号まで出そうと目標を持って書き続けてきたのですが、毎年80号ぐらいで終わってしまっていました。授業日は年間200日ほどあるので、二日に1枚、週に2~3枚書けばよいというペースです。1学期、2学期は、調子よく書き続けるのですが、3学期になると、学年末の反省や次年度計画、研修のまとめ、自分の属している研究会のまとめと、報告書類を書く仕事が重なり、学級だよりを書く時間がなくなります。ほぼ毎年、100号を目前にして100号越えを挫折してきました。

 学年だより、また、理科だよりは、週に1回、必ず月曜日に出すと決めていたので、これは、土日に書くようにしてきました。年間で40号ほどになります。子ども達が1年の入学から6年生の卒業まで毎週書き続けた学年だより「まほろば」は、6年間を通してお便り番号を付けたので、6年卒業おめでとうのお便りは250号目になりました。また、理科専科教諭をしている時の理科便りも、6年間、毎週月曜日に出し続けることができました。こぎつね小に赴任してからのこれらのお便りの全ては、「きつねTのこぎつねだより」のブログに整理することができています。長い年月をかけて書き続けた、かけがえのない記録になっています。

 晴歩雨読も、そろそろ100号が目前になってきました。今週中には、100号目を書きたいと思っています。001という三桁の番号をつけて書き始めて、あと3枚で三桁に到達します。少し前の号に晴歩雨読の書き始めからのテーマを整理した時に、これまでの経過が整理できています。最初から不定期に書いてきていたのですが、さらに、全く書けない時期もありました。それでも、100号が目前になりました。もうすぐ、大学の資料作りが終わるので、これからは続けて書くことができると思います。テーマに行き詰まり困ることもあるかもしれませんが、毎日、晴歩雨読を書くためになんらかの行動をする、というような生活を心がけたいと思います。パソコンが使える間は書き続けて、目標は999号です。毎日書けば3年後に到達するのですが、それはとても無理です。たぶん3倍の10年ほどかかります。これから10年間、いったい何をしているのでしょう。その記録が、晴歩雨読です。楽しみです。

 

 今日は、京都大学を首席で卒業したG君に、手紙を書きました。母から頂いた手紙への返事です。G君の素晴らしい活躍が紹介されていました。

 

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 お手紙ありがとうございました。とっても嬉しいお便りです。幼い頃にかかわりを持つことができた子ども達が、活躍されている姿を知ることは、本当に教師をしていて一番の楽しみです。

 G君の低学年の頃は、とても元気のある、また、いろいろな方面で感性の高いお子さんでした。その頃の学級では、朝の元気調べをしたり、奈良さんぽをしたり、劇を創ったりと、今思い出しても、わくわくするような楽しい学びの日々の連続でした。その中で、生き生きと活躍されていました。

 今、手元にパソコンで描いたカルタを広げて見ているのですが、G君のカルタは、いろいろな虫がカラフルな色を使って詳しく表現されています。カマキリ、ゾウムシ、バッタ、セミ、アカトンボ、チョウなど、虫をよく見て表現されています。

 また、パソコンには、1999年の1年生からのデータが残っています。その頃は、マックを使っていたので、現在使っているWindowsではテキストファイル以外は開くことが出来ないのですが、子ども達の生き生きとした姿が読み取れる元気調べや日記の記録などがあります。たまたま開いたファイルの中から二編、拾い出してみました。

 

■1年 1999年10月22日

 今日、もう一回ドングリこうえんにいって、虫をとった。とれた虫のながさをはかってみると、アシグロツユムシは3㎝で、ミツギリゾウムシは1㎝だ。アシグロツユムシは、葉の下でガシャガシャとなく。ミツギリツユムシはおちばをたべる。
■3年 2001年11月13日

 今日、学校に行くとき、ダイサギとコサギとアオサギを、富雄川で見つけました。コサギが魚をつかまえました。すると、アオサギがよってきて、けんかになりました。けれど、その魚は、コサギのものになっていました。

 

 1年生の頃から、自然が大好き、それも詳しく昆虫を見ることのできるお子さんです。3年生では、サギのことを発表していますが、サギの種類をきちんと見分けて話を展開されています。幼い頃から、科学的な見方が育っていたことが分かります。G君をはじめ、元気な男の子の多い学級でした。I君、K君、F君、Y君、O君、T君 ・・みんなの名前を挙げだすと思い出で一杯になってきます。そこにさらに、几帳面で元気な女の子たちが絡んできて、小さな宝石がきらめき合っているような学級の子ども達でした。何よりも、パワフルなお母さん方に支えられていました。

 日々の学習は、子ども達と精一杯の時間を過ごしているので、授業のビデオ記録はあまりないのですが、劇のビデオは残っています。元気いっぱいの子ども達の姿がそこにはあります。

 

 《 こぎつね 奈良さんぽ 》

♪春風にふかれて   こぎつね コンコン
今日は奈良へさんぽです

みんなであげよう鹿せんべい
礼儀正しくおじぎする
小さなかわいいバンビたち
オス鹿さんは  こわそうだ

みどりの公園  ひびくなきごえ
鹿の上で お日様 笑う
記録の紙を食べられた

楽しい  楽しい  奈良さんぽ

 

♪おべんとう リュックに  こぎつね コンコン
今日は 大仏さんぽです

とても大きい大仏さま
後ろに小さな十二仏
ぐるっと一周回ってみると
大仏殿は  大きいな

千二百年のやさしい お顔
森本さんにお話聞いた
みんなで 手のひら のりたいな

鼻の穴 とおった  奈良さんぽ

   (この後、延々20番ぐらいまであります)

 

 京都大学を主席で卒業されたというのは、本当にすごい人だと思います。こんなすごい人の子どもの頃の時間を一緒に過ごさせてもらっていたとは、とても光栄です。本当にありがとう。また、私が丁度、あればいいなと思っていた、虫や花や鳥の名前を調べることができるパソコンソフトを開発していると知り、さらに嬉しく思っています。小学校を副校長で終えてから、こぎつね幼稚園で自然担当のきつね先生として、非常勤で園児と一緒に遊んでいます。毎日、虫取りと花調べの、幸せな日々です。園児たちと見つけた虫や花は、ブログ「こぎつねさんぽに出かけよう」にアップしていっています。一度覗いてみてください。その時、名前を調べるのにいつも苦労をします。G君が、その願いを叶えてくれそうなので嬉しいです。最近の温暖化と、外国からの流入により、新しい植物や昆虫が、どんどん日本に入ってきて分布を広げています。本になっている少し前の図鑑では調べられなくて、最近では、ネットで調べてから図鑑を使っています。

 この開発されたソフトは、まだガラケイを使っている(iPadは使っている)私には使えないかもしれませんが、本当に楽しみです。幼稚園の子ども達、その保護者でも、正確な虫や花の名前を調べることができるので、より詳しく自然に興味を持って学びを深めることができると思います。将棋界の藤井君が、パソコンの棋譜を使って学んでいてその天才性を発揮しています。自然科学でも、データベースを簡単に検索できると、自然科学の世界にも幼い天才を支援することができるのかもしれません。本当に次世代の教育を構築していくツールです。

 さらにこのソフトは、宿題のプリントの算数問題、社会科の問題をパソコンに見せるだけで、解法を検索してくれるようにもなる可能性もありますね。学校の先生は、「パソコンに宿題をしてもらってはいけませんよ」と、言わなくてはいけない時代になってきそうですが、これは、嬉しい期待です。話し言葉による対話型のパソコンの使い方が始まった現在、さらに、影像を使った対話型の時代にもなってきているのでしょう。その最先端を、G君の会社が走ってください。こぎつねさんぽの時以上に、わくわくします。理科の教科書の筆者をしているのですが、教科書会社もそのソフトが欲しいと思います。期待しています。

 テレビの紹介番組を見ていなかったので、DVDを送ってくださってありがたかったです。時代に取り残されるところでした。日本の宝として活躍している姿に、とっても嬉しく思います。日々競争の熾烈な業界でしょうが、世界をリードする開発を願っています。

 最後になりましが、今後のG君のご発展、ご活躍、そして、それを支えておられるお父様、お母様のご健康ご多幸をお祈り申し上げます。