ブログ記録を教育に活用するには 2016年11月27日(日)

 

 最近のテレビを見ていると、ボールペン、サンドイッチ、コンビニアイス、手作り弁当、ラーメン、ショートケーキ、サイダー、プラモデル、電車など、一つのことにこだわって、そればかりの写真や記録を集めている人がおられます。昔からこだわりの人はいますが、最近は、ブログなどに写真入りで日々記録を発信していけるので、一年、二年と続けていると、積み重なってかなりの量の記録が多くの人に見える形になります。そして、それらがテレビで取り上げられ、さらに本にまとめられて、ブームになることがあります。毎日の小さな積み重ねが、大きな記録になる、よい方法だと思いました。かつて、インターネットで、毎日少しずつ小説を書いていき、それに読者がつき、さらに本になっていくというようなことも聞いたことがあります。もちろん、最近の若者の日記は、ほとんど写真付きで、記録されているのでしょう。

 今、幼稚園で取り組んでいる生き物の記録は、このような一つのテーマで記録するブログに相当しそうです。毎日、5~10に近い記録を積み重ねているので、かなりの記録となっています。これが仕事時間にできるのは、とても幸せなことです。また、写真に合わせて、文章も少し書いているので、それらを集めると「こぎつね生き物日記」になります。初冬になって、生き物の記録は夏より少なくなったので、5月からのブログ記録の中の生き物の写真だけを、日にちと生き物の名前を書いて取り出して並べてみました。10月末まででA4用紙に60枚にもなりました。まるでこぎつね幼稚園の生き物図鑑みたいになりました。また、写真に、文章を入れていくと、100ページを超えるものになりそうです。生き物との交流を書いた「こぎつね物語」にもなると思います。冬休みの課題にしたいと考えました。

 歩きの記録(きつねさんぽ)も、このように記録をしていくとよいのですが、まだ、時間的なゆとりがなくてできていません。これからは、全体を詳しく記録できなくても、写真1枚、歩いたコース、短いコメントだけでも残していきたいと思いました。ブログに残していると、あとで、日付順に拾っていくことがとても簡単なことが分かりました。紙に書いて残しているよりも確実に残っていくように思います。歩き記録では、生き物または植物の写真を載せるようにしていきたいと考えます。観光地写真よりも、生き物や植物、岩石など、自然のものに限定していく方がよいと思います。生き物を見つけるための散歩ではありませんが、ブログの趣旨は、理科関係に限定した方が、見ている人が迷わないで見やすいでしょう。

 また、大学の講義なども、それをメインにしたブログ記録ではなくて、生き物、花をメインにして、そこにさりげなく授業をしたことなども書き込む方がよいように思ってきました。何か一つ、自然の発見をして写真を撮るようにしていきたいと思い立ちました。自然を集めることをメインにし、主題がぶれないブログにしたいと思います。「生き物のある風景」のブログを続けます。生き物の名前は、図鑑、ネットを使って調べています。正確さを気にしていると、間違っていることを教えてもらえることがあります。

 博物館で見たいろいろな自然に関した内容も、見学から時間が過ぎていても、写真や資料があるので、文章をつけて、掲載していくとよいように思います。理科の教育の基準で載せていきます。それには、容量を落としたり、明るさを調整したりした加工済の写真を、貯めておくようにします。博物館で得た知識は、このように、時間をかけて文章もしっかり書きながら、掲載していこうと考えました。

幼稚園のブログは、冬になるので、昆虫以外に植物も積極的に撮っていきたいと思います。まず、冬芽の写真から始めて、一年間の変化の写真が撮れると、よい資料となると思います。幼稚園にいる間に、虫、花図鑑と、こぎつね物語を作っていくようにします。毎週一回、お天気のよい日に、植物写真の日と決めて撮ると、連続的な変化の写真になると思います。

 このブログの整理と同じように、これまでに書いた論文やお便りの整理をしていきたいと考えます。学習研究誌や雑誌に書いた文章の記録に合わせて、学年だより、学級だよりも、きちんと一つのフォルダーに集めて、整理していくようにしたいと思い始めました。ページメーカーで書いたものは、どうするか、考えないといけません。文章だけのものだと、ワードに移し替えることが簡単ですが、絵や図の入ったものは、どうしましょう。これからの大学の講義は、資料の整理を進めながら、取り組みたいと思います。まずは、目次を作ることから始めなければいけません。6年間、持ち上がった時の学年の後、理科専科をしていました。そのときの理科だよりから整理を始めるのがよいかもしれません。理科だよりは、6年分あるので、A4で500ページ程あると思います。きちんと資料として使えるようにしたいです。

 さらに、これからの大学の講義に合わせて、毎回お便りを書くことで資料としていくこともできます。これは、ブログに毎日の記録を残していくように、毎回、必ず2枚書くことで、記録を積み重ねることができます。一期が終わると30ページの資料となります。特別活動、生活科、教職、それぞれ、冊子にしていくことができます。さらに、大学生の講義に、ブログを活用することができるかどうかも考えてみたいと思います。生活科の講義の場合は、理科的なことを関連させられるが、どのようにすればよいのでしょうか。これから、模索をしていきます。大学生も、自然と関連させながら教育を進めたいので、ブログを見る習慣をつけたいと思います。その中に、教育観を忍ばせて、ブログを通した教育の在り方を探ってみることも可能かもしれません。いま、幼稚園の保護者がブログを見てくれるような見方で、大学生も見てくれると、「こぎつね研究所」もアカデミックになっていくと考えます。

 教育は、日々の活動の記録をしていくのではなくて、記録や文章や状況を子どもと共有することで、教育の素材になります。膨大なデータを整理したり、先生のためだけの記録に時間を費やしすぎたりしてはいけないと思います。日々の記録データ自体が、子どもも親も見えるものであって、その記録が実践の結果としての積み上げになっていくようにするとよいのでしょう。子どもに使えないような、研究のためのデータをとるのに時間を費やすのは、教師のすべき活動ではありません。ということは、ブログの記録は、多くの人に開かれているので、世間から見守られ、監視されて、公開されたところでの教育であるともいえます。昔から考えていた、スイミングスクールのような教育がよいのではないかと思います。それは、保護者が常にガラス越しに見守る中で進められる教育だからです。ガラス張りの教育。これが、もしかしたら、注意深く書かれたブログで発信をする教育と似ていると思います。犯罪の目が常にある現在なので、個人情報には慎重に注意を図りながら、ガラス張りの教育を進めることは大切です。密室の教育は、よくありません。

 かつて、理科教育をしているとき、実験の結果などを写真記録として、ブログで発信しておけば、子どもたちは、ブログを見ることで、もう一度家で振り返りができると考えてきました。顕微鏡観察も、デジタルカメラで記録をしてあげておくと、家でじっくり図鑑と突き合わせて調べ直しができます。さらに、自分のデジタル記録の作成も可能であると考えていました。物の記録は、ブログ活用には向いています。作品やノートは、その人の著作権がかかわり、ブログ公開には向いていません。理科はその点、自然物を扱うことが多いので、ブログ向きです。虫や花から著作権を訴えられることはありません。この視点で、家と学びの場とをつなぐブログ発信の方向性を、これから探ってみたいと思います。まずは幼稚園教育から進めて、さらに大学教育の記録にも取り組みます。