月や星の動きの観察 201773日(月)

 

 前回の地球から見た太陽の動きと、月の動き、星の動きは、似ているところもあるのですが、それぞれみんな違っています。その理由は、つぎのようなことが関係しています。

 太陽・・地球が自転することで、太陽が東から出て、西へ沈むように動く。

地軸に傾きがある地球が太陽の周りを1年かけて公転していることで、季節変化がある。

 月・・・地球が自転していることで、月が東から出て、西へ沈むように動く。

月が地球の周りを回っていることで、太陽の動きとは違って見える。

月は太陽の光を反射して輝いているので、太陽と地球と月の位置関係で形が違って見える。

 星・・・地球が自転することで、星が東から出て西へ沈むように動く。 

     地球が太陽の周りを公転していることで、季節によって見える星が変わる。

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 月の動きは、太陽と同じように、地上から見た動きを捉えることを学習の目的とします。太陽は毎日12時ごろには南に見えるというような見え方をするのですが、月の見える位置は、日々東にずれてきます。毎日のずれが積み重なって、一か月後に、ほぼ元の位置に見えるようになります。月は、毎日1時間ほど、早く出るようになります。

月は、太陽の観察の時のように影の動きで記録することができませんので、位置の記録には、方位と高度で、記録用紙に書き込んでいく必要があります。また、見える形、見える時刻も毎日変化するので、位置に合わせて、形と時刻も記録します。

月の形は、日々変わります。それは、太陽との位置関係によって、光っている部分の見え方が変わるからです。新月(真っ暗で見えない)→三日月→上弦の月→満月→下弦の月→新月です。

 

<月の名称>

1日目 新月(しんげつ) 

もしくは朔(さく)朔のある日を「朔日(さくじつ)」といい、訓読みすると「ついたち」となる。月の満ち欠けで暦を考えていた人々は、新月の日を一日(ついたち)としていた。その名残が、今も名前に残っています。

3日目 三日月(みかづき) 

眉月(まゆづき、びげつ)、蛾眉(がび)、繊月(せんげつ)などとも言う。

7日目 上弦の月 

半月(はんげつ)、もしくは弦月(げんげつ)7日目のこの場合は「上弦の月」。弦月と呼ばれる所以は、形が弓を張った状態に似ているから。また、それにちなんで弓張月(ゆみはりづき)とも言われる。

13日目 十三夜(じゅうさんや) 

お月見というと旧暦八月十五日の十五夜がもっとも有名ですが、日本では古来もうひとつ、旧暦九月十三日の十三夜もまた美しい月であると重んじていました。

14日目 小望月(こもちづき) 

満月(望月)の前夜の月。「近い」という意味を持つ「幾」の時を用いて幾望(きぼう)ともいう。

15日目 満月(まんげつ) 

またの名を望月(もちづき)。十五夜にはサトイモなどを供えることが多いため「芋名月(いもなづき)」とも呼ばれています。肉眼で見るのには最高の月ですが、明るすぎて天体観測には向きません。

16日目 十六夜(いざよい) 

満月から1日たった十六夜の月は、まるで出てくるのをいざよっている(ためらっている)ように思えたことから、この呼び名が付けられたと言われています。

難しい読み方ですね。

17日目 立待月(たちまちづき) 

「いまかいまかと立って待つうちに月が出る」と言われたことから名付けられました。

昔は電球などなかったので、夜は月が出てくるまでは真っ暗闇だったそうです。そのため、十六夜よりも登ってくるのが遅いこの月を、昔の人はいまかいまかと待っていたようですね。

18日目 居待月(いまちづき) 

立待月よりもさらに遅いこの月は、「立って待つには長すぎる」と言われ、「座って待つ月」と名付けられました。それほどまでして、昔の人は月を待っていたんですね

19日目 寝待月(ねまちづき) 

ついに、出てくるのが遅すぎて「寝て待つ月」と呼ばれてしまいました。ちなみに、この月の出る時刻は午後9時くらい。昔の人は早寝だったんでしょうか。

20日目 更待月(ふけまちづき) 

この月が出てくるのは午後10時頃。夜更けに出るから更待月。

23日目 下弦の月 

23日目の半月は下弦の月。上弦の月から約2週間。日の出の時に一番高いところに上ります。

26日目 有明の月 

夜明けの空(有明の空)に昇ることから「有明の月(ありあけのつき)」と呼ばれました。また、夜明けの空で消えそうになっているこの月を「残月(ざんげつ)」とも呼ぶことがあるそうです。

30日目 三十日月(みそかづき) 

月の終わりを「みそか」と呼ぶ由来になりました。またの名を、月が籠もることから、晦日(つごもり)とも言います。「晦日(つごもり)」を「みそか」と読んだことから、年の終わりの日を「大晦日(おおみそか)」と呼ぶようになったそうです。

 

<月と太陽の位置関係>

月の形は、太陽との位置関係で決まります。太陽と180度離れていると満月、太陽と90度離れていると半月、太陽の近くでは三日月のような細い月に見えます。月は、太陽側が光っているので、時刻を指定すると、その形の月が見える位置が分かるようになります。

 

<月の観測>

    下弦の月から観測をしました。午前中、下弦の月は南西の空にみえるので、1時間おきに学校で3回ほど観測ができます。西へ沈む月も観測できます。

②その後、毎日、太陽に近づきながら月が細くなっていくのですが、校舎などに太陽を隠すとかなり細い月を、昼間に見つけることができます。

③太陽の近くで新月となり、このときは全く見えないのですが、太陽を東側へ通り越し、2日月、3日月がまた、見え始めます。だれが、最初に、誰が三日月を見つけるかを競いあうような観察をしました。

④上弦の月の観測をします。学校で、昼過ぎに月出を観察できます。夕方までに、東から次第に登っていく上弦の月の観測ができます。

⑤満月の観測は、家でしかできません。夕方6時ごろ東から出て、真夜中に南中して、太陽が出る朝には西へと沈みます。夕方から一時間おきに、3回ほど観測ができます。

 

<星の観測>

①星座を見つける学習。星座の形を学校で学びます。その星座を、夜空で見つけてくる宿題をしばらく進めて、朝の会などで報告をさせます。夏なら、夏の大三角(白鳥座デネブ、こと座ベガ、わし座アルタイル)、さそり座、北斗七星、北極星、を探させます。

    東の空を上る夏の大三角の動きを観測します。(1時間おきに3回)

③南の空のさそり座アンタレスの動きを観測します。(1時間おきに3回)

④北の空の北斗七星、又は、秋ならカシオペア座の動きを観測します。

⑤星の動きをまとめて、全天の星の動きについて考えます。東は、南は、北は、全天では。

 

<星座早見盤を使う>

①月日と観測時刻を合わせる。

②自分の見たい方位を下に持ち、

 空の星と見比べる。