読書とブログ発信 2016年6月6日(月)
文章を書き始めると読書ができなくなり、読書を始めると書くのが止まってしまいます。また、家の片づけを始めると歩かなくなり、歩くことに熱心になると片づけが進みません。小学校を退職してからの2か月の迷いのある生活の様子です。バランスよく取り組みながら自由な時間を楽しみたいと思っていても、何かをし始めると、ほかの事がすべて止まってしまいます。4月当初に、ひと月の目標を、①運動は合計50キロ歩くこと、②7冊以上読書(毎日100ページ)をすること、③月に1度以上は博物館に行くこと、④文章は一日A4で1枚は必ず書くこと、などと思っていますが、なかなか難しいことです。午前中は幼稚園に毎日行き、午後から大学の講義に、週2回行っています。午後からの大学は、負担がかなり大きいことが分かってきました。来年から減らして、もっと自由に活動をしたいと思います。
退職して一番やってみたかったのが、まずは読書でした。これまで買ってはいるが読めていない本をゆったりと読みたいというのが退職時の目標でした。しかし、その前に、職場から持ち帰った本や資料の整理と、机回りの整理と、本棚を使いやすくする作業があります。数年前に引っ越しをしてからずっと忙しくて、本棚は引っ越し時に仮に並べたままになっていました。本棚の前に荷物を置いたり、二重に本を並べたり、分類がまったくできていなかったりという状態でした。本棚の整理には、4月から5月の連休明けまでかかりました。まだ、完全には終わっていません。本の整理がよくないと、持っている本を二度買いしてしまうということになります。ある程度本を分類し、本棚の前に物を置かない状況にすると、本の背表紙を時々見ることができます。そうすると、持っている本の記憶が更新できるので、二度買いをしなくなります。また、我が家の本棚は古本屋の本棚からのベストセレクションなのだから、古本屋で本を買いたい衝動が少しはそこで満たされることにもなります。春休みに、階段下の窓際に、大きな本棚を手作りしました。たぶん800冊は入る大きなものです。これで、二重に置いていた本棚がすっきりして、全ての本の背表紙が生き生きしてきました。
これまで、引っ越しを何度もしてきていますが、その都度、古くからの資料をずっと持ち歩いてきました。出張先でもらう資料や冊子などは、時間をかけて作られていることを知っているので、捨てがたくて、整理してロッカーに入れて持ち運んできました。しかし、ついに、それを一気に捨てることにしました。というよりも、もう、古くなってしまって、いまさら見ることがないと思われるからです。自分が書いたこれまでのデジタルデータを整理し、さらに、これからしたいことに集中していくことが大切だと思う今日この頃です。
時間は前に比べて多くあるので、本はどんどん読めるかというとそうでもありません。目が疲れるし、眠くなるし。今、一番読書ができるのは、幼稚園に通う、朝の電車1時間と、学園前のスタバで1時間の、合計2時間です。この時間で本を毎日約100ページ読めることが分かってきました。午後から、また、夕方や夜も、小学校で教師をしている時よりずっと時間は自由ですが、なかなか読めるものでもありません。お風呂では毎日本を読むので、その勢いで、ふろ上がり30分ほどは本を読む時もあります。しかしそれも、家族との会話もしなければいけないので、家で本ばかり読んでいられません。読書の時間をどのように確保するのかは、人それぞれ、意外にむつかしいものです。ちなみに、最近、沢木耕太郎「深夜特急」3巻、司馬遼太郎「海の風景」2巻、奥本大三郎「ファーブル昆虫記」6巻など、朝の読書タイムに一気に続けて読んできました。
もう一つ、退職をしてから是非したかったことが、ブログで研究を発信することです。これまで、理科の専科教諭をしているとき、学校の理科の観察や実験結果をブログに載せたり、子どもの学習の参考になるような情報を発信したりして、家庭学習の支援にブログを活用してきました。しかし、主幹教諭・副校長の3年間は、学校の仕事がとても忙しくなり、まったく、発信ができていませんでした。また、何か校内で事故があった時、ブログなどをしているからだと、苦情を言われるネタになることが予想されました。退職後は、ブログでいろいろな発信をしながら理科研究生活をしたいと考えていると、丁度、幼稚園の自然の記録が、ブログに向いていることに気が付きました。
現在、幼稚園には、毎日午前中4時間勤務です。子どもの科学のお部屋(こぎつね研究室)の担当です。幼稚園の保護者が編集する冊子の自己紹介には、名前:きつね先生、担当:生き物がかり、好きな生き物:かわいいこぎつね、好きな食べ物:珈琲、としました。
4月の当初は、何をすべきか迷いながら過ごしていましたが、5月の連休の頃、「子どもが持ち込む生き物の記録をすることがよいのではないか」と考えました。幼稚園のホームページの更新も、幼稚園で働く一つの仕事にしていますが、ホームページで日々の理科活動を発信するのは無理なようです。そこで、これまで止まっていたブログに、①幼稚園の名前は絶対に出さない、②子どもの顔を映さない、という条件を自分で決めて、生き物を中心に掲載していくことができるのではないかと思いました。5月の連休明けから、子どもの持ち込む生き物の写真を撮り、それに短いコメントをつけてブログに掲載していくことを始めました。最初は、続けられるのか自信がなかったので、保護者には伝えないで1か月試行しましたが、なんとか続けていける目途がつきました。そこで、幼稚園の保護者の役員さんに、ブログの名前(こぎつねさんぽに出かけよう)を、口コミで広めてもらうようにしました。生き物の持ち込みに熱心な、自然大好きの子どもと保護者は、直ぐに見てくれるようになり、ブログにわが子が持ち込んだ生き物が掲載されるのを楽しみにしてくれるようになってきました。短いコメントの中に、理科教育への誘いのような内容を盛り込むようにしました。これから一年間続けると、直接保護者とは話す機会は少ないけれど、ブログのコメントを通して、理科学習、科学教育へとつながる自然に関した教育が定着するのではないかと考えました。途中で挫折をしないように、続けていきたいと思います。これまでカメラにも興味を持っていて、写真撮影をしてきたので、その技術も生かせます。カメラは、数年前に買った、1㎝まで近づける接写ができるものを持っていました。これも、3年前に管理職になってからは、眠ったままになっていましたが、やっと、役に立つこととなりました。これまでの、ブログ、カメラ、理科教育、そして、図鑑、全てが関連してきている幼稚園の仕事が始まりました。
夏休みなど、子ども達が登園しない時は、私の幼稚園の仕事はお休みなので、自分の自然観察、実験観察の記録をやり直して、ブログで発信したいと考えています。昆虫や植物の名前をいま、園児と共に調べていて、毎日が新たな発見の連続です。小学校の理科教科書の観察や実験も、しっかりやり直して、データや写真記録を撮っていきたいと思います。これまで、子どもにはいろいろさせてはきましたが、自分が納得のいくまで、多様に、深く、条件を定めて、データを取ることができていませんでした。今からやり直しても遅くはありません。教科書の執筆もしているので、真剣に自分自身が実験や観察に挑戦してみたいと思いました。