学校と家庭をつなぐ 2017年5月16日(火)
家庭と学校をつなぐには、おたより、日記のコメント、連絡帳、学習ノート、育友会(学級懇談会)、個人面談、学習発表会などがあります。
おたよりは、この「こぎつねだより」もそうですが、子ども―保護者―先生の、三者をつなぐとても大切な連絡手段です。学習や行事や子どもの現状などを文字で伝え、それぞれが共通理解をするために発信します。学習のふりかえりなどを中心にしていくと、子どもの学習の積み上げや、今後の学習の方向性が見えるような、おたよりになります。日記などを中心に書いていくと、文集になります。自由研究の取り組みの次は、お便りを書く練習をしてみましょうね。きつねTは、新任2年目からのお便りを、全て残しています。学級だよりは、年間100号を目指して、毎年取り組んできました。二日に1枚のペースですね。昔は、手書きでしたが、30歳の頃にワープロになり、40歳の頃にコンピューターで書くようになりました。40年間で教育環境も大きく変化してきています。現在、幼稚園では、毎月のホームページの作成とブログ「こぎつねさんぽに出かけよう」で子どもと自然をテーマにした発信をしています。
日記のコメントは、子どもが書いてくる日記に、毎日、少しずつお返事を書くという活動です。これはとても大変です。私は、子どもに日記帳を二冊準備してもらい、一冊預かって、翌日返却するようにしていました。教師が返事を書き続けると、子どもは日記を書き続けます。子どもの日記は、充実していくように、教師の工夫が必要です。「いいことを見つけましたね。すこし、図鑑などでも調べて詳しく紹介してみてください。」「博物館へ行ったのですね。〇〇さんは、一番興味を持って見たのは何ですか。」「お母さんとお買い物に行って、最近気になる野菜はどんなものがありますか。」など、興味を広げるような、一行コメントを書いたり、その子の良さをほめたりします。
連絡帳は、子どもが学校の連絡を書いて帰るのですが、たまに、保護者からの連絡も、そこに書かれてきます。それにも返事を書く必要があります。先生はとても大変です。「今朝は熱があり・・・」「学校へ行くのを嫌がるのですが・・・」「先生の言葉に息子は傷ついています。・・・」など、連絡、クレーム、いろいろですが、平常心で短く簡潔に返事を書く必要があります。急ぎの場合は、電話で返事をすることもあります。
学習ノートは、全て、毎時間集めて目を通します。少し、コメントを書く時もありますが、量が多いので、見ているよという発信のために、見ましただけのしるしをつける場合が多いです。ふりかえりの部分を、お便りに転記するときもあります。最近は、お便りに載せたい「学習のふりかえり」は、デジタルカメラで撮影して、それを文字に書き直すようにします。コピーは手間で、費用もかかりますが、デジカメの場合は、撮影も早くでき、コンピューター上でテキストに書き直すのもコピーを見ながら打ち込むより早くできます。
学級育友会(学級懇談会)は、毎月あります。授業参観の後、保護者に残ってもらい、自分の教育方針、最近の子どもの様子、これからの活動などについて話をします。こぎつね小学校は、入学の条件として、毎回の学級育友会には、必ず参加することを約束してもらっていましたので、ほぼ全員が参加されます。そこで、1~2時間、保護者と話し合いをします。公立小学校では、残られるご家庭が学級によって違います。ほぼ全員が、懇談会があるのに帰ってしまう学級もあります。より多くの保護者に残ってもらう工夫をしましょう。学習中、行事、遊び時間などの写真やビデオなどを使って子どもの様子について話したり、子ども達のための例えば文集の表紙付けなどの作業をしてもらったり、また、子どもと一緒に製作などの活動をしたりするなど、いろいろ残ってもらう工夫が必要です。
個人面談は、学期に一度あります。子ども達の生活や学習などについて、短い時間ですが、保護者に伝えます。また、家での生活の様子を聞いたりします。基本的には、子どもが学校で頑張っているところを中心に、良いところを伝えるようにします。それぞれの子どもの良いところを見つけたメモを整理しておいて伝えてあげるようにすると、保護者はとても喜ばれます。学習面では、さらに頑張ってほしいところとその学習方法まで言ってあげるようにします。ドリルのチェック、テスト結果などの資料なども、整理してお話できるようにしておきます。家での子育てて困っていることを聞くのも、この面談の時にします。体のこと、学習のこと、子どもの将来のことなど、親と共に考えます。
学習発表会は、学年や学級で取り組みを進めてきて、講堂などの大きな舞台で、音楽、群読、運動、劇、共同研究の発表などをします。特に、学習をしたことを、劇の形で伝えることは、とても有意義だと考え、私は特に力をいれて取り組んできました。子ども達が、自分たちの学習結果を懸命に伝える姿は、親に感動を与え、それが、学校への信頼にもつながります。4クラスもある学年で発表会をするときは、とても大規模な発表会になり、保護者も夫婦で来られたり、さらに祖父母まで来られたりする場合もあり、講堂がいっぱいになるほどの観客の前で、発表することになります。子どもも教師も、力が入ります。4年、5年、6年と、毎年劇を続けてきた学年の時、保護者の中にプロの劇場の照明係の方がおられて、子どものために、機材を持ち込んで劇の照明をしてくださったことがありました。小学校の講堂の舞台が、まるで劇場のように感じられました。教師が本気で頑張れば、プロの親も動いてくださることが分かりました。
このように、教師のお便り、面談、学習参観や発表会などを通して親とつながる活動は、学校教育ではとても重要な仕事です。教師の教養、生き方が問われます。さらに、親に信頼を得るためには、子どもに対する誠実な教育が問われます。専門的な技能、専門的な知識をたくさん持っていることも、先生には必要ですが、感性もとても大切だということです。日々、本を読んだり、研修会に参加したり、演劇や展覧会を見たりと、自己を高める努力が必要です。
学校の先生の存在理由は、どんなことと考えられますか。子どもに多様な学力をつける、運動能力をつけることはもちろん、優しい気持ちを育てる、自分の意見や考えを育てるなどの自立の心を育てることも大切です。さらには、活動の組織を組み立てて集団として活躍できる子どもを育てる役割も重要です。家庭ではできない、親だけではできないところを、育てるのが学校です。
<第5回目の学習のふりかえり> 大学こぎつね
▼OD・・自分が知っていることでも、さらにまだ知らない情報などを知ることができて、すごく面白いと思った。また、自分で発表することで、発表する力や、話す力がつくし、すごく大変だったけれど面白かったです。どう話をすれば興味を持ってもらえて、楽しんで聞いてもらえるのかなどを考えたりするのも、回数をかさねればいろいろ成長ができそうだなと思いました。(きつねT:「ごんぎつね」「たぬきの糸車」など、国語の単元に入る前に、文章について研究発表させることもできますね。)
▼MM・・質問されたことを板書するのはとても難しく、相手の言ったことを簡単に書け、漢字などの知識も必要だと思いました。また、相手の発表を聞き、メモをしながら質問するのも難しかった。このようなことを小学校からしていると、どれが大切な情報か、聞き分ける能力も上がると思う。(きつねT:教師の漢字力、早く書く技術も身に付けていかないといけませんね。大学の講義でも、的確に聞き書きメモを取るように練習してください。)
▼FN・・5人の発表を聞いて思ったことは、分かりやすくまとめてあるなと思いました。おたずねをしてもらったら、それに答えるのも大変だなと思いました。皆が何に興味があるのかを知ることができて楽しかったです。(きつねT:これを学級で進める、子どもの個性が認められ、伸びると思うでしょ。)
▼NI・・自由研究のみんなの発表を見て、どんなことに興味を持っているのかを知ることができておもしろかったです。自由研究をすることで、自らが深く知ることができるし、周りで聞いているメンバーは、自分では知らなかったことを知ることができた。食べ物などは、食べてみたいなと思えました。おたずねタイムがあることで発表者はさらに深く調べようと思うし、聞く側も疑問を持つことで更に興味を持てるので、とても良い時間だなと思いました。(きつねT:自由研究は、一般教養を高める学習であると思います。幅の広い教養を身に付けると、本当に賢い子どもが育ちます。)
▼TY・・5人の発表を見て、個性があって、すごく面白かったです。いろんな情報や知識を知ることができて興味を持ちました。自由研究を発表することや聞くことは、あまりなかったのですごく楽しく聞くことができました。また、一つ、教育コースのメンバーの事を知ることができた時間でした。(きつねT:個性がこれからの世の中で必要とされます。多くの仕事がコンピューターに取って代わられる時代になっています。人にしかできない、個性的な力を伸ばす教育が必要です。)
▼TS・・一つの事柄だけにしぼって調べると、調べられることが結構多いんだなと思った。自分で調べることによって、その事柄について詳しくなれるし、話しの引き出しが増えたりすることは、凄くいいことだと思う。自分が教師として働く際に、このような自由研究学習を取り入れていきたい。(きつねT:時間の確保がとても難しいのですが、工夫しながら、子どもの個性的な学びを交流できる時間を作ってくださいね。聞き合い、お尋ねし合うことが、力となります。)
▼NZ・・各自調べたことを発表するのは、難しいと同時に新しい発見が見つかるチャンスだと思いました。発表しておたずねを聞いての繰り返しをしていると、確実に賢くなれると思いました。めちゃくちゃ話すのも聞くのも楽しくて、またやりたいです。(きつねT:おそらく、子ども達も楽しい時間であると思います。楽しい学習の時間の創造が、確実に学習への意欲を育てます。)
▼HT・・子ども達が興味を持って調べることは、今後に繋がって、自分達で発表して質問して、メモをすることは、アクティブラーニングにも繋がっていると思いました。発表前のドキドキした緊張やおたずねが前の人と被らないようにとよい緊張感をもって学習することは大切なことだと思いました。発表後は、お友達のレポートを見て、またそこから学んだり、コミュニケーションができたりして、関わりも増えるのではないかと思いました。自由研究の中にも、さまざまな種類の学びがたくさんつまっていて、繰り返していくことで力になるんだと思いました。(きつねT:ドキドキ感のある学習って、いいですよね。みんなの目が生き生きして、そのエネルギーが、算数や国語の発表の、おたずねにもつながっていきます。子ども達に、おたずねをしてもらいながら、学習を進めるようにしましょう。)
▼MS・・みんな独自に調べて来て友達の興味のあることも分かるし、プレゼンする力もつくので、子ども達が6年間続けると、いろいろな場面で役に立つと思いました。(きつねT:6年間続けると、どんなに賢い子どもが育つか、想像してみてください。教師の意欲と根気が必要ですが、頑張ろう。)
▼NO・・今日、皆さんの研究発表を聞いて、その内容についてとても詳しく書かれていたり、発表をしていたりして、その内容について詳しく知ることができた。おたずねにも、きちんと返していてよかったです。皆さんの各自、好きなもの、好きなことも知ることができてよかったです。世界の高い建物も、知らないことばかりでしたが、よい勉強になりました。配られた資料を読んで、1年生の子たちは本当に違ったものを調べていて凄いなと思いました。(きつねT:1年生は、みんな賢くなろうと、ワクワクしている時です。この時の意欲、意気込みを真っ直ぐに育てられると、みんな賢くなるのです。教師がテストでランキングしたり、学習は静かにしなさいと言ったり、いらない課題をたくさんさせたりすることで、子どもをだめにしていくのですね。)