アクティブラーニング 2018年6月12日(火)
大学の講義を、アクティブラーニングの形式で進めようといろいろ工夫をしています。今回は、机ごとの11グループで学び合いをする場合と、大きく3つに分けて学び合う場合の二通りの活動をしてみました。
前回「ふりこの振れる規則性調べ」をグループ実験して、それぞれにレポートを書いてもらいました。今回は違うメンバーで11グループを組み直し、前回の班で取り組んだ実験の様子や、個人が工夫して書いてきたレポートを、新たな仲間に発表をしてもらいました。前の班で取り組んだ実験の様子を、違う班のメンバーに伝えることができたことは、取り組みの交流になり、とてもよかったと思いました。個人の実験ではなくて、班の協力体制で取り組んで得たデータなので、少し自信を持って発表ができたのではないかと思います。
班で発表するときは、発表者、司会者、レポートを持ってあげる人と、分担を交代しながら進めるように伝えました。レポート発表が終わると、司会が聞いていた人達に、おたずねや、感想を言ってもらうような学び合いをしてもらいました。上手に班で、学び合いが進められているところが多くありました。私も、班を巡回して聞きながら、グラフの書き方について、少しアドバイスをしました。今回のレポートのテーマは、条件制御しながら実験をし、結果を表とグラフで表現するというものです。上手にグラフ化できている人と、縦軸横軸のメモリの打ち方に、課題がある人があり、机間巡視で少し問題提示をすることができました。
次に、全体を大きく3つに分けて、小学校の子ども達がかつて書いたレポートを部屋の3か所に分けて貼り、分かれてレポート見て、全員が一人ひとつ意見を言うような活動を提案してみました。ここにも司会者を一人立てて、上手に全員から意見を言ってもらうように進めてもらいました。十数人が、一人ひとこと意見を言うと、かなり多面的な見方や考えが提案されてきます。小学校の3年「チョウの幼虫の成長」、5年「台風調べ」、「家の近くの川調べ」、6年「生活の中の酸アルカリ調べ」、「発電・発熱・コンデンサーの学習のまとめ」、「奈良の地層調べ」など、子ども達が書いたレポートと、自分たちが書いたレポートも思い出しながら、レポートの書き方、書かせ方、レポート学習の良さについて考えてもらいました。
アクティブラーニングは、全員が動きながら活動することができます。先生になるという条件が学生にあるので、学生は教師になってからの、先生の動き、子どもの動きを想定して進めてくれていると思います。司会をしたり、コメントを言ったり、おたずねをしたりと、学級の学習活動の動きを学んでもらうようにします。班での話し合いは、小さな授業の進行です。司会は、先生役の練習です。コメントは、先生が児童の作品を見た時の声掛けの練習です。学校は、子ども達のやる気を育て、個性を育てる場所です。子ども達の作品のよさを見出して、褒めて、やる気と個性を育てる事が大切です。みんなで認め合って、学び合うことが大切だと考えます。
アクティブラーニングの学習は、活動的な学生にはよいのですが、動きのある学習がいやな学生は、行動させられてしまうので、プレッシャーになるようです。意見を言うのがいや、みんなと一緒に話し合うのがいや、行動をするのがいやな学生は、ちょっと大変だと思います。静かに座学で学ばせてと、言いたくなるのでしょう。しかし、先生になる学生なので、いやというのでは困ります。子ども達と楽しい学習を進めるには、まず自分が行動し、子どもと一緒に活動することが、スタートにあります。
実は、私も、大勢のみんなと行動するのはいやなタイプなのですが、子どもに育てられ、学校のいろいろな研究会に育てられ、大きな会場で数百人相手に講演もしてきました。しかし、基本的には、みんなの前で話すことはきらいです。歩いたり、本を読んだり、文章を書いたりするのが好きです。きらいなことでも、だんだん慣らされていく、育てられていくこともあるのだと、人生を振り返り思いました。