学校の問題 2017年6月20日(火)
学校には、いろいろな問題が起こります。社会すべての親の子どもが来ているので、社会で起こるあらゆる事件が存在する可能性があります。社会の縮図と考えてもよいでしょう。その中で、子どもたちの育ちや幸せ、日本の将来の在り方などを考え、幼い子ども達の教育を考えます。
私たち教師にとって、学校の安全については、とても気を遣う問題です。神戸連続児童殺傷事件<1997年(平成9年)に兵庫県神戸市須磨区で発生した当時14歳の中学生(以下、「少年」と表記)による連続殺傷事件。別名『酒鬼薔薇事件』『酒鬼薔薇聖斗事件』とも呼ばれる。>、池田小学校の事件<2001年(平成13年)6月8日に大阪府池田市の大阪教育大学附属池田小学校で発生した小学生無差別殺傷事件>、奈良の楓ちゃん事件<2004年11月17日に奈良県奈良市で帰宅途中の小学校1年生の女子児童が誘拐の後に殺害・遺棄された誘拐殺人事件>、つい最近の千葉のリンさん誘拐殺害事件、本当に痛ましい事件が多くあります。
池田の事件後、校門のところには警備員が配置されたり、門に鍵をつけてインターホンで事務室と連絡をとってから鍵を開けるというようなシステムにしたり、保護者であっても、校内への出入りは自由にできなくなりました。不審者が校内に入ったという想定で、避難訓練も行うようになっています。
さらに、学校は、行事や活動の安全、食物アレルギー対応、熱中症対策、伝染病対応などに、昔よりずっと厳しく対応するようになっています。運動会の組み立て体操の問題、部活での体罰の問題、給食の食中毒やアレルギー対応の問題も、大きな社会問題になってきています。
①子どもの問題
・家庭の貧困問題
・不登校、引きこもり
・集団に適応できない子ども
・保護者が子どもを育てない
・いじめ、暴力、問題行動
・人権問題
②安全管理
・不審者からの学校の安全
・校内の建物、運動場の遊具など安全管理
・登校時、校区の安全対応
・火事、地震、津波の避難訓練
③食、健康の安全
・食中毒への対応
・アレルギー児童への対応
・感染症への対応
・学校医による定期的な子どもの検診
④先生の問題
・労働条件
・先生の精神的な問題、職場への不適応
・女生徒へのセクハラ問題
学校で起こるいろいろな問題は、文部科学省の対応、県や市の教育委員会レベルの研修、校内研修など、先生方は組織として学びを深めて、対応していくようにしています。みなさんも、現場に入った時、いろいろな事件や問題が起こりますが、一人で抱えて悩まないで、組織として対応しながら、複数の人たちの協力を得ながら、物事に対応するようにしてください。学年主任、生徒指導主任、校長・教頭先生に相談をする、また、そこから警察や、教育研究所の指導主事や、校医や保健所と相談をするなど、組織として対応しましょう。子どもの将来がかかっています。決して一人で対応することがないようにしてください。
<子どもを主体的に育てる10の秘訣を学んで>
▼OD・・今回を通じて、子ども達を主体的にするために大事だと思ったことは、学校生活を送る中で、「朝の会」「学習環境」「日直」などは、本当に意欲、主体性において、土台だと思いました。日々の積み重ねで、どれだけクラス全体として、質の高い基礎を磨けるかが大事だと思いました。そこから、「自由研究」や「独自テーマ」などで、より学びを深くできるのかが変わってくる。さらに、「板書」や「先生の話」が大事だと思いました。一つだけをこだわるのではなくて、いろいろなことにこだわり、それらを続けることです。(きつねT:毎日、自分達でできることを増やしていき、学校は自分達で学ぶところだ、自分達で進めることが大切なのだという気持ちを育ててください。それが、意欲です。)
▼NZ・・Tさんの発表を聞いて、今まであまり意識せずに自分が行ってきた、①学級共通問題、②グループ共通問題、③その子の問題、などを知ることができました。①学級共通問題では、僕は、子ども達みんなで取り組めることなので、とても良い事だと思ったし、みんなで取り組んでもらえるので達成感や楽しみが味わえるのではないかと思います。しかし、共通問題では、いやいやなっている子どももいると気づかされました。みんなが興味を持つのは難しいかもしれませんが、一つの問題に向き合えない授業は、とてももったいないと思います。そのため、②グループ共通問題があり、さらに、③個人問題があるんだと思いました。3つのことを、うまく使いこなしてこそ、素晴らしい授業が完成すると思いました。しかし、いつだって子ども主体ということを忘れずに、子ども達が行う、子ども達のための授業でなければならない。(きつねT:いろいろな教科の学習場面でも、この共通の問題、グループの問題、個人の問題を、活動によって使い分けます。全体学習、グループ学習、個人追究などと言われたりします。)
▼NI・・全てにおいて「子どものため」に考えられていることだと感じました。子どもの学習意欲を高めるため、子ども達が主体的に取り組む力を付けるため、教師はどのようなサポートができるのか。10の秘訣を全部読むと時間がかかり、やはり大変かなとテーマを見た段階では感じました。みんなの発表を聞いて、この10の方法はどうすることで、何が子どものためになるか、それが教師にとってどれだけ大切なことなのか、書かれているなと思いました。教師と子どもたちをつなぐ、10の秘訣でもあると感じました。そして、全てにおいて出てきたことは「ほめる」ということでした。子ども達の良い所を認め、ほめることで、意欲を引き出し、そこからつないで周りの子ども達の関心になり、学ぶ態度がよくなるということです。先日の、公開授業を見に言って、体育の授業でそれを深く実感しました。子ども達がいろいろな動きを工夫して、体を動かす授業でした。その中で、先生が個性を取り上げてほめる。それを見ている周りの子たちが、自分も認めてほしい、見てほしいとつながっていき、学んでいるなと思いました。協議会では、深い学びとしての「対話」という言葉が何度も出てきていて、特に、「自己内対話」という言葉が印象に残りました。自分自身と対話することで、より深い学びへと落とし込みができる。そして、できている子や、工夫している子をピックアップすることで、子ども同士の対話となる。
発表者がどうすれば聞き手を引き込んでいけるか。それを教育コース全体でも学んでいけたらいいなと思う。ただ、調べたことを話すだけでなく、「ここ!」というポイントをしっかり絞り込み、ゴールを設定した中で、進めていくことが大切だと感じた。(きつねT:あまりに上手に話が出来る先生は、ついつい、先生の話に子どもをひきつけてしまい、先生大好き、先生もっと話して、というようになります。洗脳になってしまわないように、気を付けないといけません。)
▼MM・・朝の会は、子どもが話せるような環境作りを行い、子どもが聞く事、話す事、書く事などの学習の土台を作る時間。自分の小学校の時は、ただ出欠確認をしているだけだけど、みんなの元気調べや自己発表をしていた。もっと、メモを取ったり、話したりできたのではないかと思ったので、自分も教師になった時は、朝の会を大切にしていきたいです。また、板書の書き方では、黒板は子どもの学習の道具として大きな役割を果たしているので、板書の書く位置や字をきれいに書く練習などをしたいと思います。(きつねT:三つの文章で話させます。時間のない時は、一人一文で話すとします。一つの文章は短く切る。前の人と違う内容で話す。先生も、必死になって聞く。特にすごいなと思ったときは、驚きの言葉を発する。私は、途中でおたずねは入れない方法で、朝の元気調べをしていました。)
▼FN・・今日の発表で思ったことは、朝の会について、私も小学校の時、朝の会をしていましたが、短い時間だったので20分は驚きました。先生が言ってくださっていたように、朝の学習よりも、子ども達が話せる朝の会にした方がいいと思いました。板書は、子ども達が見て分かるように書かないといけないと思いました。この授業を通して、メモを取ることが大切だと分かりました。それを継続したいと思います。(きつねT:全員が朝から何かを話すことで、子どもの元気状況が分かります。今日の学習に持ち込まれるいろいろなことが、この時間に発表されて、殆ど朝にすべての時間が始まるようになると本物の朝の会になってきている状況だと言えます。)
▼HT・・「子どもが主体となり、司会進行し生き生きとした活動力、幅の広い知識。」これを読んで、みんなが発表した1〜10の中に、たくさんのヒントがあると思いました。朝の会では、子ども達が挨拶〜先生のお話までを進めていて、私が通っていた学校は、朝読書だったなと思い出しました。朝読書と違って、子ども達が進めていく朝の会の方がよいなと思いました。なぜかというと、朝は眠いからです。緊張感をもって、自分達で一日の確認をして、声を出して、体を動かすことは、頭も起きます。授業前のウォーミングアップになっているからです。(きつねT:朝の会は、とてもいいです。最初の頃は、先生は黒板にメモを取りながら、朝の会を聞きます。そうすると、子ども達も、メモを取るようになります。)
▼NM・・今回、こうして自分でまとめてみると、そのテーマの大事なところがより詳しく理解でき、自分の勉強にもなったので、自分でまとめて発表することは、私にとってとても良い勉強になりました。また、それぞれ、朝の会、独自テーマ、板書、自由研究を聞いていて、どれもきちんと子どもが主役で育っていく、育てていくためのねらいがあることが分かり、私が教師という立場になった時に、どう生かしていくかを考え、勉学に励みたいと思いました。(きつねT:子どもが主役として、全部の学習時間を考えることができるかが、教師にとって課題です。教材研究はしっかりする、教えたいことも理解する、しかし、学習は子どもと相談しながら「どうする」と、たずねながら進めます。)
▼MS・・子どもが主体的に学ぶようになるには、朝の会から各学習まで、子どもが中心に進められ、自ら調べ学ぶ工夫が多くありました。私は、小、中学校ともに朝勉強と朝読書だったので、話し合うのがとても新鮮に思えました。教師になった時も、全校で朝読書が決められていたとしても、少し子ども達が話し合うような時間を持ちたいです。(きつねT:朝読書は、先生の朝の打ち合わせの時間、静かに教室に座らせておくのに、都合がいいです。私たちの学校では、先生の朝の打ち合わせがありませんので、朝の時間は、子どもと共に始めて、20分間の元気調べで、全員の子どもの今日の意気込みを互いに聞き合います。しかし、その学校の方針も大切なので、学級会とか、意見発表とか、学習導入のところなどに、全員の一言発表を使うことができますね。)
▼TS・・前半5つの発表を休んでしまったため聞けなかったのが残念ですが、後半の5つについてまとめたいと思います。すべて、子ども達自身が自分から学び、授業を自分たちの力で進めていくためには、どのようにすればよいのかが、書いてありました。そして、その生徒たちの学びをサポートするために、教師は様々なことを計画し、実行していかなければならないということが分かりました。それは、朝の会から、授業の終わりの時間まで、全ての時間を使って行われていくもので、子ども達の学びを支えていくということが簡単なことではないということが分かります。ですが、自分が現場に立った時、学びのサポートをしっかりとし、子ども達の学習を将来へとつなげていけるような教育になろうと、改めて決心することができました。これからも、大学の授業内の学習を自分の糧にできるよう、頑張りたいと思います。(きつねT:サポートするという感覚ではなくて、大きな環境を創り、その環境を維持するというような捉え方がいいかもしれません。池があります。オタマジャクシさんは足が出ましたか、メダカさんは卵が孵化しましたか、ヤゴさんはメダカさんを食べるのですか。などと、一人ひとりのサポートではなくて、それらの生き物が過ごしやすい環境を創ること、そしてその環境を保ち続けることが、先生の仕事です。何故なら、オタマジャクシにもメダカにもヤゴにも、自分で生きる力は備わっているのですが、その環境を創ることが出来ないからです。幼いころは特に、環境作りは全て先生の責任です。汚い水、腐ったものが漂っている水の中では、これらの生き物たちは、健やかに生きていけません。)
▼TY・・人に伝えるのがすごく難しいと思いました。自分ではわかっていても、人に分かりやすく理解してもらえるように伝えようとすると文がおかしくなってしまったりして、自分で何を言っているのかも分からなくなってしまいました。もっと事前からまとめて発表準備をしておかないといけないと思いました。レポートは、教科書をそのまま写すのではなくて、分かりやすく見やすく、自分なりにまとめられるようになりたいです。4人の発表を聞いて、それぞれ個性的であり、分かりやすいし、上手にレポートをまとめていて、すごいと思いました。先生という立場になるには、一つ一つのことに向き合いながら、積み重なっていくのだと思います。自由研究では、子どもの主体性を大事にしないといけないと思いました。まだまだ学習力や、人に伝えるということが全然できていないので、教育者になる上で、今回の調べ学習がすごく大事だと思いました。(きつねT:どこかで、自分の学習法に出会って、それをやり続けることが出来るようになります。自分の至らなさが分かっている人は、努力できます。前に紹介した本を読んだり、日記を書く習慣を持ったり、メモを取る力を付けたりしてください。)