太陽の動きをどうとらえるか 2017年6月26日(月)
梅雨の真最中に太陽の動きの学習はとても難しい課題でした。今日は、観察よりは、じっくりと天体の動きをどのように記録するかについて、資料を基に学び合いたいと思います。小学校で天体を扱うのは、太陽、月、星の動きです。それぞれ、天動説(地面は止まっていて、天体が動いている)としての観察を中心としています。それぞれ観察をして、それらがどのように規則的な動きをしているかを捉えることが学習の目的です。
<太陽の動き>
ア、影遊び
影ふみ鬼ごっこ遊びを通して、太陽の光によって、人の影が、太陽と反対側にできることを捉えます。太陽に向かって逃げると直ぐに影が踏まれて、捕まってしまうのですが、影の側へ逃げると影が踏まれにくいことから、太陽と影との関係を、遊びを通して気づかせます。
イ、遮光板と方位磁針
安全が確かめられている遮光板で、太陽を見ることで、太陽の見える方位を、方位磁針を使って調べます。また、太陽を指で指し示すことで、周りの子ども達が、水平からのおおよその角度を調べます。
例、10時の太陽は、南東の方向で、高さが50度
ぐらいの所に見えた。
ウ、影の動き
木や校舎の影が、時刻によって動いていることに気付くことから、棒を立てて、影の動きがどのようになっているのかを1時間おきに記録をさせます。影の動きの反対側に太陽の動きがあるので、影は西から東へと動き、そこから、太陽は東から西へと動くということになります。この思考は意外と難しく、太陽が西から東への動いたと覚える子どもがいます。
エ、透明半球に記録
太陽が西から東へと動くと言うような間違いがないように、透明半球にシールを貼っていく方法を私は小学校でもします。この場合、太陽が東の空から、南を通って、西へ動いていくのが、方位も高さも記録できるので、いいなあと思っています。
太陽の動き 「理科便り こぎつねノート」より 2014年6月17日
4月に発芽したヒマワリは、太陽に向かってぐんぐん成長中です。現在、1mの高さまで成長しました。風で倒れないように、技術職員さんに支えをつけてもらいました。葉はできるだけ多くの光を受けるために、上から見ると、互いに重ならないように広がっています。
こぎつね達は、「モンシロチョウの成長」のレポートを、書くことができました。きつねTは、いろいろなチョウの幼虫を、ブログ(こぎつねさんぽに出かけよう)で紹介することができました。モンシロチョウ、アゲハ、ツマグロヒョウモン、アオスジアゲハなどです。パセリを植えて待っているのですが、まだ、キアゲハは顔を見せていません。数年前、5月に山歩きへ行って尾根道を通った時、毛虫だらけでこまったことがありました。木から糸でぶら下がっていて、突然目の前にいたり、足元の道に無数の毛虫が歩いていたりと、踏まないで歩くことができない状態を経験しました。毎日、健康つくりの為にそのコースを歩いている人は、傘をさして歩いていました。そうすると、目の前に突然毛虫が現われることを防げるし、木から降りてきた毛虫が背中を歩いているのも防げるからです。
さて、夏至も近づいてきました。太陽の動きの観察をしようと思います。太陽の動き、影のでき方、影の動き、方位の学習、光の学習などに取り組みます。植物も動物も、太陽の恩恵を受けて生きています。太陽の光の明るさ、温かさによって地球上の生命があり、私たち人類の文化も発達してきました。3年生では、太陽の動きの規則性を、観察から発見できるようにしてきたいと思います。
先日、透明半球を厚紙に貼り付けました。そこに夏至に近い晴れた一日を選んで、1時間ごとに観測したいと思います。シールの影が透明半球の中心にくるように貼っていくと、太陽の一日の動きが透明半球上に記録できます。記録ができると、その透明半球の中に自分が立っていると考え、中心から透明半球上の記録のシールを見上げると、一日の太陽の動きが想像できるようになります。
地上から見た太陽の動きは、地球の自転と公転によるものなので、太陽系を考えると、難しくなります。今回は、奈良から見た天空の太陽が、どのように動いているのかについて考えます。
太陽の動きと東西南北の方位は、とても大切な学習です。春分、秋分の日の、日の出、日の入りの方位が、真東、真西に当たります。夏至の頃は、ほぼ北東から出て、北西に沈むので、東から出た太陽が西に沈むと教えると、かなりの誤差があります。今回は、夏至、秋分、冬至の、三回の太陽の動きを観測します。ご家庭では、透明半球がありませんので、影の動きで、太陽の動きの観測ができます。それぞれ挑戦してみてください。また、奈良の人は、生駒の山へ日の入りする太陽の場所と時刻を、デジタルカメラで一週間に一度ずつ記録をすると、ぐんぐん日の入りの場所と時刻が変わっていくのに驚かされます。日の出の記録は、出る瞬間をとらえるのが難しいので、日の入りの記録がいいでしょう。大阪に住む人は、少し高い場所を確保して、月に数度、そこで日の入りの写真撮影ができるといいですね。夕陽を親子で見る経験から、空を見上げる習慣ができ、方位のこと、月の動き、星の動き、さらには雲の種類、明日の天気予報などへも、理科学習への興味が広がります。まずは行動することから、理科好きが育ちます。
天体観測する時、方位磁石が必要になります。方位磁石は、ビルの屋上などコンクリートの上では、中に入っている鉄筋の影響を受けて正確な方位を示しません。手に持つ、木やプラスチックの水平な台の上に置くなどの工夫をしてください。学校で観測する場合は、学校の方位磁石を使いますが、家でも一つあればいいですね。アインシュタインが子どもの頃初めて手にした科学の道具が、方位磁石だそうです。きつねTも、路頭に迷わないように、登山用の方位磁石を持ち歩いています。
<前回の学習のふりかえり> 大学こぎつね
▼IU・・Aは炎が大きく燃えている割りばしの様子を見ることができなかったが、Bは、見ることができた。だんだん割りばしが黒くなり、その後、だんだん細くなってきて、最後には折れてしまう過程を見ることができて、とても面白かった。小学生の時、かまどで調理した時、下から火をあおぐと、よく燃えるよと教えてもらったことを思い出しました。その時は言われたままにしていたけれど、今日の実験のように他の方法と比べながら「どうしたらよく燃えるのか」試行錯誤しながら活動ができた方がより学びのある楽しい活動だっただろうなと感じました。(きつねT:かまど経験をつないで考えることができました。)
▼NH・・子どもにとって、火を扱う機会というのは少ないと思うので、楽しい実験なのではないかと思った。ただし、火を扱うので危険がつきものなので、安全管理をきっちりやる必要性があると思った。缶を切ったりするのも小学生には危ないので、こういった実験は教員があらかじめ用意しておく必要があると感じた。(きつねT:6年生の実験ですので、気をつけてさせると、今までけがはありませんでした。指示が大切です。)
▼YZ・・350ml缶3本で実験をしたため、割りばしを3分の1のサイズにする工夫をした。Aだけが顕著に結果が出たのは、やはり空気の通り道ができ、新鮮な空気が常に缶の中に巡っていたからではないだろうか。全体的に他の班と比べて火に迫力がなかったのは、缶の背が低いために何が起きたのだろうか。まだ、その原因まで考えられていない。(きつねT:1班だけ、350mlの缶で実験となりました。指示した500mlではなかったのですが、工夫をして実験をしてくれました。細長い筒の中で燃える事で、上昇気流が起こります。そのことにより、下から更に新しい空気を吸い込み、また更に燃えます。煙突が長いのも、一つには、その煙突効果を考えているからです。500mlの方が、煙突効果が起こりやすく、大きな炎で燃えやすいのですね。自業自得→怪我の功名 でしたね。ここが大切。)
▼IS・・今日のような実験みたいに、(条件を制御して)3つぐらいの(比較)実験を行うことで、結果の違いが考えやすいと思いました。2つの比較では分かりにくいが、3つあることで、程度の変化に気付けるので、自分が教員をやるときも、比較対象は3つほど用意すべきだと考えました。また、児童なら燃えている様子や時間、燃えている物を意識することができても、容器に注目するのは難しいと思うので、こちらから視点を広げてあげられるように指導することも大切だと思った。(きつねT:空き缶の違いは、実験結果を見ながら、子どもが気づいたことです。私も、子どもから教えられたことです。もっと他にもあるかもしれません。子どもと共に発見してください。先生の仕事は、子どもの発見を引き出すこと、聞き逃さないことです。)
▼FY・・今日は火を使う実験をして、大学生でも緊張感を持ちながら行わなければならないものなので、なおさら、小学生に対しては緊張感をもって、慎重に行動してもらわなければならないと思った。遊び半分でする子どもがいないように、授業の雰囲気づくりも大切になってくるのではないかと思った。対象実験は、一つの条件以外は同じ条件にしなければ、明確な違いが表れにくいために、なかなか難しいと思った。①燃える時間、②燃えた後のもの、③燃え方、④空き缶の周囲の様子、でも、明確な違いが出たものもあったので、よかった。(きつねT:家での実験もよく推進しているのですが、この実験の場合は、家で決してしてはいけないと、強く指導をしました。他は家で工夫してするように伝えています。)