担任外としての多くの学校の仕事 2013年秋

 

主幹教諭になって半年過ぎました。前号の「初めて主幹教諭の仕事に就いて」に書かせていただいたように、担任の時とは違う仕事に次々出会い、新米の主幹教諭は、学校の中をいつも歩いています。一日に15000歩は歩きます。

前回愛眼を書いた時から、さらに新たな仕事に出会いました。まず、教育実習生の受け入れ、各地から見学に来られる大学の先生や小学校の先生方の参観の受け入れ、大正から昭和時代のわが校の昔の資料調べに来られる研究者の受け入れなど、わが校で学ばれる多くの方々に対応することです。特に見学者は、はるばる遠くから旅費や時間をかけて来られます。失礼のないように対応したいと思うと、とても気を使います。また、「卒論で調べているのですが、大正時代の小学校の担任の先生のお名前を教えてほしい。」「清水甚吾先生の〇〇という本を探しているのですが、そちらの学校にありますか。」と、電話での問い合わせもあり、ちょっと手間ですができる範囲で対応します。

 今年は、台風が多くやってきて、警報が出る機会が何度かありました。大雨または暴風の警報が出ると学習の途中でも下校させなければいけません。保護者への一斉配信をすると500から600名近い方がその連絡を受けます。そして子どもが全員下校しますので、1000人近い人が、下校の判断で動くことになります。とても責任ある判断をしなければなりません。警報が出てから、どの時刻に下校させるかも悩むところです。激しい雨の時は駅まで歩く間が危険ですので、雨雲の動きをインターネットでみながら判断します。また、午後には雨雲が通り過ぎてしまいそうな前線通過の場合は、午前中に警報が出ても直ぐに下校しないで、学校で待機の判断をします。胃が痛むほど悩む瞬間です。

 入学適性検査に向けての準備は、細心の注意が必要です。基本的には担当の先生方が中心になって進めるのですが、問題作成や会場の最終チェックに責任があります。何度も何度も見直して、作成、印刷、準備をします。また、受付の手順や、検査教室の準備や、清掃などの最終確認をします。

 夏休み後は、学校のホームページの整備に力を入れました。それぞれのページの更新を進め、さらに古い状態のページの書き換えもかなり進めました。入園入学を目指す方は、ほぼ全員がホームページを見られると思います。また、学校見学に来られる先生も、来校前にチェックすると思います。最近では、学校の顔であり入口であるホームページは、丁寧に取り組むべき大切なところです。担任の先生では、時間的にやりきれませんので、主幹と担任外の先生とで、発信の情報を整える作業を続けています。みなさんも一度、わが校のホームページをのぞいてみてください。

 出張の先生の教室、欠席の先生の教室に入って、子どもたちの安全な学習状況を保ち続けるのも大切な仕事です。担任外の先生、専科の学習で空き時間の先生と分担しながら、時には副校長にも助けてもらい、朝の会やかえりの会を見守ったり、自学の子どもたちを支えたり、給食準備を一緒に取り組んだりと、忙しい毎日です。低学年は一時たりとも目を離せません。全ての時間、付きっきりとなります。秋は出張の先生が多いので大変です。

 PTCC活動、育友会、百名近い学生参観、入学説明会、入園説明会など、多くの大人の方々が来校される場合、毎回、スリッパの準備、靴置場の設置、案内黒板を書く作業をします。このような会合は月に何度かあり、準備に追われます。まるで、テレビ番組で見るところの旅館の女将のように、団体のお客様の受け入れに走り回っている状態です。

これまで、学級担任として目の前の子どもだけを見て、学級の学習に集中して取り組めていたのは、このような学校全体としての支えがあったからだと、自分がその立場になって初めて知るところです。子どもが自立して学習を進める学校は、環境の整備が大切です。学習環境を整備して初めて、子どもはその中で、安全にそして主体的に学びが進められます。担任の先生ができない所の、子どものための学習環境作りを、これからも頑張ります。