こぎつね研究室の活動 2016年4月16日(土)
幼稚園の子ども達との活動が始まりました。朝、子ども達は8時45分〜9時の間に登園してきます。それから10時20分までの1時間20分が、子どもたちの自由な活動の時間です。園に来た子どもが荷物の整理をしてから、それぞれ興味のあることを始めます。
幼稚園のおやつ担当の職員さんが、「こぎつねけんきゅうしつ」の素敵な看板を作ってくれました。絵も文字もとても上手です。担任の先生がたは、私が何をするのか期待をしてくれていますが、何をすべきなのかまったく先が見えません。初日は、とりあえず、春の花がすぐに見られなくなるので、その写真記録をしておこうとカメラの準備をしました。春の花壇の植物の写真を撮りました。パンジー、チューリップ、ノースポール、アネモネ、ラッパスイセンの5種。春の野草は、実物を取って、ペットボトルに入れてみました。ナズナ、ハルノノゲシ、タンポポ、カラスノエンドウ、スズメノエンドウ、スイバ、ホトケノザの7種。年長組の子ども達に植物の名前を書いてもらいましたが、さすがに、まだ、文字をすらすら書ける子どもはあまりいません。
幼稚園の何人かの保護者と話をすると、昨年度の3月に、年中組の子ども達と散歩に行ったときに採集したホトケノザを、よく憶えていると言います。きちんと全員でした活動は、興味のない子も、覚えているようです。自由選択活動だけでなく、全員にかかわる活動も、これからしていかなければいけないと感じました。
I先生は、年長教室の支援の先生です。自然についてとても詳しい先生です。その先生が、エダナナフシの卵と幼虫を持ち込んできました。写真に撮って掲示をして、その前に実物の幼虫を置きました。子ども達は、自分が採集したり、持ち込んだりしたものには興味を示しますが、教師が持ち込んで置いてあるだけのものはあまり見ません。でも環境を整えていくと、それなりに理科の風景になるかもしれないので、とりあえず展示していくようにしました。
こぎつね研究室開設三日目ぐらいの朝の様子です。虫好きの子どもたちは、早速、こぎつね研究室にやってきて、虫やカエルやザリガニなどを見ています。きつね先生に、カマキリの卵を持ってくる子どももいました。モンシロチョウがタンポポの草原に次々に飛んでくるので、用務員さんに虫網を出してもらって、5〜6人の男の子が追いかけ始めました。上手に何匹も捕まえています。また、年長組の女の子2人が、粘土を一緒に取りに行ってほしいと言いにきます。女の子が近寄ってくるのは初めてなので、案内されながら園庭の一番隅っこのところに行きました。なぜそこに粘土があるのかは分かりませんが、地面を少し掘ると粘土が出てきました。バケツとスコップを持って行っているので、小さなバケツ半分ぐらいに掘り出した粘土を入れて、保育室近くまで戻りました。少し硬そうなので水を足して、こねていくことにしました。手を泥だらけにしながら、こねています。次に年中組の男の子が、ミミズを捕まえてと言いに来ました。昨日雨が降ったので、園庭の真ん中に、20㎝ぐらいもある大きなミミズが二匹います。なぜそんなところにいるのと思うような、草も何もない、園庭のど真ん中です。園児は、手でつかむのは躊躇していて、ふたを使って、飼育ケースになんとか入れました。ミミズは、砂まみれになっているので、少し水を入れると、くにゃくにゃ動いています。写真撮影をしました。その後、飼育ケースに入れたミミズを、園のいろいろな先生に見せに行って、最終的に飼育ケースに土を入れていたようでした。その後、ミミズ達は、どうなったのでしょうか。
10時20分になると園庭に音楽がかかり、子どもたちは、自由な活動の時間を終えてそれぞれの保育室に入って、おやつの時間となります。おやつを食べた後は、各部屋で担任の先生とお話をしたり、歌を歌ったり、工作をしたりと、保育室での活動を始めます。まだ、私は一週間もたっていないので、幼稚園の一日の生活が、どのような活動時間帯になっているのかよくわかりませんが、こぎつね研究室は、朝の1時間20分が、一番の活動時間であると分かってきました。
こぎつね研究室一週目の生き物たちのリストです。①トノサマガエル・アマガエル、②モンシロチョウ・アゲハチョウ、③オオムラサキの幼虫、④カマキリの卵・オオカマキリの卵・ハラビロカマキリの卵、⑤ダンゴムシ・ワラジムシ、⑥ニホンザリガニ、⑦ミミズ、⑧カゲロウ・ガガンボ、⑨バッタ(種類わからない)⑩ムカデ、ナメクジ、⑪テントウムシ、⑫トゲナナフシの卵・幼虫、などが見られました。
オオムラサキの幼虫は、近鉄新ノ口駅近くで40年に渡って飼育されている秋山さんに、30匹ほどいただきました。幼稚園のI先生は、3年前から飼育に挑戦されているが、1年目は貝殻虫にやられて、2年目はトカゲに食べられたそうです。今年は、ぜひ何匹か羽化させたいと言っておられました。一緒に頑張りたいと思いました。オオムラサキは日本の国蝶に指定されていて、日本を中心として、東アジアに分布しています。タテハチョウの仲間では最大級。オオムラサキは、エノキを食樹とする蝶で、冬には幼虫が木から下りてきて、枯葉の裏で越冬をするという習性を持っています。環境の変化についていくことが出来ず、数が減ってきています。冬の間に枯葉を掃除されると、オオムラサキの幼虫も気づかれずに一緒に処分されてしまうので、神社や公園などでは、繁殖しにくいようです。
カマキリの卵は、なぜが一気に3種類が集まってきました。昨年飼っていた飼育ケースのふたに産み付けられていた卵を持ってきたものが2種と、あと1種は家から持ってきたらしいです。どの子が持ってきたのか、まだ名前が分かりませんが、瞬時に3種類が揃うなんて、すごいことです。ハラビロカマキリの卵、カマキリの卵、オオカマキリの卵です。恐るべき、あなどれない、幼稚園児です。丁寧に対応していきながら、科学に親しむ子どもに育てていきたいと思いました。
寄ってくる子どもたちは、すごく虫マニアなのですが、寄ってこない子どもたちに、どのように知らせていけばよいのかが、これからの課題です。