本を読むこと 2018年6月4日(月)

 

 大学生に、本を読むように言い続けています。年間100冊めざして、読んでみようということです。

 懸命に本を読んだ時期があります。大学生の頃、電車通学が片道2時間もかかり、さらに3回生からの大学の研究室が友達と違う場所にあったので2年間その移動もあり、片手に本をずっと持った生活をしていました。毎日、何時間も読んでいました。文庫本ではすぐに読み終えてしまうので、軽いソフトカバーの文学全集(人別のもの)を持ち歩いて、夏目漱石、川端康成、太宰治、芥川龍之介、佐藤春夫、森鴎外、幸田露伴、幸田文・・・などなど、文学史で有名な方々の作品を網羅的に読みました。一人の人が書いた作品を、いくつも続けて読んでいたので、例えば、夏目漱石の作品などは、ほとんど記憶が混じってしまって、どの作品に、どんな登場人物だったのか、全く分からなくなってしまうというような状況でした。日本の主な人の作品を読み終えると、次は外国の有名な作家の作品も読みました。

 卒業してから、最初に就職した科学教育研究所には、4年間いました。その時には、教育書を読みました。毎日、研究所に朝早く行き、9時までずっと読書をしました。また勤務時間中にも、講習会のテキストを作る時期には理科教育や科学の本をたくさん読み、資料作りをしました。小学校の先生のように家に持って帰る仕事はありませんでしたので、夜や土日は、家でも本を読むという生活ができました。4年間の研究所生活が終わる時、研究室に個人で買い込んだ本が何百冊とあり、引っ越しがとっても大変だったことを思い出します。

 大学と研究所の8年間、読書生活をしていたので、かなりの量の読書ができました。おそらく1000~1500冊以上は読んだと思います。とてもいい時期に、いろいろな本を読めたと思います。小学校の先生になってからも、読んでいたのですが、平日は教材研究やお便り書きに時間がかかるので、多くは長期休みに読むようになりました。例えば夏休み前の7月ごろから本を買い始めて机の横に積んでいき、休みになると一気に本を読むというようにしていました。夏休み、冬休み、春休みです。大学と研究所の8年間には到底及ばない、ささやかな読書量ですが、それでも年間数十冊は読んでいたのではないかと思います。

 堺の小学校に12年間いて、奈良の小学校には22年間通勤しました。堺市から電車で通勤するので、片道1時間半、往復で3時間ほどもあるので、毎日読書ができました。また、出張も多くあったので、その行き帰りにも本が読めました。奈良の小学校へ行ってからは、堺市の小学校の頃より読書量がずっと増えました。電車通勤は、読書にはとてもいいものです。家ではなかなか読めないのですが、電車では読めるのです。

 つい最近の事ですが、時間に少しゆとりができたので、本の記録を始めました。これまでも、読んだ本の書名と著者だけを手帳に書いていたのですが、今回は、小さな「読書ノート」を作って、印象に残っている文章を一か所か二か所、書き出すようにしました。これは、まだあまり進んでいないので、いつまで続くか少し心配です。でも、書き出す良さも見えてきたので、「読書ノート」の記録を、続けていこうと思います。文章を本から書き出すようになってから、その内容を具体的に思い出すことができ、筆者の文体を学ぶこともできます。小さなノートの1ページ以内で書いているので、書く量は少しです。これなら、もしかしたら続きそうです。

 さらに、来年から、大学の講義を全て終えようと思っているので、英語の本を、毎日少しだけ読むようにしたいと思っています。今さらとは思うのですが、毎日の2時間歩きの記録「さんぽノート」が続いていて、その積み上げは、とても成果があることが分かっています。続けることは、とても大切だと思うようになりました。英語の本の読書は、毎日1時間以内、数行でも、英語の本を少しずつ読み進めて、数年続けて簡単な子どもの本ぐらいは、読めるようになりたいという思いを持っています。来年からは、大学の資料を作らなくてよいので、その時間を当てることができます。そして、英語から離れないことが、海外旅行へとつながるといいなと思います。「英語ノート」をつくって、書きながら、読みながら、楽しみながら進めたいと思います。