特別活動の年間計画 2017年5月11日(木)
特別活動の学習内容と構造は、前回の学習で見渡せたと思います。そこで、今回は「こぎつね中学校」の1年~3年生の特別活動のカリキュラムを考えてみたいと思います。
小学校の場合は、各学級で時間割の変更をしながら、学習時間を弾力的に扱うことは可能ですが、中学校の場合は、教科専科制度を採っているので、簡単に時間割変更ができません。と言うことは、毎週、特別活動の時間があります。普通、特別活動の時間は、年間計画を立てられていて、学級、学年、学校全体など、どの単位の集団で活動するかということが、決められていると思います。
学校行事である、入学式や卒業式や遠足や宿泊学習の当日の時間は、特別活動の週1時間を使って行うものではありませんが、遠足や宿泊学習は、行くまでに計画や役割分担をしたり、準備をしたりする時間が必要です。また、入学式や卒業式などは、準備と練習などは、特別活動の時間です。当然、特別活動の時間だけでは足りない場合、臨時の時間割が組まれて、それらの行事に向けて、総合的な学習の時間などと組み合わせた取り組みをする場合もあります。役割分担がある場合は、朝や昼休みや放課後など、課外時間に分担された係が集まって話し合いをすることもあります。
次回の講義では、グループになり、文科省の示す特別活動の目標が、「こぎつね中学校」でバランスよく3年間で進められるようなカリキュラムを考えたいと思います。
①1年、2年、3年のそれぞれの学年を3学期に分けて9期と考え、特活の内容を、9期に大きく割り振ってみます。
②それぞれの活動には目標がありますから、その指導要領に書かれた目標を参考にしながら、9期それぞれの育てたいめあてを、書いてみましょう。こぎつね達が、9期に分けられた活動を進めていく上で、最終的に、どんな力を付けるのかを考え、カリキュラム構造図を考えます。
③特徴ある「こぎつね中学校」のカリキュラムを発表する。
■こぎつね中学校のカリキュラムを考える前に、公立の小学校で行った、学習活動を紹介しましょう。私が30歳前後で行った実践です。皆さんも、すぐに来る年齢なので参考になると思います。本学年は、4、5、6年生と、担任4人が揃って3年間持ち上がった時の取り組みです。皆さんがカリキュラムを書く中学3年間の一つ前の3年間、小学校高学年3年間の特別活動の実践ともいえます。このとき大切にしたことは、学級の担任によって学級格差が出ないように、学年で取り組む活動を中心としました。自分の学級に閉じこもって、自分の学級だけ目立つような特別な活動をすると、結果的に学年が乱れてしまいます。学級崩壊、学年崩壊と言われるような、子どもの心が乱れた状況になります。担任それぞれが、常に話し合いながら、学年みんなの子どもが育つように、協力して活動を創っていくことを目指しました。教師が本気で子どもを育てる努力をすると、子ども達はそれに答えて、成長するということです。
<前回の学習のおふりかえり>
KK・・朝の元気調べは、気づいたことや体験したことを話したりすることで、聞いてくれる人に伝えるということで「伝える力」が培われると思いました。また、聞いている人はメモを書いたり、メモとノートの違いに気づいたりでき、さらに振り返ることができると思いました。特別活動は、どのようなことがあるかを、白紙から作ってみました。分かりやすく作れるかが重要だと思いました。一番大きな目標を達成するために、基礎から積み上げていくと、よいと思いました。
YK・・朝の元気調べは、子ども達が自主的に発表するための学習に取り組んでいた。他の子どもの発表を真剣にメモに取り組んでいた。学習意欲がとてもすごかったので、特別活動を作っていくとこれほどの結果を生んだのだと思うと、良い経験だなと思う。
NE・・生徒一人一人に発言する機会を与え、聞いている生徒はメモをする。継続することで、書く力、メモをとる力、聞く力の3つの力を、効率的に身に付けることができるいい取り組みだと思った。
AR・・学習指導要領を初めて見て、自分が生徒だった時は全然意識していなかったけれど、特別活動にはこんなにも意味とか目的があったのかと初めて知った。特別活動には、社会に出て役に立つことがとても詰まっていて、例えば学級活動であれば、周りとのつながりが大事、生徒会活動であったら地域社会と関わることができて、とても大事だと思った。
HO・・特別活動が、どのような目標を持って、そのためにどのような活動をするのかなどを、より細かく知れた。元気調べでは、発表する前は緊張している子ども達が、自分の出番になると、自分のいいたいことをしっかり伝えられていた。これからの「コミュニケーション力」や、聞く側のメモを取っていて「書く力」を、養えるよい機会だと思った。
MZ・・特別活動は、学校や教師が主導を握るのではなくて、生徒に主導権を握らせることで、子どもが持つ力を引き出し、子ども達の力を成長させることができる大切な時間だと思った。学級便りを出すことによって、生徒により興味を持たせることができると思ったし、自己紹介などをここで済ませておくことによって、授業の時間を増すことができるから大切だと思った。生徒に自主運営させることは、生徒だけでなく教師の力も成長すると思った。週1時間の活動で教えることがたくさんあると思った。
YM・・特別活動は、今まで生徒主体のイメージがなかったけれど、ビデオやテキストの内容を見ると、特活は生徒が主体的に活動を行い、その中で自己実現を計っていくものだとわかった。特活をイメージ化するのはむつかしかったが、自分の中でも、特活がどのようなものであるか整理できてよかった。社会科だよりを、教師から発信することの大切さも分かった。
HO・・特別活動の目標について達成するために必要なことが多く存在し、週1時間の中に組み込み年間計画を立てるのは大変さを感じた。
NI・・特別活動を大きく3つに分け、そこから細かく分けることができ、つながるものがあるのが分かった。先生が教えるだけの詰め込み式な授業より生徒が主体的になる授業の方が生徒の力になる。
WR・・朝の元気調べの意味と価値を見出すことや、自分なりに文科省が定めた特別活動の意義や目標を果たすための方法等をイメージマップでまとめました。私も、小学校に通っていた時に、ビデオで見たようなアクティブラーニングの授業を受けてみたかったと思いました。そうすることで、人前で話すことの苦手な私が、少しは克服できたのではないかと思いました。