子どもが進める学習 2017年4月20日(木)
「子どもが自ら進める学習のよさ」とは、どんなことだと考えますか。教え込みの教育、聞くだけの教育と、どんな違いがあるのでしょう。
子どもが自ら進める学習によって、①見通しを持つ力、②意欲を持つ力、③個性的な育ち、④学び続ける力、⑤自立する力、などを身に付けると考えます。それぞれについて、もう少し詳しく考えていきましょう。どのように、そのような力を自覚させていくか、現場の経験から整理していきます。
① 見通しを持つ力
学習を自分で計画を立てて進めさせます。そのためには、教科書をもらったら、直ぐに全部読み通すように伝えます。また、新しい学習単元、例えば算数の「分数」、例えば国語の「ごんぎつね」に入ったときは、自分でその単元に取り組む時間(独自学習)を最初に2時間ほどとり、その学習単元について自分なりの見通しや、意見や、疑問点を持たせるようにします。また、問題集、漢字ドリルなどは、自分で計画的に進めさせるようにします。教師からは、今週中に、○○までしておくように伝え、自分で計画を持って取り組ませます。
②意欲を持つ力
独自学習を自らする習慣は、とても大切です。まず自分で取り組むことが、その人にとっての意欲を高めます。すぐに分かってしまわないことが、意欲を高める秘訣です。そして、取り組みの中でその人らしい個性的追究が始まったとき、指導者としては、その部分をほめるようにします。個性的追究が、その人らしさを表します。そこに、人は意欲を感じます。
③個性的な育ち
こぎつね小学校では、自由研究をしてきては、常に発表する時間を確保しています。自分で身の回りの疑問や詳しく調べたいことについて調べて、模造紙に書いて発表するという学びの文化があります。聞く人は、メモを取りながら聞き、おたずねをし、さらに、事前に資料を持ってきて突き合わせながら自由研究発表を聞くようになっていきます。辞書、参考書、図鑑などをそろえて、その発表に臨むようになります。
④学び続ける力
学習時間は、辞書や図鑑を常に手元に置いて、分からない時にすぐに調べながら学習をするようになります。さらに、教科書以外に参考書、関連図書なども持ちこみながら、学習に臨むようになります。教師の下手な授業、中途半端な知識より、ずっと高度で真剣な学習が進むようになります。教師は、聞いていてたまに議論の整理をする役目になり、学びは子ども達が創っていくようになります。この追究する力は、日記を書くときも反映するようになり、日記は、小さな論文のようになっていくこともあります。
⑤自立する力
学習は、先生に教えてもらうものではなく、自分たちで調べ合い、話し合い、深め合うものであることが楽しいとなると、学級がどんなテーマでも、ちょっと専門にしている誰かがすぐに反応して、その観点や視点がみんなに広がり、深めていくことができるようになっていきます。学びの高度なネットワークが育った学びの集団が成立してきます。個性的探究力がつながり、大きな研究組織のようになっていきます。ここで初めて、自立した個人が認められ、その子らしさの確認、個の自立が成立してくると思います。認め合い、学び合う、個性的探究の成立です。
<前回の学習のふりかえり>
IO・・自律的学習の必要性を強く感じた。なぜならば、今まで他律的教育を受けてきて、自分で考える力があまり養われていなかったと感じる。『学習原論』を読み、先生は控えめに生徒主体の教育をし、生徒に自ら進んで学習をする機会を作り、アクティブラーニングをするべきと考える。
KD・・人を紹介する時に、こういう話し方があるんだなと思うことができた。このように話せば人のことを覚えることができるんだと思った。落ち着いて、流暢に話したり、時には笑い話を入れたりするなど勉強になった。また、きつね先生の話も、子どもに名前を覚えてもらうために、あえて「キツネ」と呼ばしているのも、凄いテクニックだなと思った。
WR・・子どもにとって良い学校とは、従来の学習方法である他律的学習から、自律的学習に変え、子どもが主体的に学習できる環境が良い学校だ。よい学校を創るには、生徒が、主体的に学習ができるように、先生が生徒を支えるだけの資質を持つことが大切である。
MZ・・他人に教えてもらうより、自律的に学ぶ力を付けることが大切だと思った。何故なら、木下竹次さんの著書にもあるように「先生に教えらもらうより、学習する方がおもしろくて、力が伸びる」と私も思うからだ。自ら興味を持ち調べることは、学習を楽しくしてくれる。嫌々、先生や大人たちに教えてもらうより、楽しく学習した方が身に付きやすいと思った。
MD・・アクティブラーニングから気付いたことは「他の人の紹介をしようとすると、必要以上にその人の話をよく聴き、理解しようとする」ことである。自分の紹介よりも、他の人の紹介の方が気を配るようになる。こぎつね特活では、知りたい学習法がいくつか紹介されていた。木下先生の文章の中にもあったが、「先生は話さず子どもが話す」「先生が教えないで、子どもが自ら学ぶ」という言葉は印象的であった。先生は子どもたちの力を信じ、彼らが本来の意味での、伸び伸びとした姿勢で、学習ができるようにサポートする立場であることを理解しようと思った。生徒の個性をしっかり見つめ、個人の能力に合わせよ、さらに教師としての自分の力を理解するという考えから、教師自身がこの思いをきちんと理解し、行動に移すことができる教育現場が、よい学校と呼ばれるのではないかと思った。
MT・・アクティブラーニングで紹介してもらいましたが、紹介する人に自分のことを伝えるのは難しいことだ。こぎつね特活と、木下先生の文章を読んでいくと、教師が自分の力を過信して児童の邪魔のようなことをしているということに気付いた。学校現場の教育法は他律的学習を今まで当たり前だと思ったが、自律的学習法の良さを知り、自律的学習法を目指していきたいと思った。教師は、子どもそれぞれの学びを支えるということを意識していくと、学校自体がよくなると思う。
IW・・こぎつね特活では、子どもが自律的にすることで大きな学びをすることが分かりました。アクティブラーニングでは、グループワークすることにより、グループの人たちのことがよくわかりました。木下さんの著は、たしかにと思えることが多く、とても分かりやすかったです。子ども達のためになるには、自律的にやることが大切であり、これからそのような教育にすべきだと思いました。