自ら学習を進める子ども達 2017年4月18日(火)
こぎつね小学校の教育について紹介します。小学校で長く務めてきた私が、先生になる皆さんに伝えることができる大切なことです。こぎつね小学校の教育の一番大切なところは、子どもが自立して、自ら学びを進める学習法を中心にしているということです。
「子どもが自ら学習を進める」と聞いて、おそらく皆さんの最初の感想は、「そんなことはあり得ない」「今まで経験したことない」というような感じだと思います。先生とは、子どもよりも先に生まれて、少し多くの事を知っているので、それを偉そうに幼い子どもに教えるのが仕事だと思ってしまっているのだと思います。先生は、自慢するのが好き、命令してそれに従わせるのが好き、きっちり自分のコピーを作るのが好き、教えてテストでランキングして選別するのが好きな人種だと考えているでしょう。実は、子どもの能力というのは、先生をはるかに超えている場合があり、その超えている能力の部分を、邪魔をしないでうまく発揮させ、自分で学び続けることができる人を育てることが大切だと考えます。
子どもは、あらゆる環境の中でも生き抜けるように、幼いころは多くの能力が周囲の世界に向けて最大限に開かれていると思います。例えば、言語、生活習慣の獲得など、地球上のあらゆる地域でも適応して育っていきます。過酷な環境に対して適応し、それを乗り越えることにより生き延びていく力を持っているのです。
子どもに備わった能力をそれぞれに発揮させることにより、自分たちで学びの環境を創造していく学級を創るようにします。能力の発揮は、人によって違っています。それは、それまでのその子の育ち方に関係します。違った環境の中で育った子どもが、その得意とする能力をまずは発揮し、学級の中で活躍する環境を作るのです。それには、個人の能力がそれぞれに自由に発信できる、「朝の元気調べ」、「自由研究発表」、「日記」が大切な学習場としてあります。さらに、各教科での学習も、独自学習から学習を始めて、それぞれの能力の特性に合わせて探究をさせ、それを交流させる相互学習によって、互いに高め合うようにします。緩やかな能力の競い合いがある環境の中で、つながり合うことでさらに学びを増幅させるように学び続ける学習法が大切だと考えます。
身近なことで考えると、私は、地域別の子どもスポーツ大会のことを思い出します。そこでは、昔野球をしていた人が、サングラスをかけ、腕を組んで、子どもを叱り飛ばしながら、指導していた時代を知っています。教育という状況ではなく、特訓の中で鍛え上げる、義理人情の関係性の中での訓練でした。汗と涙と罵倒の中の教育でした。この状況は特別なことではなくて、最近でも、表面的な罵倒ということは無いけれども、形を変えたシステム上の恐怖的ランキングや、危機的状況を示すことで追い込む教育は、各所で横行しています。注意深く、教育の在り方を見ていく必要が大切です。自分が教師になったとき、その中に組み込まれていないか、常に注意深く見つめる必要があります。
<前回の学習のふりかえり>大学こぎつね
▼MM・・他律的教育から自律的教育への進展を読んで、他律的教育は児童生徒を服従して知的奴隷(きつね:ちょっと過激な言い方?)を作るだけで、自立学習は優秀な学習結果を収めることができるけれど、自律学習を実行するのは難しい。自分が教師になったら生徒が自ら学習ができる環境を作りたい。
▼NI・・一番印象に残っているのはこぎつね小の授業です。木下さんの書の内容は難しい内容でしたが、自律的学習の大切さを示している文章だなと思いました。アクティブラーニングをしっかり学びたいという思いが私個人的に強く思っているところなので、こぎつね小の授業の作り方、進め方を学んでいきたいです。こぎつね小の授業を見に行ってみたいです。最後の、他の人の紹介のように、受講者が積極的に参加のできる授業作りを学んでいきたいです。
▼NZ・・常に子ども達を意識して、どれだけ分かりやすく、なおかつ深く話ができるかが大切だということが分かりました。「こぎつねだより」を見て、こども主体の教育の話にとても興味を持ちました。自分がこどもの時には、気付かなかったけれど、自然とそう導いてくれていたんだなと思いました。
▼NO・・難しそうだけど、頑張ろうと思った。
▼TS・・先生から生徒への一方的な授業になるのではなく、生徒たちが自発的に授業に参加する形が大事だということは、教職現場でも言われている「アクティブラーニング」という言葉を何度も聞いた。これを含めて、これから色んなことを学んでいきたいと思った。
▼FN・・今日は、プリントを使って読んだり自己紹介をしたりしました。プリントの内容は、難しい内容だったけれど、子ども達が中心となって取り組むことはいいことだなと思いました。
▼TY・・このようなことをすることによって、コミュニケーションもとれて、いいと思いました。木下先生の文章は難しいと思えたけれど、一文一文すごい、いい文だなと思います。きつね先生の研究の量にびっくりしました。私も一度、何かについて研究してみたいなと思いました。
▼OD・・子ども主体の教育と教え込み教育の違いや、互いの教育法の良い点悪い点。
▼MS・・前回はコースのみんなのことが知れてよかった。友達を紹介するのは難しいものだと感じます。
▼HT・・友達と自分の自己紹介を合わせて発表するのが難しかったです。思ったより緊張した。慣れてないので、上手に人前で話せるようになりたいと思いました。先生になるための訓練を頑張ります。
<こんな先生になりたい>
・頼りになる先生。
・心に寄り添い、いつでも心で向き合える先生になりたい。
・体を動かすことの楽しさを伝えたい。
・子どもの記憶に残るような、楽しい思い出を作れるような先生になる。
・一人一人に寄り添っていけるような先生になりたい。
・学習サポーターとしての勤務から、小学校に実際に入って、小学生たちと触れ合いを持ちたい。
・子どもたちを大切にできる先生。
・子どもを一番に考えて、保護者の人に信頼されるような保育士になりたい。笑顔を忘れない。
・今まで出会った中で、小学校高学年の時の先生がすごくよい先生だったので、その先生をいろいろな意味で追い抜けるような先生。
・小6時代の担任の先生のように、学級経営の上手な先生になりたい。
・楽しい思い出をたくさん作り、子どもと向き合える先生。