こぎつね教育研究所だより 2018年3月3日(土)

 

 自分の記録を持つということは、自分の研究、自分の作品作りを進めることにつながります。オリジナルの記録を持つように生活をしたいと思います。これまでは、ブログに日付が入るので、特に写真に日付を入れなかったのですが、虫や花の写真には、日付と場所を書くようにすることが大切だと思うようになりました。そうすると、自分で撮った写真がデータになります。その場所、その時期に、その花や虫が見られたということです。事実の記録になります。 

 また、歩いた時のさんぽ記録にも、日時と場所を書き、その時の見たこと、感想、これから見たい事なども書いていくと、記録になります。さらに距離、歩いた時間、天気、気温も書いておくと、それは、自分にとって公式記録となり、次からは、そのデータを引用して使えるようになります。学会論文という仕組みも、以前の記録の上に、継ぎ足していき、新しい考えを創っていくようになっていると思います。私は、こぎつね研究所で、記録を積み上げていくようにしていきたいと思います。自分の記録に番号を付けて、その番号を積み上げ、つないでいくことで、構造化していくようにしていきます。同じことを何度もしてしまわないようにするためにも、日付と番号が大事です。今は、「さんぽの記録」と、この「晴歩雨読の記録」に、番号と日付を付けています。ブログの写真記録には、今日から、場所と日時を入れます。

 教師をしている時の日々の授業の記録は、全て自分の記録であって、インターネットや本からコピーしてきたものではありません。発した言葉、子ども達の言葉や行動のすべてが、その時創られた新たな事実なので、それを記録することで、教育の研究をしていたことになります。

教育現場から離れて、例えば道を歩いて、出会ったものや見つけたものを、自分の言葉で記録することも、自分が作り出した記録になります。出会った日、場所、そして、それを表現する言葉は、個人のオリジナルな記録です。これらを積み上げることで、自分ならではの記録の蓄積となり、趣味の研究の第一歩になると考えています。さらに、記録のめあてがしっかりしていると、個々の記録の中に一貫する何かが見えてきて、そのつながりが研究の結果として表現できると思います。記録には、「めあて」が大切です。どんなテーマで記録をしていくのかを、最初に考えてみることです。しかし、まったく初めての取り組みの時は、それは、日記のように、見たことや出会ったことを、ランダムに書き留めていくことから始まるのかもしれません。テーマを見つけるまでに、少し時間がかかります。とても多くの時間がかかる場合もあり、取り止めもないもので終わることもあります。とりあえず、小さなテーマを立てて、それに向けて記録をしてみることが大切なのでしょう。小さなテーマでしばらく続けて、どんどんテーマを変更していくことがよいのでしょう。

 ブログ「きつねTのこぎつねだより」に、もう少しで、これまで自分自身が書いてきたお便りや学習研究誌や大学のテキストの記録をほぼ終えます。これまで書いた文章の殆どを整理して掲載することができました。次は、この晴歩雨読の記録を載せることにします。大学のテキストのアップが3月中に終わるので、4月には晴歩雨読001から整理をしながら毎日載せていきます。おそらく、夏休みごろまでには、その時書いている晴歩雨読に追いつくのではないかと思います。そうなると、考えながら、書きながら、記録をしていくことになります。自分の考えを、リアルタイムで番号を付けながら、毎日載せていくことになり、とてもスリリングで、また、面白そうです。

 自分の記録は、自分の頭から出てきた言葉で表現します。そのためには、適切な言葉や表現方法を身に付けるようにしなければなりません。文学者の表現、自然研究者の表現が、参考になると思います。目で見たもの、感じたこと、考えたことを、文章で表現することは、とても難しいものです。それを文字に記録するためには、本を読み、表現を学び続けることが大切です。また、客観的な数字や、絵や、写真でも表現しますが、それらも、その数字や絵や写真から何を読み取るのか、また、何を表現しているのかというのは、やはり文字で表現しておく必要があります。文章力、語彙力、知識が合わさって、よい記録ができていくのでしょう。

 中野重治さんが書いている文章の中に、「我々は、とかくこれまであった何かから出発しがちになる。だれだれがこう言った、どこやらにこう書いてある。そこでというので、それに結び付けて、自分のわずかの思いつきを語ろうとする。天才たちはそうしない。・・赤児のように、だだっ子のように、横紙やぶりのようにして彼らは、問題を取り出してくる。」とあります。天才とは、こういう所がすごいので天才なのですね。天才のように書くのは難しいので、だだっ子のように問題を取り出して書いてみたいと思います。

今、突然思った事なのですが、・・・

 これまで(晴歩雨読001〜059)は読んでもらえる対象をあまり考えないで書いていますが、もしかしたら、この晴歩雨読を子ども向けにしていくと、教育貢献にもなるのかもしれません。001からネットに載せていく時、子ども向けに書き直していくことで、晴歩雨読は、子どもの読み物として書き進められるかも・・。小学校の中学年から高学年の子どもが読めるような、子ども向け雑誌の編集をするように書き進められると面白いのかもしれない。大人向けと考えないで、子ども向けがよいかも・・・・。あまり分量も多くしないで、一気に読める程度に書き直してみようかな。 

 これまでのことで考えると、学年便りや理科便りなどのおたよりは、子どもも読めるように考えていました。高学年でも、お便りをとても楽しみにしてくれていた子どももいました。学習研究誌の文章は、先生向けと言うよりも親向けに書いてきていました。晴歩雨読は、これからは、こぎつね研究所のネット教育を目指して、こども向けに書くと、自分のこれまでの仕事の延長線上に、これからの楽しみが持ち続けられるのではないかと思えてきました。年寄りが、誰にも迷惑をかけない、ライフワークになると思います。書くには、教科書作りの経験も生かせるし、もう一度、いろいろ教育の事も考えてみることができるし、自由研究もしてみたいし、子どもにも学習に興味を持ってもらえることができるかもしれない。書き続ける目的、書き続けるめあてが、持てそうです。

 かつて、こぎつね附属小が大正時代に、子どもに向けて書いていた学習雑誌の復活を目指したらよいのかもしれません。これまでずっと雑誌を作りたいと思ってきたので、子ども雑誌をめざすのは、書き続けるモチベーションに繋がります。対象を子ども、そして保護者も読めるように書く。こぎつね研究所(幼〜大学院)のネット教育を目指せるかもしれません。

 ということで、001からの晴歩雨読を、4月からブログに載せていくための作業に入ります。「こぎつね研究所」のお便りとして、子ども達に読んでもらえるような文体で書き直し始めることにしました。書いた日付は、もともと書いた日付にしておいても、内容はかなり書き直します。教育雑誌「こぎつね」の執筆、編集だと考えて、楽しみたいと思います。日日新聞、日日通信として、こぎつね教育研究所から、発信していくように試みをしてみます。