自由研究を考える201759日(火)

 

 こぎつね小学校では、1年生から自由研究発表を初めています。自由研究とは、究極の独自学習であって、自分の興味のあることをみんなに紹介するということです。子どもの発達に合わせて、学級の全員の興味関心を広げる、生活から学びを創る学習です。「生活即学習、学習即生活」の学び方と言えます。

<自由研究の始め方、進め方>

 こぎつね小学校の朝の会では、全員が一人ひとこと話す元気調べをしています。その時、「昨日、タンポポを見つけました」と言っていた子どもが、「今日は、タンポポを持ってきました。後で発表します」と言うようになり、自由研究が始まります。そして、「近鉄奈良駅前の東向き商店街調べをしてきました。」「柿の葉寿司について、店の方にいろいろ聞いてきました。」など、学びの対象が広がります。秋の遠足は動物園に行きましょうと、夏休み前から言っておくと、夏休みの間に動物園に各ご家庭で行って、動物調べをしてきています。夏休み明けには、遠足まで発表が続き、その発表を聞き合ってから動物園に行きます。動物園学習の、独自学習と相互学習に、自然となっていきました。このように、生活の中の出来事を自ら調べて発表するところから、自由研究は進められていきます。高学年になると、本当に高度になってきます。

<自由研究の書き方、話し方>

 自由研究は、物を持ち込んでの発表から始まり、次第に、調べ学習や研究をしてきて発表するようになります。その時は、模造紙にまとめてきてそれを見ながら、また、発表原稿を作ってきてそれを読みながら、時には全て覚えて発表します。低学年では、一人5分の発表、5分間おたずねタイムというような、話し方、聞き方をします。聞いている人達は、メモを取りながら聞きます。教師は、「おたずねができるような聞き方をしましょう。」と、常に声をかけます。5人ぐらいのおたずねが出て、それに発表者が答えて、おたずねタイム5分が過ぎます。一校時に3人、発表するようにしてきました。

 低学年の時は、先生がおたずねを板書してあげるようにしました。高学年になると、日直が書いたり、また、自分達で、記録を取ったりして、教師が前に出ることは殆どなくなりました。

<発表を終えた模造紙>

 教室に掲示しておき、後で、内容がもう一度確認できるようにします。学級のみんなの自由研究の掲示により、「常に学びが更新されている学級」というイメージを持つことができます。1年生の一年間の自由研究一覧(添付資料)を見ると、子どもの学びが常につながりながら、次々と独自学習を進めている様子がよく理解できると思います。「知のネットワーク」がつながっていくのが感じられます。

<自由研究発表で身につく力>

 発表者・・①自分の興味のあることに対して、自ら調べて、まとめて書くこと。

      ②発表は5分にまとめて、分かりやすい内容で、聞き取りやすい声で話すこと。

③おたずねに対応して、適切に応答すること。

 聞く人・・①聞きながら、適切にメモをとること。

      ②おたずねができる聞き方をすること。

      ③友達の発表の良い点に興味を持って学ぶこと。

 

<前回の学習のふりかえり>大学こぎつね

HT・・もし自分が親だったら、「こぎつね物語」を読んで、子どもが学校で何を学んでいるのか、子どもの素直な気持ち、担任の先生のコメントなど、様々なことがおたよりで分かって、安心してその学校に通わせることができます。私も保護者に、そう思ってもらえるようなおたよりを書けるようになりたいです。そのためには、普段の様子を記録して、状況を把握できていないとできないと思いました。

MM・・子ども達の学習環境に、びっくりするぐらい道具が必要なので、すごいと思いました。

NI・・自分が教師として子ども達に授業をするためにというテーマを作りました。まず、テキストを読みながら大事と思うポイントにマーカーを引きながら読み進めたのですが、情報量が多くて、本当に重要なところを抜き出すむつかしさを感じました。子どもの日記については、半年間の成長が著しく驚きました。その理由を考えてみると普段から日記を書き、発表するなどで、着眼点や視野が広がって、「どうして」「なぜ」を言葉にできるようになっていると感じました。最後に、教師になったとき、子どものためにできることを考えると、きっとどこまでやってもOKというラインがなくて、やろうとすればどこまでもできると思う。子どもにとって本当に必要なことは何かを判断する力が必要だと感じました。

TY・・私は授業が基本だと思っていました。学習環境を整えるだけで、一人一人の取り組む意欲がすごく変わると思いました。環境を整えるのがすごく大切だと思いました。テキストを読んで、ノートにとるのはとても難しかったです。分かりやすく理解するのに、時間がかかります。教師は、教えるには、こういう力が必要というのを、改めて考えることができました。

NZ・・六か月で子どもの成長に、とても驚きました。一本の花に対して「きれい」という感想だったのが、「力強く咲いていた」「風にゆられててかわいかった」など、たくさんの感情ができていて、読み手にその情景が浮かぶような表現力がついていました。(きつねT:いい表現、見つけています。)

TS・・環境をしっかり整えてあげることで、授業に集中し、なおかつ自分を高めていくことができると同時に、周囲の子ども達も同時に成長していけることが分かった。日記も、ひたすら続けて書くことで、力を伸ばし、漢字もどんどん扱えるようになって、自分にしか書けないような文章が書けるようになっていく。(きつねT:私は、若いころよりお便りを書き続けて、自分の文体を身に付けてきました。)

FN・・2年生から国語辞典を使っているのがすごいと思いました。算数とかも、計算するだけでなく、言葉の意味を調べるのも楽しいだろうなと思いました。私も、先生になったら、子ども達が書いた日記をまとめてあげたいなと思いました。(きつねT:辞書を引いて、文章を書くようになってください。)

NO・・子ども達自身でもそうだけど、教育者や親も、子ども達の環境を整えてあげることが大切だと思いました。日記は、自分の感想だけでなく、周りの子ども達を見ての感想だったり、視点が広がっていたり、感想の表現が豊かになっていたり、半年たっただけなのに、成長がすごいことが分かりました。

MS・・日記を見て、半年でこんなにも成長できることを知ることが出来、とても勉強になった。

OD・・一つ一つの学習環境で、子どもの学びがより豊かになり、子ども主体の授業が育っていくことが分かりました。(きつねT:豊かな環境が、質の高い学習を創ります。学びは、量から質へ。)